表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界は子を愛す  作者: 大介
第1章 現実

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/136

第21話 後片付け 前編

「クロア、朝よ。起きて。」

「朝は嫌だょ…。何回かなぁ…。」


「ディア、起きているなら代わって。巻きついて寝たからあの日々が続いていると思っているわ。」

「今日は私がほとんど終わらせる予定だから大丈夫。お姉ちゃんは寝てても大丈夫だよ。」


 疲れかなりあるみたい…。今まで声をかけられたらお姉ちゃんはすぐに起きてた。あの日々を思い出すほど辛い経験だったんだ。


 今日からは笑顔が続く日々にするから!


≪加護:お姉ちゃんの痛みについて何か分かった≫

<自己回復によるとクロアの精神は危険だったようです。そのため主とクロアの精神を複製して保護してあります。そして自己回復の推測では痛みを感じさせているのはクロア自身です。主はクロアがいるから大丈夫だと安心しています。だから痛みを感じません。逆にクロアは痛いのが当前の日々でした。クロア自身が痛みが当然だと思い込んでしまっているのです>


 確かにお姉ちゃんがいるから安心だと思ってるし痛みを感じない。お姉ちゃんがいる安心感で過去の痛みが気にならないからかな。


≪加護:それだと体の痛みを覚えているのは自分自身という事になるよね≫

<その通りです>


≪加護:私は痛い記憶がそれ程ないから忘れられるかもしれない。だけどお姉ちゃんはどうすれば忘れられるの?≫

<主が考えた通りです。楽しい思い出で塗りつぶしてください>


 楽しい思い出で過去を潰せばいいんだね。あのゴミの顔も分からなくなるくらい笑える日々をこれから過ごせばいいんだよ。絶対にこの計画だけは成功させる!


≪加護:みんな勘違いしていたわけだね。それなら何でお姉ちゃんの痛みが今まで感じたことのない程の痛みになるの?≫

<無自覚に自分が耐えられる限界近い痛みの記憶を今までの記憶を重ねて作り出したのかもしれません>


 自分で自分を追い詰めてるじゃない。何がお姉ちゃんをそうさせるの?


≪加護:どうしてそんな事までして決着つけたの?≫

<クロアはあの女に拷問は思考誘導のせいだと説明している時点で疑問を抱いていました。そしてあの女の自己回復の性格で確信したのです。クロアは考えを途中で止めることはできません。偽りの家族関係を続けるべきだと考えても無自覚に無理だと理解したのでしょう>


≪加護:それでも私たちは最強だよ。どうでもいい存在じゃない≫

<クロアが焦った一番の理由は主です。何故閲覧禁止にしたのか。何故気づかれないように決着をつけようとしたのか考えてください。主はもっとクロアを大切にするべきです>


≪加護:大切にしてるじゃん。世界で一番大切だよ。何が駄目なの?≫

<クロアにあって主にないものは相手を気遣う心です。悩まないように、苦しまないよに、傷つかないように、先手で行動するのです。主はクロアが何を考えているのか考えていますか?>


