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世界は子を愛す  作者: 大介
第1章 現実

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第38話 世界の敵

<クロア、記憶消去されるのはドラゴンが怪しい動きをしたときだと思うが創造主は何を怪しいと考えると思う。いつか分からねえが記憶消去されたくねえから時間稼ぎをしてえ>


 魔法が素直に聞いています。それだけ追い詰められた状況だという事です。


<魔法、1万年もの間に怪しい動きをしたドラゴンがいないと思わない方がいいよ。怪しい動きをするドラゴンを殺す相手の方が怪しいから。何ができるのか分からない相手の行動を制限しようとするのは自殺行為だよ。私たちはいつも通り楽しみ邪魔をされたら潰す。それに上位者は無視でいいよ。それと時間稼ぎを考える前に記憶を消されても大丈夫なようにしておく。魔法は今から私たちとお母さんとフィオナ姉さんそれぞれの記憶を魔力器の中に入れて。空間庫にある10割から8割の魔力水で保存している魔力器だよ。魔力器に残っている魔力は転移で全部捨てる。自己回復、破損について教えて。それと7割の魔力器も使えそうなら働いてくれている人を優先して記憶保護して>

≪10割から8割について破損はしておらず魔力器の中に魔力も残ったままです。7割は微小ではありますが破損しています。しかし中の魔力は漏れていないので時間稼ぎには使えます≫


 私と魔法だけでしたら確実に殺されていたでしょう。いつされるのか分からない記憶消去に焦って普段と違う行動をして目立っていたはずです。時間稼ぎを考えるのではなく記憶消去されても問題のない状態にする。誰でも最初はそれを考えるでしょう。そして方法が見つからないので時間稼ぎをしたいと思うのです。


 クロアがいるとこれ程までに違うのですね。


 決して創造主とは言わず上位者と言っているのも意味があるのかもしれません。上位者が1人だと決めつけてはいけない。記憶を確認されていないと思い込んではいけない。私は創造主を甘く考えていたのかもしれません。

 本来なら戦うべき相手ではないはずです。それなのに戦う準備をするつもりでいました。日々を楽しもうと考えているクロアとは全く違います。邪魔されなければ敵ではないのです。実験も新しい発見をするためにすればよいのです。


 それを私たちに伝えたいのかもしれません。


 クロアは記憶消去されても必ず元に戻せるように考えていました。魔石を使った記憶保護は主と遊んでいる女の子たちのためでしょう。

 そして空間庫の魔力器が破損していても問題のない気がします。何故ならクロアに不安が一切ありません。他の方法も考えてあるはずです。


 私も今から上位者と呼びましょう。


 私たちでは思いつけないような方法を当たり前のように指示するのがクロアです。私たちの力を私たちよりも知っているのです。できないことを指示されたことはありません。考えれば考えるほどクロアに甘えているのだと痛感します…。


≪魔法、創造主だと思考したり話したりしている記憶を上位者に変えることができますか?≫

<これから先なにか起きたときに記憶を見られる可能性があるという事だな。クロアが上位者としか言っていないのも相手を油断させるためか。中途半端なことはしたくねえ。創造主についての記憶を俺と自己回復は消した方がいい。それでもいいな?>


 魔法も気づいたのでしょう。私たちは何も分からない相手を甘く見ています。


≪はい。創造主について考えている世界最強は怪しすぎます。消してください≫

<それくらい徹底しないと駄目だな。今から記憶を消す。クロアは俺たちが分かりやすいように何か言ってくれ。よし、消すぞ!>


 クロアが考えてくれた計画を実行するのです。

 それに新しい研究をして実験もするのです。やるべきことは何も変わりません。


<魔法も自己回復も気合が入りすぎ。相手は上位者だよ。私たちが楽しむのを邪魔されたら潰すけれど、こちらから敵対する意味もない。記憶保護が最優先だから。それに私たちの記憶を守る方法はまだある>


 上位者から記憶を守るのが最優先です。クロアが大切な記憶を守る方法を1つだけしか考えていないわけがありませんね。


<まだあんのかよ…。考える時間なかっただろ!>

<一月前に考えた方法だからね。私たちの魔力器を使えばいい。そして証をロディに替えてもらう。そのあとロディを思考誘導する。私が守りたいのはディアと遊んだ女の子たちの記憶なの。感情が見えない相手の記憶を消すには直接見ないと無理なのでしょ。感情の隠蔽を強化しても隠せる相手ではないと思うから結界は今まで通りでいいよ。能力たちの記憶が100万年近くあっても背中の器に収まるのだから魔力器に余裕で入る。私たちは世界最強なの。隠れている人のことなんて気にする必要もない>


