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アキ6
アキの過去は美しい
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わたしもあいつらと同じで白かったんだ。
ずっと泣いてた。あの空みたいにグレーな空間に1人で蹲ってた。
「怖い。辛い。酷い。汚い。」
そんな言葉ばっかりが頭をぐるぐる回るんだ。
なのに誰も助けてくれなかった。
いくら叫んでも、いくら泣いても、いくら怒っても、いくら悲しんでも。
だーれも。
そしたらね、突然答えが出たんだ。
その時は確か、何回目に泣いた時かな。
あまり覚えてないけどね。
「なんで泣くの?どうして悲しむの?怒るも寂しいも、なんで?」
ずっと考えるようになった。
泣く日も怒る日もずっと考えた。
それで気づいた。
うちは自分を守れるって。
死なないってわかった。
そこからかな、うちに色がついてたんだ。
「いっひひ!」
その時ね、初めて笑えたんだ。
気持ちよかった。
自分を見つけられた気がしたの、独りでも大丈夫だって。
だからうちは今までずっと独りでこの世界を彩らせてきたの。
あの山も川の音も岩の色もぜーんぶ。
だから…。
あー。
もう無理。
※
美しいといえば、命。