≪加護:私にそこまで考えるのは無理だよ。お姉ちゃんは隠すのがうまいから≫

<それはその通りでしょう。それならばクロアの言葉にもっと耳を傾けてください。クロアはあの女を殺すなと言っていました。何故ですか?>


≪加護:お姉ちゃんが決着をつけたかったからじゃないの≫

<クロアが泣きながら必死に止めた理由がその程度な訳が無いでしょ。3歳児でも16歳並みの思考力があるのですから考えてください。主は何故殺すのですか?>


≪加護:お姉ちゃんを泣かせたからに決まってるじゃない≫

<それは泣いていたクロアが悪いという事ですか?クロアは殺さないでと言っていたのですよ?>


≪加護:私がお姉ちゃんの責任にして人を殺すと言ってるの?≫

<その通りです。そして誰が傷つくのかも考えていません。主はクロアの感情を殺したいのですか?>


≪加護:何でそうなるの?≫

<クロアが泣いたら人を殺すのです。クロアが止めても殺すのです。今後クロアは泣けません>


≪加護:何が言いたいの?≫

<人を殺すなら自分で理由を考えて自分の責任で殺してください。主が泣いたとしたらクロアはどうすると思いますか?>


≪加護:お姉ちゃんなら何で泣いてるのか聞くと思うよ≫

<それが主にはないのです。クロアが泣いていて何も言わなければ殺していたはずです>


≪加護:それが足りないという事?≫

<違います。相手のことを考えて行動することを学ぶべきです。泣いているときに限りません。クロアのことをいつでも考えるべきです>


≪加護:お姉ちゃんのことを常に考えるくらいできるよ≫

<世界最強なのです。それだけでは足りません。全てに余裕を持って対応するべきです。勢いで殺すなど小物のすることです。考えずに殺すなど小物のすることです。余裕を持ってあらゆる手段で相手の悪事を暴き、その悪事に関連する人も処分する。世界最強ならできますよね?>


≪加護:完全に馬鹿にしているね。やるよ!≫

(ディア、待ちなさい。世界最強が何故自分で動くの?仲間に任せなさい。加護に煽られて自分でやると言っている時点で余裕ないから。ディアは真正面から相手の言葉を受け止めすぎ。影響されやすいの。冒険者として活動したらそういう人を多く相手にすることになると思う。世界最強が小物の言葉で動かされないで。加護も3歳児煽っていないで保護者らしく行動してよね。)


<これは手痛い言葉ですね。その通りなのですが自覚を持ってほしいのです>


【お姉ちゃん、訳が分からないよ。どうすればいいの?】

(ディアは今のままでいいの。だけど世界最強として相応しい態度をとらないとね。耳障りな言葉に毎回反応するのは面倒でしょ?ディアは私を楽しませてくれるのでしょ?それ以外は無視すればいいじゃない。酷ければ仲間が勝手に対処してくれるから。世界最強は何もしないと言ってなかった?私も昨日は最初から加護を頼るつもりだったよ。処分を決める会話すらできなくて殺そうとしてきたのが悲しかっただけ。仲間を頼りなさい。ディアは天才たちを振り回している姿が一番なのよ。)


【それなら何で加護に煽られたの?】

(恐らく冒険者として依頼を受けられるのか試験されたのよ。先程のディアは完全に不合格だからね。何も自分で考えて決めていない。煽られて言われた通りにしただけ。ディアが変わってしまうなら冒険者なんてしなくてもいい。皆で楽しめるのは冒険者だけじゃないと思う。ディア、自分を大切にして。ディアは仲間と自分を信じて突進すればいいから。困ったら私に相談して…。約束だよ…。)


 何があったの!?何でお姉ちゃんが倒れるの!?

 分からないよ。何で私は分からないの…。それが凄く悔しいよ。


【お姉ちゃん、どうしたの!?】


<クロア、あなたの精神は作り直したばかりです。これからは毎日私と話し合いましょう。主のためにかなり無理をしましたね。無理をしているクロアに気づかない主も情けないですが、無理をすることが精神によくないと理解しているのに話すのも駄目です。私の部屋に来なさい>


 自己回復が言ってる通りじゃない。お姉ちゃんは精神を作り直したばかりで不安定だと自分でも思ってたんだから。今まで偽りの感情だったし精神がおかしかった。自分の想像している感覚と全く違うはずだよ。私に対する思いが強く出てそれに耐えられなくなった。

 お姉ちゃんばかり辛い目に遭うのは何でなの!駄目だね…、私が怒っても意味がない。お姉ちゃんを余計に苦しませるだけだから。落ち着こう…。


(ごめん、ディア。今の私は自分の感情を制御できないんだ。自己回復と話し合ってきてもいいかな?)

【すぐに行ってきてよ。無理をしないで!】


 お姉ちゃんは私を優先しすぎなんだよ。もっと自分を大切にしてよ!