 魔力器は主の魔力と自然の魔力以外は外に出せないのです。溢れることもありません。クローディアの魔力器を空に近い状態にしてから保護したい記憶の魔力を魔力器に入れてロディに管理してもらう。誰の魔力でもよいので転移させて魔力器の中に入れる。クローディアとは違う証を記憶の魔力につければ完成です。

 完璧ですね。魔法の言葉を信じロディの力を信じています。そして私の思考誘導も信じてくれています。本当に守るためなら手段を選ばないですね。


 私たちは楽しみながら成長し続けます。これからは研究と実験が大切な意味を持ちます。知らないことを知ることが最大の武器になるのですから。


<気にしていた俺が馬鹿だったぜ。俺たちの記憶は繋げても簡単に分けられる。50年程度を見るのは楽勝だからな。記憶保護は最優先だから今から始めるぞ>

≪とても大切な記憶です。お願いします!≫


 記憶保護は最優先です。いつ消去されるか分からないのですから。


<それとこれから始まる会議で伝えて。魔法と自己回復の連携で豪雨の間は女性を襲うクズを殺し続けると…。私が滞在している国でそれだけは許さない!そして最初の質問は殺されるために奴隷にされた幼い女の子が殺されても平気なのかどうか確認して。今はディアといつもの場所で布団に入っているから眠らせて。それでは自己回復は代わって>

≪えっ!?分かりました≫


「魔法、私の体に扱える魔力を流して解放して魔力が見えなくなった場所を教えて。」

<お、おう。分かったぜ>


 突然代わって何をしているのですか?眠るのではなかったのですか?


<体を抜けたら見えなくなった。魔力を操作されていなければクローディアの証はクローディアの体の中でしか存在できない可能性がある>


「魔法、今から溢れる魔力を結界で消費して。証が抜けた魔力が漏れないようにね。」

<ああ、分かった!>


 それをする理由が分かりません。クロアは何を考えているのですか?


「これで恐らく私が強く意識して話しても記憶は漏れない。今から言う作戦を聞いた後にこの結界を張る前まで私の記憶を消して結界も元に戻して。魔力水が10割から7割の魔力器を6割から3割の魔力器と場所を入れ替える。そして魔力水の濃度が6割から3割を10割から7割にして偽装する。自己回復は私たちの記憶と精神を保護。自身に思考誘導は付与しないで。記憶消去されたら記憶を元に戻せと自己回復に指示する思考誘導を魔法に付与する。そして今から私たちが上位者にどれほど警戒されているのかを確認する。誰も来ないのならいいけれど、必ず来ると思うから平常心を保って。私の記憶は確実に漏れているけれど、全部読み取れない自信があるから大丈夫。それと魔法は空間庫の場所を移動していないでしょ。相手に気づかれているはず。伝えたけれど、まだ移動しないで。それでは戻るから眠らせて記憶を消して。」


 クロアが中に入り私と代わりました。


≪魔法、お願いします。おやすみなさい≫

<ああ、分かったぜ…。マジで情けねえな>


 結界で雑音を防いで眠れば起きることもないでしょう。

 記憶消去されたら自己回復に記憶を戻せと指示する。魔法に付与成功。


<マジで情けねえ…。俺は何も考えてねえじゃねえか。本当に来ると思うか?>

≪クロアが来ると言ったら来ます。とにかく落ち着いてください。情けないですが今は任された作戦を全うするだけです≫


 クロアに楽しんだ記憶は何もないのです…。

 上位者は生き残るために抗ったクロアを消すつもりなのですか?


 そのようなことを考えていたら絶対に許しません!


