目覚めと記憶3
よろしく!お願い!しまして!
「おりゃぁー!」
走る列車を停めるため、色々な試行錯誤をしていた。そして今、力尽くでドアを蹴り開けようとしている最中だ。
「ひらけよぉー!」
だけど、走っている列車のドアはそう簡単に開くわけもなくて、腕の力も持久力もないわたしでは不可能。
遂に、力尽きて座席に倒れる。暑い列車内で余計な力を使ってしまった。汗が身体中から流れているのを感じ、気が遠くなりそうで、眩しい光に照らされる。
「そういえば…」
さっきまで、気持ちよかった光だった。
だけど、今はぜんぜん違う。
嫌になるくらいな気温と光は、わたしをイライラさせる。
そろそろ、本当に。
「あついぃっ!」
服を脱いでしまいますよ!
もう一度身体を起こす。
白のワンピースを着たわたしは、スカートのひらひらを掴んで、勢いづけてめくろうとしたときだった。
キッキィー。キィー。
わたしの苦手で嫌いな感性の法則という問題が身体を襲った。
「おっとっとととと!」
身体を崩して座席に転がる。
プシュー。
やる気のない列車のため息と共に、あれほど開くことを拒んでいたドアが、目の前で容易に開いた。
「このツンデレが!」
ありがとうございます!