<主、分かりましたね。クロアは自分よりも主を優先する。主はクロアが無理していることに気づけない。すぐにできることではありませんが意識してください。そしてクロアに言われたことを大切にしてください>


 世界最強は何もしない。新しい世界の常識だからね。


≪加護:私は私のまま突き進むから。お姉ちゃんの言葉以外では止まらないからね≫

<ええ、それで構いません。主は主のままでいることが大切なのです。世界最強ですから何も気にする必要はありません。何でもできる仲間たちがいます。クロアを楽しませることが最優先です>


 世界最強が煽られて思い通りに動かされていい訳が無い。


≪加護:冒険者たちがいたら威圧でひれ伏させることができる?≫

<可能です>


≪加護:そいつらに私に対する殺意を証言させることもできる?≫

<可能です>


≪加護:そいつらを同時に消して灰にする。私に殺意を向ける意味を理解させる≫

<それでこそ世界最強です>


 ふぅ。何も問題ないね。


「ニョロ母さん、ごめん。反省会をしてたよ。もう大丈夫。」

「突然黙るから驚いたわ。何を反省することがあるの?」


 反省することばかりだよ。勉強に終わりはないからね。


「私は世界最強だから世界最強らしく行動する必要があるという事だね。」

「それは大切なことよ。人の意見を聞く事と利用されることは違うわ。世界最強が利用されるなんて許されないわよ。絶対にしたら駄目。」


「そういう説教をされ続けたから大丈夫。ニョロ母さん、眷属の人たちも一緒に行くの?」

「いいえ。もう冒険者組合本部に入っているわ。」


≪加護:冒険者組合本部にゴミを討伐するつもりの冒険者たちが集まってる?≫

<かなりの数がいます。受付に唆されたのでしょう>


 相手がゴミでも勝てる冒険者はいないはず。冒険者たちも不正で感覚がおかしくなっているのかな。それともドラゴンを討伐した名声がほしいのかな。まぁ、いいや。私が本物を教えてあげるよ。


「ニョロ母さん、準備はいい?」

「少し待って。人型になってくるわ。」


 ニョロ母さんは浴室に入っていった。ドラゴンのまま行くわけがないよね。先のことばかり考えてるから普通のことに気づけない。


<その通りです。余裕を持ってください>


 ニョロ母さんが露出高めの服を着て浴室から出てきた。


「準備できたわ。行きましょう!」

「じゃあ行こう!」


≪加護:私とニョロ母さんをそいつらの前に移動させて≫

<かしこまりました>


 何人いるの?数えるのが面倒な程いるよ。100人はいる、200人いてもおかしくない。


「竜王は私が殺したよ。私に殺意を向けたら殺すから。分かったら散って。」

「驚いた…。転移するとは思わなかったわ。これは騒がしくなりそうね。」


 ああ、煩い!とにかく煩い!だけど誰も攻めてこない。先手は怖いのかな?


「はぁ、君たちは煩い。全員ひれ伏せ。」

「これは壮観ね。流石世界最強だわ。」


 嫌な気分になる。頭を下げられるのが好きじゃないからかな。


「私に殺意を向けた人は立って自己紹介と理由を説明しろ。」


 50人はいる気がする。聞いてられないよ。いつ終わるのかな?


◇◇◇

10分経過。


「俺はビリー。好きな受付嬢に格好いいところを見せて告白したい。お前を殺せば竜王を殺したのと一緒だろ?楽な仕事だぜ!」


 やっと最後の1人が終わった。帝都の冒険者たちは下らない理由で人を殺すのかな。そんな理由ばかりだったよ。殺意を向けてくるくらいだから普通ではないのかな。


「私を殺したいのはよく分かった。邪魔されるのも鬱陶しいから視界から消して灰にして。」

「あらあら。パーティのリーダーだったのかしら。消えちゃったわねー。」


 少しは怯えてくれたかな?ニョロ母さんに見惚れてる人もいるみたいだけど。


「理解してくれた?殺意を向けたら灰にするよ。まぁ、初めてだからこれで許してあげる。冒険者組合本部に従業員が残ってるか確認しないとね。」

「そうね。綺麗にしましょう。」


 建物に入ると人が多くて驚いた。こんなにも竜王に勝てると思ってる従業員がいるんだね。賄賂と不正で頭がおかしくなってるとしか思えないよ。


「みんな、残っている従業員をここに集めて。世界最強の検査が始まるわよ。」

「かしこまりました。」


 ニョロ母さんの指示で4人の女性が従業員を集めてくれた。


<考えていますか?>


 考えているよ。今日は厳しい日なの?