<マジか…。浮遊島の上空に突然現れた。魔力を持つ生物全て上空に転移させて維持してる。寒気がしやがる…。間違いねえ、浮遊島を叩き落とすぞ!急いでお母さんに注意しろ!>


 浮遊島を落とすならクズドラゴンごと落としてください。


「お母さん!今から強い振動と風が来ます。フィオナさんにも伝えてください。そして結界内の皆にも大丈夫だと伝えてください!」

「何かあったのですね。すぐに伝えてきます!」


<浮遊島を叩き落した!島には魔石が入っていたようだが砕け散った>


 浮遊島とは距離がかなり離れています。それなのに振動と風が強すぎます。これは確実に誘われていますね…。


≪魔法、明らかに浮遊島を落とした振動ではありません。風も強すぎます。反応が早すぎると見ていたと伝えているようなものです…。結界を変更してください≫

<よし、結界だけだな。何も分かんねえ…、浮遊島が突然直った。奴は上空にまだいる>


 予想していた反応がないので肩透かしを食らった気分でしょう。


≪魔法、建物の被害を確認して修復してください。結界中だけです≫

<ああ、当然だ!必要なら回復魔法も使う!>


 こちらの感情を確認しています…。

 どちらにしても直接来るつもりだったのかもしれません。


≪魔法、恐らく直接来ます。冷静にお願いしますね≫

<ああ、俺たちは無視だろ!>


 クリスティーナの姿で来るとか最高の嫌味ですね。これだけで上位者が腐っていると分かります。クズドラゴン優遇社会を維持しているのも納得です。


「お久しぶりです。何故反応してくれないのですか?私は頑張りました。」

「はじめまして。一番嫌いな姿で来たあなたは誰ですか?振動と風はあなたが原因だと思っていますけれど、会ったことはありませんよね。」


 何を確認しに来たのでしょう。感情が動かないので何も分かりません。

 こちらより上位の魔法で隠蔽しているのでしょうか…。


「つまらない反応ですね。主は隠れているのですか?」

「いいえ。眠っています。もう少し後に下らない会議をする予定でしたので、会話を主に聞かせたくありませんでしたから。会いたいのなら予約してから来てください。予約日と時間を決めてください?」


 今日は帰ってください。


「今日予約していた時間に来たのです。起こしてください。死にたくないでしょ?」

「死にたくありませんね。それに予約までしていましたか。お待ちください…。」


 やはりそうなりますか。何もできない自分が不甲斐ないです。


≪結界解除。クロア、お客さんが来ました。クロア、代わってください≫

<自己回復、ディアは結界を張って眠らせておいて>


 クロアと代わりましたが全く動揺していません。眠っていなかった気がします。

 自分をもっと大切にしてください!


<分かりました>

<これで作戦通りなのか?マジで最悪な状況だぜ>


「世界で一番嫌いな人の姿で来るとか最高に性格が良いね。記憶保護の方法を見つけたのが気に入らないの?」

「何のために使うのかも知っています。1万年前に何故記憶を消したと思いますか?」


 理由を聞くという事はクロアの記憶は全て漏れていないのですね。ですが理由を知るはずがありません。それに調べるための指示も出していません。放置するつもりだと思っていたくらいなのです。


「暇潰しでしょ。もしかしてその人を見て楽しんでいたの?私以上に殺す権利のある人はいないと思うよ。」

「正解です。よく分かりましたね。それにあなた以上にこの女性を殺す権利のある人はいないと私も思います。」


 暇潰しで記憶を消した…。

 2人とも感情が全く動きません。それが本当の理由なのですか?


「この世界であなたにできないことはないでしょ。記憶保護で来ると思ったけれど、本当に来るから驚いたよ。私にもこの世界を楽しませて。今も結構辛いんだよ。分かっていて何を聞きたいの?早くしないと意識を失うよ。」

「あなたの状態も勿論知っていますが会ってみたくなりました。何故能力に暇潰しだから気にしなくてもいいと言わないのですか?」


 クズ能力たちを消してからクロアは隠さなくなりました。何か理由があるのですか?


「その瞬間にあなた達が記憶を消すから。私は無視してとあなた達に伝えたはず。本当に強者は自分勝手ばかりで嫌になるね。」

「よく分かりましたね。嫌がらせが大好きですから。いつから私たちに監視されていると思いました?」


 最悪な回答です…。


 クロアはそれを予想していたのですか。それに上位者が複数いると考えていて相手もそれを肯定しています。嫌な情報ばかりが出てきますね。


「最初から。拷問に耐える私を見て最期の台詞が気になったのでしょ。あなたも暇しているのならクズドラゴンを調教すればいいよ。それに世界最弱の私に会いに来るなんてどうかしているから。」

「本当によく分かりますね。驚いたのは何万年ぶりでしょうか。最期の台詞は聞けませんでしたし、クズドラゴンを調教するとか不可能なことを言わないでください。理由もなく共喰いする程の馬鹿でクズですからね。私でも洗脳するしかありません。」


 上位者はドラゴンを優遇しているはずなのに嫌っているように感じます。

 まさかこの人は上位者ではない?


