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世界は子を愛す  作者: 大介
第1章 現実

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第12話 世界最強

 目が覚めるとお母さんの腕の中にいた。


 お母さんの温もりと優しい匂いが私の不安を消してくれてる。クロアに抱きしめられて寝たことがないから分からないけどお母さんには勝てないはず。私が怯えてたからお母さんと寝ることを勧めたんだと思う。記憶と経験で知ってるはずなのに初めてだと思った。


 まだ離れたくないけどお母さんは起きてるのかな?

 二度寝したいな…。


 世界がお母さんを恨むなら私が世界を潰す。非難するなら黙らせる。竜王なんて誰がやっても同じだと教えてやる。お母さんは最強の竜王を探してたのではなく竜王という称号を消せる存在を探してたことにすればいい。お母さんが最強だと知りながら竜女王にしようとしなかったドラゴンたちにも問題がある。下らない世界の常識と規約の責任だよ。

 家族と仲間を邪魔するものも私が潰す。話し合いで解決するつもりがあるならお母さん達が対応してくれる。私は得意な方法で皆を守るよ。


≪加護:加護たちがいるのは背中だけどそこに加護たちを書き込む器があると考えていたけど間違ってないかな?>

<その通りです。人の体には1枚だけ器があります。主の器に能力を書き加える余裕はありません>


≪加護:器に裏側はないの?器は記号を書き込む丸い板のようだと思ったけど違うのかな?≫

<皮膚を剥がして書き込むおつもりですか?器の形は間違っておりませんが皮膚ではありません。背中に剥がせない透明な板があるとお考え下さい>


 剥がせないのは壊れるからかな?加護たちが剥がせないと言ってるから間違いないね。それなら違う方法を探すまでだよ。私は諦めない!


≪加護:加護たちは板の裏側まで届いてるの?>

<裏側までは届いていません。表に私たちがいるのです>


 これなら強化できるんじゃない?他力本願だからね。


≪加護:透明な板は私の言葉も魔力も通過してる。そして加護たちも私と話せるし私の魔力を操作できる。板の中に私の魔力で書き込めないかな?裏側と繋がれば最低でも2倍の力が出せるはずだよね?≫

<器の中に主の魔力で記号を書き込む。少しお待ちください…。そのような記憶がある能力はいませんでした。ですが間違いなくできると答えが一致しております>


 私みたいに全部お任せのドラゴンはいないだろうからね。


≪加護:今までにドラゴンと会話したことのある人はいるの?この方法は加護たちに魔力で記号を書いてもらわないと無理だよ。自分が強いと思ってるドラゴンには思いつかない。私くらい徹底的に加護に頼るドラゴンなんていないと思うよ≫

<いませんでした。私たちを信じて頼ってくださるのは主だけです。実行してもよろしいでしょうか?>


≪加護:勿論いいよ。結果が楽しみだよ≫

<それでは始めます!>


(ここまで徹底して他力本願なドラゴンはいないよ。加護たちと会話できないと思いつけない。そうでないと分からないことが多すぎる。それに加護たちの仕組みを加護たちに教えてもらうとか反則的だね。)

【お母さんと眠ったけど私は二度寝したいの!加護たちには2倍頑張ってほしいの!】


(世界を潰すとか言っていたのに理由は二度寝なんだ。今後お母さんと寝るのを譲る気があるのかな?実際に経験しないとお母さんの凄さは分からないからね。まだ私の記憶を見ていないかな?砕かれた精神は全てお母さんに抱っこされていると強く錯覚させたらしいよ。自己回復が最高に幸せな気持ちにしてあげている。みんな笑顔だよ。お母さんと一緒に眠っているだけだよ。ディアの隣には私しかいないし下には何もない。ディアの中にいるよりもお母さんの元に帰りたいからね。お母さんはクローディアを全て受け入れてくれるから。)

【確かに思い込みすぎてたみたい。絶対にお母さんの元に行くよ。あー、本当によかった!それに記憶と経験で知っていても実際のお母さんは全然違うね。もっとたくさん話したかったんだよ。だけど眠気に負けた。あれが幸せなのかな?幸せかどうか分かるまでは3歳児が優先だから。】


(本当はもう分かってるでしょ。二度寝するために全力出しているんだから。)

【検証が大切だと加護たちから学んだの。緊張せずにお母さんとくっつけるようになるまで待ってよ。】


(緊張せずにお母さんとくっつけないのは駄目だね。まだ遠慮しているからだよ。お母さんがいつもと違うと感じたら優しく抱きしめてあげる。いつも通りならお母さんが抱きしめてくれる。私たちと寝ることでお母さんも癒されるからね。)

【お母さんのためにもなるんだね。だけどお母さんは私たちの前だと隠しちゃう気がする。今回は自己回復でも間に合わないくらい辛そうだった。クズに付きまとわれた被害者なのに…。お母さんの悩みの種は全て潰す。交渉したいなら私の出番はないね。】


(私に代わってくれてもいいけれど、ディアは交渉もできるよ。勉強が進んでうまく話せるようになるまでは加護たちに相談しながら話せばいいんだよ。)