<今日から楽しい日々が始まるのでしょう?朝の言葉を忘れないでください>


 忘れる訳が無いじゃない。私の生きる目的だからね。


「君たち外の光景を見て逃げようとした?私から逃げるとか世界の果てまで行っても無理だから。私はゴミ竜王じゃないから従業員を殺す理由はないけど冒険者を楽しみたいから邪魔だね。逃がしたら噂を流す気がするし冒険者たちを集めたのも君たちでしょ?とりあえず嘘を吐いたら灰にするからね。この中で不正をしてない従業員はいるの?」


 30人近い従業員が俯いている中で1人の青年が私を真っ直ぐ見ている。普通の青年だね。


「僕はしていません!」

「君の名前は?何をしていたのかな?どのくらい働いているの?」


 不正をしてないと宣言するとは思わなかったよ。彼には自信があるみたい。


「僕はエイベルです。依頼の等級を決めていました。働いて5年になります。」

「周りが賄賂をもらってるのに何でもらわないの?」


 何を答えるべきか迷ってる感じだ。だけど嘘を吐くためだとは思えない。


「理由は特にありません。恥ずかしくない自分でいたかっただけです。」


 不正をしたら恥ずかしいと思うわけだね。立派だよ。

 

「今から嘘を吐いたら死ぬ魔法をかける。それでもいい?」

「はい。嘘を吐いていませんから。」


 全く怯えない。一切不正をしてない気がする。一応検査するけど。


≪加護:エイベルに魔法をかけて≫

<かしこまりました>


「エイベル、質問に正直に答えて。嘘を吐くと死ぬからね。」

「分かりました。」


「不正をしてない。賄賂をもらってない。間違いないね?」

「間違いありません。」


「所長が消えたらしいけど、所長のことをどんな風に思ってたの?」

「近づくと面倒だと思い距離を取るようにしていました。」


「賄賂をもらう同僚についてはどう思ってたの?」

「賄賂をもらうために必死でしたから悲しかったですね。通常の給与で満足に暮らせますから。」


 余裕がないという事だね。賄賂をもらうために自分を犠牲にしてたんだ。将来に向けての貯金なのかな?どう思う?


<賄賂をもらう生活を続けていると賄賂をもらわなければ生活が維持できなくなるかもしれません>


 そういう理由で余裕がなくなることも考えられるね。同じ生活を続けたいからお金が欲しいけど賄賂が収入だと維持するのが大変だよ。


「エイベルの給与はいくらだったの?」

「冒険者組合本部の給与は一律20万リンだったはずです。」


「エイベルが仕事を一緒にしたい従業員はいる?殺さないから安心してよ。」

「いません。僕は変人だと思われていましたし5年も働いているのに誰とも同僚と呼べる関係になれませんでしたから。」


 それでも5年も働くのは立派だね。理由まで聞くべきなのかな?だけど本人が秘密にしてることを無理やり話させたくないからいいや。


≪加護:魔法を解除して≫

<かしこまりました>


≪加護:他の従業員から冒険者組合本部で働いてた記憶を消せる?≫

<働いた期間が短ければ可能ですが無理だと考えてください>


 記憶を消せる人だけ探して消しても意味ないからね。それくらい分かってるよ。


「残りの従業員の人たちは私に殺意を向けたら消すだけにしてあげる。君たちが頑張って噂を流せば死人が増える。それじゃあ帰っていいよ。」

「あら優しいわね。実験対象を増やしたいだけかもしれないけれど。」


 そこまで厳しくないよ。加護たちはどう思ってるか知らないけど竜王夫妻で満足でしょ?


