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パニック関連

終わらない、繰り返され続ける人生

作者: よぎそーと
掲載日:2022/09/24

 何でこうなったのか分からない。

 だが、最初の時に何があったのかは思い出せる。

 不思議と全ての記憶が残ってる。

 膨大なので常に思い出すというわけではないが。



 最初はたしか、暴力の中で死んだ。

 荒くれた町の中で生まれ、荒れた人生を送って。

 不良集団の一員として殴り合いの喧嘩ばかりしてた。

 その中で、刺されて死んだ。



 そして、再び人生が始まった。

 赤ん坊の頃からだった。

 記憶があったので、すぐに今がどういう状況か分かった。

 混乱したが、記憶にある通りの事が起こっていくのが分かった。

 だから、少しだけ賢く動いてみた。

 小賢しいというのが適切だろうが。



 おかげで、二度目の人生は抗争で死ぬ事無く。

 ヤクザに出世して、敵対組織に殴り込みをかけて殺された。



 それから何度も人生を繰り返した。

 ヤクザになりなおして、少し出世して。

 同じくヤクザとして、今度はもっと出世して。

 何十回と繰り返して最後には、国内最大のヤクザ組織を作り上げた。

 作り上げて殺された。



 その後も何度も国内最大のヤクザになった。

 やり方が分かってるから短期間で出世が出来た。

 そうしてるうちに、政界や財界との接点も出来た。

 その世界を垣間見た。

 そちらに興味がわいた。



 次の人生は財界にすすんでいった。

 やり方が分からないので失敗続きだったが。

 それでも何十回も人生を繰り返す頃にはやり方も分かってきた。

 最終的には国内経済を牛耳る事が出来るようになった。



 政治の世界にも踏み込んだ。

 やはり何十回と失敗して、国を牛耳る事が出来るようになった。



 その途中、研究者の道というのも見た。

 どうしても学歴が必要で、それなりの学校に通ったからだ。

 そちらがどうなってるのか気になっていた。

 特に何か知りたかったわけではない。

 だが、今までにない道だった。

 何があるのか見てみたかった。

 幸い、時間は腐るほどある。



 こちらはさほど芳しい成果を上げる事は出来なかった。

 そこまで頭は良くないようだ。

 それでも、やれる事はなんでもやってみた。

 最終的にはそこそこの成果を出した。

 そこで見切りをつけた。

 これは自分には向いてないと。



 それからも様々な事をやった。

 宗教を率いて世界を狂信じゃだらけにもした。

 軍隊を率いて核ミサイルを世界中に放った。

 技術者になって様々な物を作った。



 その後も何回も人生を繰り返した。

 数え切れないほど。

 積み重なった記憶をめくるのが面倒になるほど。



 そして、人生に飽きた。



 何度も繰り返す。

 成功しても失敗しても。

 同じ人間の同じ人生を。



 毎回、別の誰かと付き合った。

 結婚して子供も生まれた。

 それなりに幸せだった。



 独身を貫いた事もある。

 女で遊ぶ事はあったが、最終的に一人で生きた。



 何ももたない貧乏人になったこともある。

 路上で飢えと寒さに苦しみ、道ばたで死んでいった。



 特に出世もしないこともあった。

 のんびりと生きて、のんびりと死んでいった。



 殺されないように、そして出来るだけ長生きを目指したこともあった。

 研究者として生命に関わったこともあった。

 寿命の限界まで生きた。

 享年3387歳だった。



 思いつく限りのあらゆることをした。

 もう何も思いつかないほど人生を繰り返した。

 それでも、また赤児から人生がはじまる。



 自殺もした。

 また人生が再開された。



 飽きた。

 辛かった。

 もう生きていたくないと思った。



「なんで」

 人生が続くのか。

 繰り返されるのか。

 全く分からなかった。

 分からないままに人生を繰り返す。

 やる気の全てを無くしながら。

 惰性で生きていた。

 生きてるというのが正しいのかもわからないまま。



 そして、今回の人生を終えようとしてる。

 寿命が来た。

 意識が遠ざかる。

 何度も体験してきた感覚だ。

「今度こそ」

 このまま死にたい。

 そう願った。



 再び目が覚めた。

 見慣れた景色だった。

 人生を再開する時に見る景色。

 底辺の家庭の家の中。

 見飽きた部屋の中で天井を見つめている。

 男は絶望した。

 再び人生が始まったことに。

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