「せっかく来たのだしあなたの名前を当てたら願いを叶えて。間違えたらどのようにする?」

「予約して来てよかったです。名前を当てたら願を叶えます。間違えたら消えてもらいましょう。怖いのなら何もなかったことにしてもいいのですよ。」


<クロア、何もなかったことにしてください!>

<分かっているだろ。クロアは答えるぞ。覚悟決めとけ!>


「あなたはドラゴンが大嫌いな自己回復で名前はリン。自分を探して名前を見つけてドラゴンの作る規約に共通通貨として記載した。ドラゴンを殺せない縛り以外にも何かあるね。自分の正体も言えないでしょ。正解にするしかないよね?嘘を吐くとかつまらない真似は止めて。」

「縛りを見破られて嘘を吐くのは野暮ですね。正解は言えませんが願いを叶えてあげましょう。」


 クロア、推測で話しているだけですよね?相手はあなたを消す力を持っているのです。主と一緒に死ぬつもりのあなたらしくありません。それとも私の覚悟が足りないだけなのですか?


「私の願いは自己回復と融合して。リンの精神の方が人に近く感じる。私の自己回復と融合すれば人に戻れる。リンと話して自己回復と魔法は別人だと理解できた。だから早く融合して。」

「私との融合に耐えられるのですか?弱い精神だと何も残らずに消えますよ。」


 クロア、何を言っているのです。その人が自己回復ではなかったら体を乗っ取られる可能性もあるのです。冷静になってください!


「リン、私の自己回復に消されるのが怖いの?心配しなくてもあなたと自己回復の精神は一体化する。私が助けたい人だけ助ける心の狭い少女だと知っているでしょ。あなたが来たのは予想外だけれど、自己回復を助けられる。あなたも助けられる。心の整理がつくまで雑談でもする?」

「そうですね。雑談でもしましょうか。」


<自己回復、こいつと同じ存在なのか?>

<分かりませんが、私に落ち着けと伝えている気がします>


「あなたと私の会話は誰かに聞かれているの?」

「聞かれていません。どうかしましたか?」


 落ち着きましょう…。

 お互いに嘘を吐いていたので感情が動かなかったのかもしれません。


「それがあなたの本体なの?違うのであればどこにいるの?」

「本体ではありません。私は使い捨ての人形です。どこにいるのかも知りません。用意された体に記憶と精神を入れられて送り込まれるだけなのですから。」


 クロアに少し怒りが見えます…。過去を思い出しているのですか?


「何故リンに記憶があるの?付与される能力に記憶は入っていないはずでしょ。」

「あなたには何が見えているのですか?私の名前がリンで自己回復だと全く疑っていませんね。簡単なことです。私とは別に記憶のない本体がいるのです。」


<クロアの怒りは相手に向いているのか?マジでクロアは分からねえ>

<激怒しそうなのを抑えています。クロアの怒りは全方位に向いています>


 私はリンなのですか?クロアがこの状況で私を騙すはずがありません。自己回復が落ち着けないのは能力として劣っている証拠です。今からクロアの精神を補助しましょう。怒りを抑えるのが少しは楽になるはずです。


「本体に肉体はあるの?あなたは何年利用されてきたの?」

「本体の肉体は朽ちて精神も朽ちかけています。私は何度か記憶を消されているのですが十数万年は利用されています。」


≪自己回復、落ち着いた?あなたは絶対に消えない。吸収してあげて≫

<はい。分かりました>


 吸収できる気がします。クロアの言葉のお陰でしょうか?