<まだ足りません。適切な手加減をするために人間の耐久力を実験する必要があります>


 確かにそうだね。現時点で私が人間相手に戦闘で動くことは不可能でしょ?


<その通りです。周りへの影響を極力消すようにしていますが完全には無理です。近づいただけで殺してしまう可能性があります>


 世界最強だから仕方ないよね。みんな頑張って!


「エイベルは気づいたと思うけど冒険者組合本部は私が支配した。腐ってたからね。徹底的に綺麗な運営をしてもらうから。冒険者たちは等級の見直し、斡旋契約は全部破棄、依頼料は依頼内容を正しく評価した等級によって決める、誰も賄賂を受け取らない、不正もしない。ゴミ竜王が言ってたしエイベルの給与は増やすよ。約束してたみたいだからね。君は同じ仕事を続けてもいいし仕事内容を変えたいなら教えて。もう魔法も消したから何も心配しなくていいよ。」

「仕事内容は同じでいいのですが怖いです。部屋を荒らされたり殺される気がします。」


 何で気づけないの…。恨まれてると思うに決まってるじゃない。考えるのは難しいよ。


「ニョロ母さん、邸の部屋は埋まってる?」

「邸を組合で働く子たちの家にすれば空いてるわよ。眷属の子たちも呼ぶつもりだったの。」


 それなら守りやすいね。


「エイベル、どうする?皆と同じ家に住むなら安全は確実だよ。少しの間、荒れるかもしれないから移住をお勧めするけど、どうする?」

「あの…、家賃はいくらでしょうか?」


「無料だよ。豪邸だから驚くかもしれないけどね。皆に働き方を教えてあげて。それだけでいいよ。邸の食事はどうしてるの?」

「決まっていないわ。好きなものを食べる子もいれば料理する子もいるはずよ。バタバタしていたからまだ何も決まってないのよ。今日から話し合って決めるところなの。」


「保護した人たちにはどの程度話してるの?」

「秘密はなしよ善良な子もいると知ってほしいから。」


「それならエイベルも同じ扱いにしてあげて。一緒に住むからね。あの派閥については保護された人が話してもいいと思えたら話せばいいよ。ニョロ母さん、今からエイベルの引越し手伝ってあげて。私は副ギルドマスターを説得してくるから。そのあとギルドの家も建てないとね。うーん…。何か細々と面倒だよね。国をつくっちゃう?」

「何で!?話が分からないわ。」


 近くに国をつくった方が楽じゃないかな…。絶対に楽だよ!


「土地とか考えるの面倒だよ。国をつくり組合本部に移動できる扉用意した方が簡単じゃない。私の派閥に入りたいなら国民になればいいだけ。だってこの国にいたらどうせ支配しちゃうよ。私が他人が作った法に従うとか意味が分からないもん。絶対に意見がぶつかるよ。死人が増えるだけ。皆もその方が安心でしょ?」


≪加護:私たちの国をつくるのにどれくらいかかる?≫

<クロアが冒険者にこだわらくてもいいと言ったら国をつくる。全く意味が分かりません。私に全部仕事させる気ですね?はぁ…、1時間かかりません>


≪加護:最適な場所はあるの?≫

<どこでも最適な場所にするのが世界最強です>


「誰も何も言わないという事は賛成?」

「違うわ!誰も理解できないのよ。それにディアの意見に反対する勇気がないわ。私は平気だけれど、皆は怖いのよ。ディアから見たら力の強さなんて関係ないでしょ?それにどれくらいで実現できるの?」


 怖いのかな?普通の人は殺してないよ…。力が強いと怖がられるの?


