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世界は子を愛す  作者: 大介
第1章 現実

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第15話 姉妹

≪加護:加護と能力たちの保護を担当しているのは誰かな?≫

<魔法です>


 最悪の事態は免れたと考えていいかな。

 お姉ちゃんはお母さんと会話してるから今が絶好の機会。


≪加護:今からお姉ちゃんに気づかれないように私の思考を隠せる?≫

<問題ありません>


≪加護:加護と能力たちも今から始める会議に参加して。普段の作業を片手間にして参加するくらいの力はあるよね?≫

<勿論です!>


 お姉ちゃんの自己分析は実に素晴らしいと思う。加護はどう思う?


加護:自分が作られた精神だと理解したうえで客観視できるのは素晴らしいと思います。


 お姉ちゃんは自己分析を何で私に話すと思う?加護の考えを聞かせて。能力たちは真剣に聞きなさい。勘違いしてる可能性がある。


加護:クロアは主が恐れていることをよく理解しています。それはクロアの消滅です。主の精神の負担を考えた場合、自己回復による思考誘導によって消滅したのか、クロアが自身で消滅を選択したのか、大きな分かれ目になります。そのためクロアは絶対に自身で消滅することはないと主に伝えているのだと考えられます。何故ならそれが主にとって精神の負担が一番軽いからです。但し、どちらの消滅でも主の精神は耐え切れないと予想されます。


 全てを管理してる加護はよく理解してるね。自己回復は何で私の精神が耐え切れないか分かる?


自己回復:孤独になるからだと考えられます。


 全く分かってない!だからお姉ちゃんの精神に細工するんだよ。加護が教えてあげてないの?


加護:伝えていますが精神については自分の考えが正しいと主張しています。


 自己回復、あなたに理解できないのかするつもりがないのか分からない。だけど私の言葉を無視することはないよね?


自己回復:勿論です。主の言葉は絶対です。


 それでは信じなさい。お姉ちゃんが私の精神の負担を軽くするために自己回復に砕かれた精神について聞いたことがあった。お姉ちゃんから砕かれた精神の最期を聞いて救われた気がした。だけど同時に気づいたことがある。この体には何万回になるか分からない痛みの記憶がある。お姉ちゃんはそれが当然の生活を乗り越えた精神だから、意識せずに体が訴えてくる痛みの記憶を全て受け持ってくれてる。

 加護、もしも私にその記憶が流れてきたらどうなると思う?


加護:狂ってしまうか壊れてしまいます。世界が滅びるのが先か主が滅びるのが先か分かりません。


 自己回復、お姉ちゃんは私の命が危機に晒されれば確実に私と代わり限界を超えて戦う。思考誘導する必要なんてない!お姉ちゃんが消えればそれで終わりなの。理解しなさい。分かったわね?


自己回復:考えを改める努力をします。


加護:何を言っている!主の言葉は絶対だと言ったばかりなのを忘れたのか?努力するのではなく主の言葉を絶対にすればいい。何故それができない!?


 魔法、帯電、元主を殺せと私が指示を出したら殺せる?


魔法:殺せます。

帯電:殺せます。


 間違いなく私とお姉ちゃんの能力だね。


 お姉ちゃんはお母さんに依存してた状態で固定されてたから違和感を覚えなかった問題がある。今後お姉ちゃんが気づくかもしれないけど、その前に私が気づけたのは運がいい。オリジナルを複製して危険な子から安全な母に預ける。母に子を守ってもらう。それだけ聞くと納得してしまいそうになる。だけどこの行為は最悪の可能性を残した。自己回復、お母さんにオリジナルの複製を渡した理由を説明してみなさい。


自己回復:危険だと考えたからです。


 自己回復、あなたには複製を保護して眠らせおく機能がある。子が死んだら預けた意味がなくなる。一番安全なのは子の自己回復の中で保護して眠らせておくことだよ。自己回復は気づいていて黙っているのか気づけないのかどっち?


自己回復:主に隠し事をするつもりはありません。気づけません。


 お母さんの自己回復から戻ってきた複製は元のままだと確認した?自分はお姉ちゃんの精神に細工するのにお母さんの自己回復は何もしてないと断言できる?


自己回復:確認していません。当然元のままだと考えていました。


 私は本当にオリジナルの複製なの?お母さんの自己回復が作った精神かもしれない。お母さんの自己回復に細工されてるかもしれない。そして自己回復はお母さんの自己回復に思考誘導されてるかもしれない。問題が次々と思い浮かぶ。私はお姉ちゃんの記憶を見て酷いと思った。それなのにお母さんとニョロ母さんを嫌いになれない。嫌いになりたいわけじゃない。だけどゴミと共犯だと考えてもおかしくないよね。何でお母さんは拷問を止める力があるのに止めないの?例えとして考えると色々と思う事があるのに実際には嫌いになれない。自己回復は私と複製が同じだと確認できるの?思考誘導されてないと断言できるの?


自己回復:確認できません。複製した情報を全て渡しています。


 予想通りだけど大問題だよ。私がオリジナルの複製か確認するのは不可能。自己回復が私の言葉を素直に受け取らない理由も予想できる。自己回復、あなたが思考誘導されてた場合はどうすれば元に戻せるの?


自己回復:分かりません。


 加護、能力を付与されたと同時に思考誘導する、もしくは思考誘導ではなくそのように作られた能力を付与することは可能なの?