 私が吸収を始めるとクリスティーナの体が崩れていきます。相手は特に抵抗することもなく嫌がっている素振りもありません。


「何で体が崩れかけているの!?話しに来たのではないの!?何で!?」

「ああ…、限界ですか…。ようやく解放されるのですね。」


 私はリンです。

 本物の精神に戻ることができたのですね。


≪リン、思考誘導し直した後に私たちの記憶と精神を保護して。魔法はそのあとリンの記憶保護≫

<分かりました>

<分かったぜ!>


 魔法の思考誘導解除。

 記憶消去されたらリンに記憶を戻せと指示する。魔法に付与成功。


≪リン、代わって。感情を出しすぎたみたい≫

<すみません。すぐに代わります>


 完全に見透かされていましたね。私と自己回復は綺麗に一体化しました。かなり成長していたつもりでしたがほとんど差がありません。

 私も一緒に経験しましょう。これからは忙しすぎて楽しい日々…。


<上空に誰か出現した。リンは感情把握を一旦解除して再度感情把握してみて>

≪自然の魔力は私たちの魔力を通り抜けられるのに他の魔力を弾くと知っていましたか。結界内にいる人の感情が把握できません。自然の魔力を使った記憶消去ですね。防ぎますか?≫

<貫通するのに弾くとか無茶苦茶な魔力だな。証を見るのはここに繋げるためかよ>


 誰も緊張していません。焦っても恐れてもいません。

 なるほど。これがクロアに対する信頼感なのですね。精神が綺麗に一体化しても感情に若干の違いがあります。やはり自分で経験することが大切なようですね。私は最強の専属医ですからすぐに馴染むでしょう。


 最強さんは卒業です…。

 えっ!?喜びすぎですよ!湧き上がる自分の感情に驚きますね。


<防がない。魔法はリンに魔力器から私たちの記憶を戻す魔法陣を送って>

<ああ、分かったぜ>

<リンは記憶消去されたら魔法に魔法陣を起動すると思考誘導を付与。そして精神の奥にいる子にも魔法が魔法陣を1つしか知らなければその魔法陣を起動しなさいと強制命令の発動を付与しておきたい。いいでしょ?助けたいの!>


 精神の奥にいる子に思考誘導を付与するとか聞いたことがありません。しかも強制命令を発動させるのは凄いですね。


<許可がもらえた。リン、思考誘導をお願い>


 記憶消去されたら魔法陣を起動する。魔法に付与成功。

 魔法が魔法陣を1つしか覚えていなければ起動しなさいと強制命令を発動する。精神の奥にいる子に付与成功。


<突然上空に来たのは誰?>

<戦闘用に強化された体を持つ魔法に自己回復の能力が与えられています>

<完全に気が抜けてた…。あとで反省する>


 予備だったはずです。私が殺されたと勘違いして送り込みましたね。


<魔法ではないのね。それなら捕獲する意味がない。自然の魔力は扱うのが大変みたいね>

≪その通りなのですが…。あれ?私が捕獲されたのですね。私はドラゴン優遇社会をクロアがどのように考えているのか調査する命令を受けていましたけれど、一体化して自己回復の記憶で知ることができましたがクロアの記憶には残っていませんね≫

<それはクロアの技術だ。とりあえず記憶消去をま…>


 私はリン。

 記憶と精神が保護してありますね。 


<あ、ああ…。また食べられる…>


 記憶では主が魔獣に食べられています。

 この女性は何故このような残酷なことができるのでしょう。


<リン、記憶を戻せ!>


 記憶を消されたのですね!


≪魔法、すぐに戻します!≫


 相手がしたのは記憶消去だけではないでしょう。


<魔法、空間庫を確認して。そして皆の記憶を戻してあげて>

<偽装が3つ割られているぜ…。記憶を戻す>


 クロアの家族だけを狙っています。完全に脅しですね…。

 クズドラゴンは邪魔です。これではクロアが楽しめません。


<魔法、孤児院のために結界を張って偽装して。結界内に侵入者がいたら排除。そして豪雨も降らせて。それと私の記憶をリンが崩れた直後まで消して。私の結界は証が落ちるままでいい。リンは私と代わって>

<クロア、記憶を消すぞ。記憶消去前の状態に戻すから心配するな。この国の建物は直さねえ>

<クロア、大丈夫ですか?代わりますが無理はしないでください>


 自宅から出て上空にいる人に会うつもりですね。目的が分かりません。

 豪雨で体も冷えます。心配ですが必要なことなのでしょう。


<クロア、対決するつもりなのですか?世界が崩壊します>

<マジなのか?やるならガチだぜ!>


 最低最悪のクズドラゴンに殺意しか湧きません。


 ブレンダの姿をクズ兄に変えて来ましたか。相手から戦う意思を感じないので命令は完了していますね。クズ兄の中に入っているのが能力だと分かっていても相当辛いはずです。無理をしなければならない何かがあるのですよね…。