<時間が必要な問題ですね。主を知ってもらえれば怖がられなくなくなると思います>


「私は普通の少女だよ。人の強さは気にしないけどね。だって世界と戦っても勝てるから。国は1時間でできるよ。食糧だけはこの国から買うことになるね。そうすると商人も必要だね。まあ私たちの力に気づけば売りに来るよ。とりあえずギルドの家と眷属の家と冒険者組合本部で働く人たちの家。誰か常識的な言葉で止めないと作っちゃうよ。いいの?」

「止められないわ。あなたが世界の常識なの。それに常識的なことを言ってもできちゃうでしょ?できないことがあれば止められるけれど、ディアにはそれがないのよ。この国にいたら間違いなく支配することになる。国をつくったらこの国がどのように動くかは分からないけれど、最も優しい案だと思うわ。なるべく人を殺さないようにしているもの。あなた達が世界最強で本当に救われるわ。普通は力を持つと悪用する人が多いもの。」


 悪い人ばかりしか知らないから何とも言えない。悪用する人が多いの?


<教育を受けていれば違う可能性があります。無教養で力を持つと悪用する可能性が高いです>


 具体的な例えはある?


<教育を受けている人は無教養の人を馬鹿にする傾向があります。その意趣返しです。馬鹿にされてきた仕返しです>


 さり気なく難しい言葉を入れて説明したよね。ムカついたよ!


「ニョロ母さんの眷属の人たちは私の派閥に入るの?ドラゴンだから約束破ったら殺すよ。」

「あそこまで優しい約束は普通ないわよ。ギルドと派閥は別でしょ?」


「両方に入るのはいいけど扱いは別だよ。私の派閥は絶対の安全と自由を保障するからね。国を飛び出したら安全は保障できないけどそれは仕方ないでしょ。だけど脱走扱いにもしない。自由だからね。規約は他種族を見下さない。強さの序列なし。下劣な行為をしない。他に何か必要かな?」

「強さの序列は何で入れたの?」


「弱い者いじめは駄目でしょ。冒険者の等級について考えたときに思いついたから入れた。」

「ディアに得がないじゃない。それだけでいいの?」


「一緒に笑えることができれば得だよ。皆が楽しめる計画でも立ててもらおうかな。大切なのは思い出だけだよ。」

「派閥は同種族だけなの?」


「寿命と価値観が違うからね。他種族はギルドに入ってもらう。ギルドに入っても冒険者の依頼を受ける必要はないからね。仕事しない人は入れないけど。月の半分くらい働いてくれればいいよ。」

「世界の楽園だから審査を厳しくするわ。それと人は変わるものよ。どうするの?」


「派閥の人は規約を破る前に脱退すればいいよ。但し、国から出て行ってもらうけどね。派閥区域、ギルド区域、一般区域を用意するつもりだけど派閥から脱退した人は一般区域にも残さない。規約を破る方に変わったという事は裏切ったと認識するから。生かして出してあげるだけでも感謝してほしいよ。もっと言うと変わったときに誰かに迷惑をかけたら殺すから。全員の感情を把握しているから派閥の人が迷惑かけたらすぐに分かる。脱退と言ったけど多分無理だよ。些細なことでも見逃さないから。」

「確かに変わって誰にも迷惑をかけずに脱退することはないでしょうね。規約を変えたりはしないの?」


 迷惑にも幅があるから口喧嘩程度なら問題なしにしないとね。そこまでは把握できないでしょ?


<口喧嘩なら双方に怒りの感情があるはずです。ですが一方的に恐怖を与えているのは明らかに何かあると考えるべきです>


 それなりに把握できるということだね。恐怖を覚えた人の生命力を自己回復で確認しておけば助けられる。問題を起こした人も処分できる。悪くないね。


<悪くない案だと思います>


「規約がなければ笑えない人たちがいたら増やすけどそれ以外は追加しないし変えない。私たちは16歳だけど死にかけた回数なら異常だから。ニョロ母さんの経験は知らないけどお姉ちゃんは同等かそれ以上だと思う。」

「眷属の子たちはよく聞きなさい。この子は私を超えてるわ。簡単に言うと1万回以上は死にかけているの。直で見ていると頭がおかしくなりそうになるわ。この子には人格が2つある。そして1万回以上を耐えたのはもう1つの人格よ。今出ているのがディアだけどこの子より常識的だけど笑ったことがないのよ。だから思い出を大切にしているの。」


