表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の知らないわたし旅  作者: 秋乃しん
54/147

ナツ22


黒くて暗いものは嫌いですか?


 

 「えぇ!なにこれ!」


だんだん足が消えていっているのを目の当たりに、慌てて砂浜に腕を着いて抵抗してみたけど、ゆっくりとゆっくりと空間に足を引き込まれる。


「助けてぇ!」


住宅もなければ人影なんて尚更にない。そんな場所で、響きもしない声は波の音に打ち消されていた。

そんなことをしている内に、みるみると吸い込まれていく足はほとんどなくて、とうとう腰に到達していた。


『ユ…き』


「えっ、こわっ!なに!」


何処からなのか。女の子の声が聞こえる。

それも掠れていて、とても弱々しいもの。


『こっちで、いんだよ?』


次は、はっきりとした声.わたしよりも少し可愛らしい声がする。しかしそれは、狂気に溢れたものに感じた。


瞬間。


一気にわたしの身体から力が抜ける。

目を瞑ってしまっていた。

酷く優しくて、居心地の良い場所なんだけど、すごく辛い。そして暗い場所にいる。


でも。


もうずっとこのままでも、いいかも…しれない。


「なにも…見えない」


よろしゅうお願いしやす。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