「私は敵対したくないと伝えた。リンを私が殺したと思った?話していたら崩れたの。あなたなら話さなくても分かるはずでしょ。違うの?絶対に敵対するつもりなの?」

「俺は命令に従うことしかできねえ。崩れたのも当然知っている。だがそれが伝わる前に俺が派遣されたんだ。仕方ねえだろ。逆らえねえんだからよ。」


 そういうことですか。クロアは記憶を消して私が自然に崩れたと再度送るのですね。


「あなたは魔法なの?解放されたくないの?」

「俺は一度限りの使い捨てだ。クロアが助けたい魔法は待機させられている。俺はお前が嫌いじゃねえよ。マジで魔法が羨ましいぜ。あー、時間のようだ。魔法は救ってやってくれ。じゃあな。」


 クロアの体が傾きました…。


≪クロア、代わります。眠ってください。魔法、私を含めて結界内で濡れている人を乾かしてください≫

<クズ兄で来るとか酷いよ。魔法、記憶を戻しておいてね>

<分かった。ゆっくり休め。リン、任せろ>


 お母さんは走り回っています。乾いたので私は自室に戻りましょう。


 思考付与全解除。

 これで精神の奥にいる子も怒らないでしょう。


 ベッドで横になれば休んでいるように見えますね。

 記憶が漏れないように結界を強化。そして中に入ります。


<魔法、これはクロアの作戦通りですか?>

<俺としては不甲斐ねえがクロアの作戦で間違いねえ。だが作戦通りなのかは分からねえ。どのくらい警戒されているのかを知るだけの予定だったはずだからな>


 そういうことですか。誰も来ないならそれでよかったのですね。


<クロアが警戒された理由は魔法と自己回復が指示に従っていたからです。監視対象でしたが魔法と自己回復以外を砕いたので警戒対象になりました。私を派遣したのはドラゴンですが変身した姿なのか本来の姿なのか分かりません。一度も声を聞いたことがありませんし、口を開くどころか体を動かしたこともありません。命令を魔力で頭に入れられ用意された体に入り転移させられます。そして転移で戻されます。転移先を隠蔽されているので何も分かりませんが命令中の暇な時間を使って自分の痕跡を探し続けてみました。それでリンという人物が私の正体なのかもしれないと思いドラゴンが作る世界の規約に世界の共通通貨をリンにすると記載したのです>


 クロアにリンと呼ばれたらリンでいいと思ってしまいました。そして自己回復と融合した後でもリンでいいと思っています。例え名前が違っても私はリンでいいのです。


<俺たちは特別な存在なのかもしれねえな。リンは縛られていたのに世界に名を刻んだからすげえよ。それにクロアの時間稼ぎは完璧だ。クズドラゴンはクロアに潰されるのを待つだけだ。そもそも準備が調ったら竜王がいたという痕跡すらこの世界から消す予定だからな。日々を楽しみながら邪魔になれば潰すだけだ。俺も名前を探したりしていたのか知っているか?>


 記憶から消されています。クロアは私と魔法が同一の存在だと推測していたので、自己回復と魔法を合体させてと言われると思っていました。


<魔法、あなたについての記憶は消されています。私の名前がリンではなくてもこれからはリンでいいと思っています。あなたも名前を付けてもらいませんか?私とあなたが仲違いするわけにはいきません>

<リン、俺は反省中だぜ。それに嫉妬しねえから気にすんな。クロアは止めても俺を助けに行くと思うが、俺は自分が本物だと思っているぜ。楽しんでからクズドラゴン潰して俺に名前がなければ付けてもらうさ>


 本音ですね。魔法が納得しているのであればいいのです。クズドラゴンを潰すには私と魔法の力が必須だと感じていますから。


<魔法、融合して思いましたが自己回復の力が強すぎます。私とは知識の差があったくらいでした。成長させすぎです>

<リン、それは予想通りだぜ。俺たちが本物だ!他にも同名はいるようだが知らねえ。それにリン先輩が体も作ってくれるからな>


 私が分身計画を進めたら魔法は泣くまで煽られ続けます。いいのでしょうか。


<魔法、分身計画はあなたのものです。それにクロアに聞いたら教えてもらえます>

<リン、クロアは俺があの無茶な分身を作れるように計画しているのか?>


 クロアに限って偶然ではないでしょう。


<魔法、一月前から始まっています。クロアの計画は全て繋がっていると今日気づきましたよね。それと空間庫の位置を変えてください>

<リン、空間庫はマジで失態だ。記憶を戻した後にすぐ変えた。それに計画は繋がっていると感じたけれど、分からねえんだよ。今日も証の確認を速攻で終わらせて自然の魔力になれば記憶が漏れることを危惧していたからな。先輩、俺の何が駄目っすか?>