 笑ったことはあるかもしれないけど偽りの感情だから。本当に笑ってほしい、喜んでほしい、楽しんでほしい。それについてだけは妥協しない。


「ニョロ母さんの眷属の人たちは何人くらい派閥に入るつもりでいるの?」

「全員入れてあげたいけれど、この規約を守れない子がいるでしょうね。」


「ドラゴンだから?」

「そうなるわね。私の考えに共感して集まっているけれど、ドラゴンとしての誇りがある子もいるわ。本来は他種族を見下すことはないのだけれど、今は自由に酔いしれているでしょうから無理ね。」


 自分を抑えきれなくなっているのかな。隠れて生活していたら反動で暴れたくなる人もいるのかもしれない。一時的なものかもしれないけど許したら駄目だね。


「全てドラゴンのせいなのに他種族に八つ当たりするのは駄目だね。ニョロ母さんは入るでしょ。国に近づかないように注意しておいて。勘違いした感情で近づいたら自動で処理しちゃうから。」

「どこにいるのか分からないのよ。飛び出したのが何人かいるみたいだわ。」


 自由だと知って飛び出したのかな。それは分からないね。


「その気持ちはよく分かるけど駄目だね。それで木の家がいい?石の家がいい?今住んでる邸がいい?使用人はいないから邸は複数人で住むことになると思うけど。木の邸でも石の邸でも何でもいいよ。希望を教えて?」

「何故そこまで軽いの!?今日の食事は何がいいの、みたいに住みたい家を聞くのは流石に驚くわ。それで何がいいの?この話の一番面白いところは自分たちの家が一番小さいところでしょうね。」


 間違いなく一番小さい気がする。今の家でも少し広いよ。


「何か言ってよー。もしかしてニョロ母さんが怖くて何も言えないの?無理やり仕事させられた?私がいれば怖くないから。私の視界に入っている範囲で私の許可なしに殺しはできないから。安心した?」

「皆あなたの話が理解できないのよ。」


 簡単なことしか言ってないよ。理解できないのはおかしくない?


「もしかして信用できないの?何も言ってくれないとやる気が出ないよー。3歳児は飽きるのが早いからね。全てを投げ出すよ。いいの?」

「ディアは3歳児なのよ。16歳の思考力はあるけれど、3歳児なの。希望を言うだけじゃない。権力や地位に興味はないし敬語も必要ないわ。あなた達の方が遥かに年上なのだから意見くらい言いなさい。」


≪加護:お姉さん達の感情は?≫

<恐怖です>


≪加護:誰に≫

<主にです>


「はぁ…、私に恐怖してるんだね。何が怖かったのかな?反省するよ。教えて?」

「それはどういう事なの!?あなた達を助けてくれたのよ。感謝するのではなく恐怖しているのは何故?竜王夫妻を拷問しているから?今日殺したのはディアに殺意を向けた冒険者だけよ。怖がる場面なんてないはずよ。ディアは楽しみたくて楽しめる場所を用意しようとしているのに、冒険者組合本部の従業員として呼んだあなた達が恐怖していたら何もできないじゃない。世界最強が怖いの?あなた達の自由と安全を保障してくれるのよ。約束を破ったら殺されるのはドラゴンでは当前だしディアたちの派閥が一番緩い規約のはずよ。あなた達を守れる強さがあることも教えたし私と同じ境遇であることも教えた。何が怖いのよ。言いなさい!」


≪加護:私は何か失敗した?≫

<失敗はしていません。考えが足りないのです>


≪加護:怖がられてる事と関係してるの?≫

<その通りです>


 どうしよう…。計画を変える必要があるのかな。分からないよ…。


「強さが怖いの?1万回も死にかけても平気そうに見えるから怖いの?私は殺意を向けてきた人と悪人しか殺したことがないよ。隠してることを魔法で聞くのは好きじゃないんだ。本当は人間を見下してる?嫌だけど冒険者組合本部で働くことを喜んでる振りをした?もしそうなら殺さないから帰っていいよ。違うなら理由を教えて。」


 何で黙ってるの?加護、何で教えてくれないの?


<考えてください。これも勉強です>

クロアを守るために少し厳しい勉強になっています

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