【その通りだね。私の仲間には天才しかいなかったよ。】


<加護です。主の提案通りにうまくいきました。私たちは甘さを痛感しております。自分を高める方法を模索することができませんでした。全能力が以前より2倍以上の力を出せるようになりました>

≪加護:魔力量は大丈夫なのかな?全力を出すだけで魔力枯渇しない?≫


<それは逆に考えています。私たちはお母さんとニョロ母さんの魔力により能力となる記号を付与されています。ですが主の魔力で記号を厚くしました。能力を使うためにはお母さんとニョロ母さんが付与した記号に主の魔力を与える必要があります。しかし少し魔力を与えただけでも付与された記号の下には主の魔力がありますから使われる魔力の総量は増えます。少し魔力を与えただけで、付与された能力の力+今回厚くした能力の全力、になるのです。何故なら記号を厚くするときに付与された記号の魔力と主の魔力を繋げているからです。主の考えにより私たちが制御することが前提になります。私たちなら主に送る力を調整できるからです。ですが加護と能力が強化されたことが過去にありませんので参考になる情報がありません。そのため検証が必要になります。殺意を向けてきた相手での検証が最適なのですが少し痛みを長く感じてもらうことになります。問題ありませんか?>

≪加護:長くても数分でしょ?死ねるのだから問題なし。殺意を向けてきた相手は好きにしていいよ。世界最強の仲間に殺意を向けるとか常識がないよ。丁寧に教えてあげて≫


<その通りですね。世界最強の仲間に殺意を向ける意味を体に刻み込みます!>


【クロア、私でもやりすぎたと反省したくなるときがあるんだね。全力他力本願になったよ。】

(厚くした部分はディアの魔力だから全部反応するようにしたみたいだね。1万年以上の常識を即破壊するなんて流石ディアだよ。今までのように軽く走ろうかなと魔力を送ってたら誰かひき殺すところだった。私も全力他力本願になるしかない。ディアの交渉能力は凄く高いね。頷くしかないよ。お母さんには秘密にするの?)


【喜んでくれるかな?】

(ディアが揺るぎない最強になったのは間違いないでしょ。喜ぶと思うよ。)


「お母さん、起きてる?」

「ん…?どうしたの?何か起きた?」


 寝てたのかな?起こしちゃった…。


「お母さんと二度寝したいから加護たちに2倍頑張ってもらおうと思ったら世界の常識を壊しちゃった。加護たちの記憶にもなくて検証が必要だから私たちに殺意を向けた人は少し長く痛い思いをすることになったよ。寝る前の時点で最強かもしれないと思ってたけど今は確実に世界最強だと思う。加護たちの検証待ちだけどお母さんと模擬戦したときの2倍以上に強くなっちゃった。」

「へ…、へぇー。その方法はお母さんにも秘密かな?」


 お母さんが慌ててる?そんな訳が無いよね。お母さんはいつも冷静だから。


「秘密じゃないよ。クロアが困ってたから話してもいいのか悩んでたけどお母さんも知りたい?私のせいでクロアも全力他力本願になったんだけどね。」

「私は好奇心で知りたいだけよ。今の私では無理でしょ?」


「そうだね。お母さんにだけに話すから秘密にしてね。加護たちを付与する器は背中にあるんだけど透明な丸い板のようなもので背中から剥がすことができないんだって。私は透明な板の裏にも加護を付与しようと思ったんだけど背中から剥がせないと言われたから、無理に剥がすと壊れるものだと判断したんだよ。だけど加護たちは板の裏側まで届いてないって言うんだよ。会話できるし魔力を与えることもできるんだから板の裏側まで付与された記号を厚くすればいいんじゃないかと思ったんだ。板の上に書いてある付与された記号はお母さんとニョロ母さんの魔力だから、それと繋げるように私の魔力で記号を厚くしてくれたんだよ。自分で制御しようと思うと記号に少し魔力を与えるだけで下の私の魔力が全部反応する。軽く身体強化して走ろうと思ったら今までの全速力より速く走っちゃうんだよ。これは加護たちが制御するのが前提なんだって。加護たちも反省してるんだ。自分たちを強くする方法を考えたことがなかったって。」

「魔力が通る透明な板に能力が書いてあるのだから、板の厚さだけ魔力を追加すればいいと考えたのね。2倍以上の強さが確定しているわ。だけど少し能力を動かそうとするだけでディアが追加した魔力が同時に全て反応してしまう。だから全力他力本願なのね。素晴らしいわ、ディア!世界征服は終わったみたいね。冒険者組合を早く運営しないと楽しめないわ。世界の常識も規約も関係ない。あなた達が好きなように楽しみなさい。強くなる方法は家族の秘密。カンナカムイに教えてあげてもいいけれど、気づいたら私が教えておくわ。んー、笑ってしまいそう…。最強の娘が母と二度寝したいから桁違いに強くなった。流石に誰も信じないわね。これは家族3人の秘密。まだ深夜よ。朝まで寝ましょう。」