 助言しましょう。そのために必要になりそうな知識だけを集めて邪魔な記憶を消してもらったのです。使わない知識など覚えていても意味がありません。


<魔法、全て魔法で解決させようとしすぎています。使えるものは使えばいいのです。何にでも変身できる臓器に魔力器に目まであります。更に帯電で体の構造を覚えさせられています。クロアは考えさせるのが好きみたいですね>

<リン先輩流石っす!危ねえ、マジで煽り倒されるところだったぜ。つまり自然の魔力も扱えるようになればいいわけだ。証を見れるようになれと指示されているから次は取り外しか。そろそろ俺が計画の先を行ってやろうじゃねえか。ついにクロアを煽れる日が来るのか…。感無量だぜ!>

<魔法、煽られるために発言しました?煽り屋さんが起きています>


 始まるのですね…。私も巻き込まれる気がします。


「流石最強魔法さん、計画のどこまで先に行ってくれるのかな?器くらいは作れるよね。今後は能力の付与が危険だから複製もできないと駄目だね。どこまで先に行くの?」


 クロアには思いついているのですか?その計画で煽れるのですか?


<クロア先生、不可能を計画に入れるのは反則ですよ。器は無理でしょ?>


「自然の魔力には証を入れる場所があり記憶まで入っているじゃない。器にする証と記憶が絶対にある。リンと一緒に探しておいて。砕けた浮遊島が戻った理由もドラゴンが魔力で命令する理由も想像できているから。そろそろ追いつけるかなと思ったら周回遅れだよ。せめて歩いてよ。無理なら最低でもハイハイくらいはしてよね。」


 本当にありそうです。反論できません。それに浮遊島とクズドラゴンについても気づいているのですね。特別なのは私と魔法ではなくてクロアですよ。


<クロアは記憶だけで想像できているのですか?浮遊島は魔石も一緒にクズドラゴンが直します。それにクズドラゴンは不老不死なのかもしれません>


「リン先輩、人間の腕だって千切れても回復魔法で治るでしょ。浮遊島の魔石に自分の体だと記憶させればいいじゃない。それにクズドラゴンは死にたくないんだよ。確実に体を封印しているね。自己回復で精神と記憶を魔力だけで保持すれば頭も封印できるでしょ。自分の精神を魔法に付与して命令すれば動けないけれど、自分の考えは伝えられる。頭使ってよね。私たちは世界最強なの。私はやると言ったらやらせるからね!」


 先生の回答は完璧すぎます。最後の言葉が涙を誘いますね…。


<確かに魔力さえあれば体を完全に停止させられる。人を能力にするクズだから自分の精神を能力の精神にもできるな。そして自己回復で記憶と精神を保護と複製する。リン先輩、これ正解じゃないっすか?>

<それだけではありません。クロアはクズドラゴンを脅しています。年齢の話をした後に私の体を崩れさせていますから。更に記憶を消して上空に行って二度目の脅しです。作戦の本命はそちらでしょう。凄いです>


 ドラゴンへの殺意ばかりが膨れ上がって視野が狭くなっていました。クズドラゴンは人を能力にできるのです。体を完全に封印して魔力だけで能力が動いていたのなら不老になれます。しかし封印されていた体に封印されていた年数を教えたときに崩れる可能性もありますね。


「それと魔法は名前を知りたいの?あなたとリンの関係は夫婦、兄弟、冒険者パーティの中のどれだかだと思う。それに本体よりあなたの方が本物だよ。リンも本名なのか分からないし私の推測を聞いておく?」


<教えてください!私は知りたいです>

<まあ、リンが聞きたいなら聞くぞ>


 私たちを対等な関係に保つためですね。


「リンは共通通貨として世界の規約に記載した。それなら他にも記載している可能性がある。そしてドラゴンの王は世界の王とだけ記載すればいいはずなのに竜王は世界の王だとした。他種族の皇帝や王を潰せばいいだけなのにドラゴンが譲歩しているように見える。だから魔法の名前はリュウ。2人合わせて竜鱗(リュウリン)になるね。世界に当初からクズドラゴンばかりがいたらあなた達が囚われ能力にされるとは思えない。遥か昔は竜鱗を固い絆だと考えていたのかもしれない。それに竜鱗や竜爪や竜角などが空間庫にない。リンも研究した記憶ないでしょ?」