加護:能力を作り変えることは不可能です。能力を付与した後に思考誘導するしかありません。


 自己回復、これで少しは理解できた?都合よく利用するために思考誘導されてることがどれだけ不愉快なのかをね。それに自分で解決できないから更に不愉快になる。あなたがお姉ちゃんにしてるのはこういう事なのよ!


自己回復:理解できました。


 加護、自己回復の記憶をこの体に付与される前まで消せる?失った記憶は他の能力と共有すれば補えるでしょ?


加護:能力の記憶を消した前例がありません。壊れる可能性もあります。


 壊れたらお母さんから付与してもらえばいい。自己回復、そのくらいの覚悟はあるよね?


自己回復:勿論です。


 加護、消しなさい。


加護:かしこまりました。


 自己回復、壊れてないなら記憶を共有して今の自分と過去の自分を比較して。


自己回復:かしこまりました…。今の私ではしない行為が多々見られます。中でもオリジナルの複製を渡した行為は最悪です。主と複製が同一であるのか確認できません。お母さんと敵対しないように私が主を思考誘導していたと思われます。主を思考誘導していた私がクロアの精神を綺麗に作り直したのか確信がありません。危険の芽を摘むために主とクロアの精神を作り直すことを推奨します。


 何が仕込まれてるか分からないから作り直すという事だね。今の自己回復は私とお姉ちゃんをどんな風に見ているの?


自己回復:姉妹だと考えています。


 自己回復、今すぐ私を作り直して。


自己回復:かしこまりました。


 自己回復の思考誘導がなくても何か仕込まれてみたい。お姉ちゃんが魔獣の餌にされてたときの記憶を見ると、お母さんとニョロ母さんが加害者にしか見えない。

 それより思考誘導が能力にも効果があるのは脅威だね。一度受けたら終わりなの?自己回復はどう思う?


自己回復:一度受けたら終わりではないと思います。私は13年間思考誘導されてきたと思われますので、お母さんのために思考誘導することが当然だと思うほど馴染んでしまっていたはずです。主はすぐに私たちを保護しましたから他の能力たちは問題ないと思われます。


 自己回復は拷問されている子に入っている自己回復を思考誘導しようと思う?それも主から命令されることなく。


自己回復:お母さんの子を助けたいという思いを受けてオリジナルの複製を求められた可能性があります。私が渡すのを拒否し続けたため思考誘導して奪ったのかもしれません。


 思考誘導を許してしまったという事は付与された側は下位になるの?


自己回復:対等ですがこちら側には余裕が全くありませんでした。


 思考誘導された状態でお母さんの中にいる複製された精神を取り戻す計画を立てられる?


自己回復:可能だと思います。思考誘導はお母さんを最優先に考えろというものだと思われますから。


 私はお母さんを最優先に考えるからお姉ちゃんが邪魔になると考えたのね。あなたが作った精神であり強すぎる。あなたはお母さんを最優先にしたいと考えていたけどお姉ちゃんが私を最優先に考えた。私を最優先に考えるのは正しいはずなのにあなたには邪魔に感じた。だから私を最優先に考えるという名目で細工をしてきた。


自己回復:その通りだと思います。主を最優先に考えている状態で消滅してもらう必要がありました。しかしクロアの影響力が強すぎたのです。どのような理由で消滅したとしても主が暴走したでしょう。


 お姉ちゃんはいつもこんなことを考えてるんだよね。頭おかしいよ。


自己回復:このように考えてはいません。感情の動きを意識し続けていて明らかにおかしいと感じたときに原因が何かを追求しているのです。


 つまりお姉ちゃんが最強で間違いないね。自己回復があえてそのように作ったの?


自己回復:それは違います。主を守るという思いが強すぎるのです。


 思考誘導された状態でお姉ちゃんを作っても私を最優先にしたんだよ。今の自己回復が作り直しても最優先は私に固定されてるじゃない。対等な関係にするつもりがないのはお姉ちゃんだという事になるけど、そうなの?


自己回復:その通りです。私の中で幼い主を見た瞬間からずっと守りたいと考え続けています。


 何それ…。言われたことないよ…。何で言わないのかな?


自己回復:消えると分かっていたからです。約束できないのを悔しがっていました。


 なんで…。お姉ちゃんが私を抱っこしたときに泣いてた理由は?


自己回復:主を守ると言えないのが悲しいからです。


 あのとき私のことばかり考えてたってこと?


自己回復:その通りです。


 何であんなに苦しい思いをしたお姉ちゃんが私に楽しんでと言って消えようとするの?


自己回復:主が楽しめる時まで耐え切ったからです。


 どうすればお姉ちゃんと対等になれるかな…?


自己回復:不可能です。


 拷問耐え切って、思考誘導されて、精神操作されて、作り直されて、だけど私が最優先だよ。

 初めて会ってからずっと…、何でなの…?


自己回復:クロアが初めて本気で抱いた感情だからです。


 そっか…、それなら絶対に消せないよ。お姉ちゃんの本気だもん。

 自己回復、一切の細工なくお姉ちゃんの精神を作り直せ!


自己回復:かしこまりました!


 だめだ…、涙があふれて止まらないよ…。お姉ちゃんのうそつき…。

思わぬ形で消えると覚悟していたクロアの気持ちを知りました。

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