【お母さんが喜んでくれた!それにとても嬉しそうだよ。怒られるかもしれないと思ったよ。】

(世界の支配者らしく勉強頑張ってよ。それに娘が強くなって怒る訳が無い。私たちは自由に世界で遊べるようになったんだよ?もともとそのくらいの強さはあると思っていたけれど、今回は桁違いに強くなる。お母さんは世界の常識と規約に縛られてきた気がする。私たちが全て壊すと分かって嬉しいのだと思うよ。ディアが言っていたようにお母さんが竜女王になればよかったのに、最強だと有名になってもならなかった。私の予想だとなれない。ドラゴンにも男尊女卑があるんだよ。ここである程度楽しんだら浮島行くよ。お母さんを侮辱したドラゴンは殺す!)


【竜王の挑戦者を殺し続けてきたというのがお母さんにしては過激だなと思ったんだよ。クズの隣には最強のお母さんがいるのに挑戦者がいるという事は、お母さんを見下して相手にもしてないってことだね。私たちなら竜王の称号を消すことも竜女王として認めさせることもできる。私は他力本願だから相手が来たら後悔させてあげる。それかお母さんを馬鹿にしに来たら滅ぼしに行く。全員トカゲにして死黒森で放し飼いにしてあげよう。】

(話しすぎたみたい。お母さん待ってるよ。代わろうか?)


【嫌だ!絶対に嫌だからね。】

(分かってるよ。早く抱きついてきなさい。)


 お母さんの腰に手を回して抱きついた。恥ずかしい…。

 えっと…、手の位置はここでいいのかな?


「また何か考えているわね?ディアが落ち着けるように抱きつけばいいの。二度寝するために考えたのでしょ。何か話したいことがあるの?」

「世界の常識とか規約を作ったのドラゴンでしょ?他種族の意見を聞くと思えないからね。私たちの楽しみを邪魔されたら潰してもいいよね?」


「その通りよ。私もドラゴンの考えに染まっていたようだわ…。ドラゴンが他種族まで管理しようとするから竜王が迷惑をかけるのよ。ドラゴン以外の種族にとっては邪魔な存在だわ。目立つと寄ってくるのがドラゴンなの。ここに近寄ってきたら終わりね。ふふっ、楽しみだわ!」

「楽しみにしててね。私も勉強頑張る!」


≪加護:付与された記号の下にある私の魔力が反応するから加護たちに調整してもらう必要があるんだよね?付与された記号の下までか記号が付与されている上まで隙間を全部私の魔力で埋めても一緒じゃないの?調整が大変かもしれないけどできそうじゃない?駄目だったら私の魔力を消せばいいんだよ。みんな天才だから大丈夫!≫

<私たちはまだ甘えていたようです。検証することに必死で強くなることを考えていませんでした。それ以上はあり得ませんね。主の器を主の魔力で染める。当たり前のことではありませんか。問題ないと判断できた場合は実行しても構いませんか?>


≪加護:大切な人を傷つけられたりするのが嫌だから後悔したくない。加護たちのことを信じてるから好きなときに実行して≫

<主の信頼に応えるべく揺るぎない最強を更なる高みへ!>


(全力他力本願だから可能な方法だね。加護たちの検証は終わらないよ。)

【私の勉強と一緒だね。それに加護たちは天才だから平気だよ。】


「お母さん、私は更に強くなると思う。くっついてたら思いついちゃった。私とお母さんはくっついてるけど魔力が違うでしょ。だから器を全部私の魔力で染めちゃえばいいと思ったんだ。加護たちがどれくらい強くなるか言わなかったから検証しないと分からないんだと思う。これで強くなることを考えるのは終わり。これ以上がないから。あー、また眠たい…。」

「世界最強だったのに更に強くなったのね。世界の常識と規約が粉々よ。だけど強くなっても母の抱きしめには勝てないの。我慢せずに眠りなさい。可愛い私の娘たち。」


(お母さんの声を聞いていると私も眠たくなってきた…。)


「もう眠るよ…。悩みがあったらいってね…。」

「全て解決しているわ。隣で娘たちの活躍を見ているだけで楽しめそうよ。」


 ディアは眠ったね。


 激怒しないように気をつけないと。

 加護たちもそれは分かっていると思うから馬鹿はどこかに飛ばされて終わらない検証が始まるだろうけれど、直接言っておいた方がいい気がする。


≪加護:ディアを激怒させることはないように気をつけて。あとから悲しむことになる≫

<主は優しいですから激怒に巻き込まれただけの人がいたら悲しみますね。自己回復と連携して主を激怒させそうな人は視界から消します>


 本当にディアは無茶なことをしてくれた。


 依頼しながら加護たちに手加減を覚えてもらうしかない。だけど勉強している少女が世界最強なんて冗談だとしか思えない。私に誰も手が届かないくらい強くなるとか言っていたけれど、姿も見えないくらいに強くなっている気がする。


 自由に楽しめそうだから問題ないけれどね。

どれだけ強くなっても幼児は母に勝てません。

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