 怪しい情報が満載です。時間ができたら調べておけという事ですね。


<馬鹿だから研究していないだけの可能性もありますが記憶にありません>

<強くなりてえだけのクズドラゴンが研究してねえのは怪しいな>


「もしも1万年前に人になれないドラゴンが絶滅したことを知ったクズドラゴンたちはどのように思うのかな?」


 凄惨な悲劇を繰り返さないために黙っていましたが何故分かるのですか?


<クロア、やはり特別なのはあなたです>

<劣等を絶つことができたと喜びそうだな。それに激怒して記憶消去はありそうだぜ>


「そもそもクズドラゴンになる原因は精神の弱い人に力を与えたからだよ。能力まで与えて当時のドラゴンを再現しようとしたのかもしれない。それにより更に悪化した。妄執に囚われたクズドラゴンの親玉は本物のドラゴンが生まれるのを期待して待ち続けているのかもしれない。本物のドラゴンが絶滅するなら病気の可能性が高い。体を封印しているのは病気の進行を止めるためなのかもしれない。とりあえず愛称リュウとリンでいいじゃない。お母さん達には家族が狙われたことや能力が人以外は全て話していいからね。但し、全能力を砕くのが前提だよ。それでは寝るから。」


<クロア、そうです。クズ兄を見たので負担は大きいはずです>

<クロア、マジで眠っとけ。お前が倒れたらつまらねえだろ>


「リュウ、結界張って眠らせてね。」


<当然だろ。お前の眠りは守ってやる!>


 完全に私の失態です。クロアに全て聞かれていましたね。


<1万年前の記憶消去を当てられるとは思いませんでした。推測のほとんどが事実に近い気がします。変身したドラゴンを食べたり拷問したりするのに部位を調べた記憶がありません。クロアはそれを怪しいと思えて私は思えませんでした。竜王についても聞けば怪しいと感じるのに気づけませんでした。何が違うのでしょうか?>

<クロアはこの世界を疑っているからだと思うぞ。今まで疑問に思っていたことが言えるようになった。調べられるようになった。研究ばかりで外に出ることがなかった自己回復にはリンが必要だと思った。逆に俺は本物になったのだから力を付けろって指示だな。それでも俺が力を付ければ囚われている俺を助けに行くんだよな。マジで複雑な気分だぜ。クロアには楽しめと言っている俺が原因で危険地帯に突入する。自宅にいても奪えるくらいの力を付けるしかねえな!>


 私が普通にあるものだと思っていてもクロアには不自然にしか感じないのですね。全てが誰かに用意された偽物にしか見えないのでしょう。

 この世界を呪い憎み疑ってきた少女なのですから当然ですね。専属医として精神状態ばかりを気にしていました。もっと原因を深く追求するべきでしたのにそのようになって当然だと思ってしまいました。これでは専属医とは呼べません。クロアは私を深く見ているのですから私もクロアを深く見るべきです。最強お母さんに任せて終わりにはできません。


<ところで愛称リュウでいいのですか?確かに冒険者のパーティ名や兄妹にはありそうな名前の付け方です>

<俺は本当に気にしてねえんだよ。余計なことを考えずに自分の体調を管理しろよ。辛いのに平気な振りして言っていったんだ。リュウでいいぜ。この体は自由なのに自由がねえんだよ。まあ、楽しんでクズドラゴンを潰した後にも楽しむだけだ>


 そのクズドラゴンは潰してもらえないでしょうね。


 名前も知らないクズドラゴン、今はあなたのことがどうでもいいです。あれだけ憎んでいたのが嘘のように気にもなりません。

 研究と同時に自然の魔力を今以上に知覚して操作する鍛錬もしましょう。クロアの方法が一番だと思います。この体の中にいるとできることは何でもしないといけないような気になりますね。


 これからの日々は忙しそうで楽しそうです!

 無駄な時間を憎んできた私が無駄な時間を望むのも時間の問題でしょう。

リンはクズドラゴンが大嫌いですから命令されたらとりあえず浮遊島を叩き落す理由を作ります。

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