勝つ見込みの有る2人……
エリックは世界チャンピオンになりました……
池本と徳井は、エリックの試合の翌日には日本に帰って来ていた。帰って来たその足で、池本と徳井は佐伯と甲斐のジムに向かった。
最初に着いたのは、川上ジムである。池本と徳井は佐伯と喜田を呼んだ。
「昨日の試合は見たか?」
「「はい、見ました!」」
「どうだった?…勝つ事は出来そう?」
「徳井さん、俺が勝つに決まってるじゃないですか!……絶対にKO勝利ですよ!」
「出たな、口だけ男め……しかし、やったとしたら勝つのは俺達です!」
「ほう…その理由は?」
「佐伯の最大の武器を更にレベルアップしていけば……結果は自ずと付いて来ますかね!」
「俺は、今やっても勝つつもりでいますよ!」
「その前に次の試合だ!……ロードワーク行って来い!」
「はい、行って来ます……」
佐伯はロードワークに出て行った。
「喜田、佐伯の最大の武器って?」
「スピードと当て勘だな……エリックが付いて来れないくらいのスピードで、出鼻を挫くカウンター……ペースは握らせないな!」
「……エリックはそれだけじゃないぞ?」
「分かってますよ!…しかし、対戦前から必要以上に警戒する事は特策じゃない。相手が誰であろうと、しっかり準備が出来ますよ!」
「……何とかなりそうだな!」
「楽しみだね!」
「それより、日本に居るスイッチの方が厄介ですよ……あいつ、本当にボクシング馬鹿だからなぁ……」
「甲斐か……」
「確かに大変だよね……」
「まぁ、佐伯はそれも楽しみらしいんですがね!」
この後、池本と徳井は川上会長と石谷トレーナーに挨拶をしてジムを出て行った。
池本と徳井は西田拳闘会に入って行く。
「お疲れ様です!」
「おう手塚、失礼するぞ」
「悪いね!」
「あれ?…2人共、どうしたんですか?」
「丁度いい。お前等は、昨日の試合は見たのか?」
「「勿論!」」
「やったら勝てそう?」
「当たり前ですよ!」
「どう戦うつもりなんだ?」
「俺は器用な選手じゃないので、いつも通りですね……いつも通りに真正面から潰すだけです!」
「甲斐、ロードワークに行って来い」
「はい、行って来ます」
甲斐はロードワークに出て行った。
「どうなんだ手塚?」
「勝つのは大変ですけど……あいつならやりますよ!」
「何か作戦でも有るの?」
「作戦も何も……甲斐も言った様に、あいつは不器用なボクサーですからね……戦い方は変わらない」
「どうやって勝つんだ?」
「池本さん……確かにエリック·ロペスは強いです。どのパンチもレベルは高いし、ディフェンスだって穴が見当たらない……しかし、世界にはそんな相手は必ず居る。相手のレベルが高ければ、甲斐をそれ以上にするだけです。誰よりも強く!」
「……真顔でそれだけ言えれば大丈夫だ……楽しみだな、徳井」
「はい、そうですね!」
「……厄介なのは、スピードの速いカウンター使いですかね……どうなるか想像が出来ない。厳しい相手ですね……」
「向こうもそう思ってるよ」
「トレーナーも含めて、お互いにいい関係だね?」
「とりあえずは次の試合ですね……西田拳闘会初の世界チャンピオン誕生……ですからね!」
「期待してるぞ!」
「応援してるよ!」
話が終わると、池本と徳井は会長室に入って行く。西田会長と篠原トレーナーが居る。池本と徳井はソファに座る。
「池本、エリック·ロペスは強いな!」
「当たり前だろ、世界チャンピオンだぞ?」
「池本君に徳井君……実は、エリック側から打診が有ったんだ……次の対戦相手としてね……」
「時期的に合わないんじゃないですか?」
「そうなんだけど……」
「あの馬鹿に言ったら、何が何でもやりそうですね?」
「そこなんだよ……馬鹿が付くくらい頑固だからねぇ……」
「何でこの時期にオファーが来るんだろうな?」
「……今なら潰せる……そう思ったんだろう……」
「今なら?……どういう事?」
「多分ですが……佐伯も甲斐も今のうちなら勝てるとミッキーは踏んだんです。どうりで、トレーナーの反応がおかしかった訳だ」
「石谷さんの様子、俺は分かりませんでしたよ?」
「トレーナーとの付き合いは、俺は長いからな……佐伯にもオファーが有ったんだろう」
「池本君、今ならの説明をしてよ!」
「確かに今なら、エリックの方が上でしょう。才能云々ではなく、経験値が違い過ぎる。アマチュアから無敗の男、そんなに甘い者では無い」
「エリックの強さなら分かっているつもりだけど……別にもっと先でも……」
「ミッキーが感じたんですよ……今なら叩けるが、この先に世界との経験を積んだら……厄介な相手になると思ったんでしょう」
「エリック側に認められたのか……凄い事だね……」
「確かに凄いですけど、勝って貰わないと困ります。今回は試合間隔等から無理ですが、いつかは当たる相手として見据えて欲しいですね」
「……世界が注目するエリックとの試合……金の匂いが……」
「……篠原さん、西田さんは大丈夫ですか?」
「最近、金の話に敏感なんだよね……」
「西田、甲斐のフィギュアを作れば売れるんじゃないか?」
「お?…流石池本、それいいな!」
「ちょっと池本君、煽らないでよ!」
「いいじゃないですか、オマケでダメダメ会長西田フィギュア付きで売り出せば!」
「……西田君のフィギュアで売れないかも……」
「ゴミ箱に西田さんのフィギュアがいっぱい有りそうですね!」
「ちょっと、酷くないですか?」
『あっはっはっはっは!』
会長室から、大きな笑い声が漏れて来た。
どうやら、ミッキーは佐伯と甲斐をライバルと認定した様だ。この先、大きな動きが有りそうである。
この先に、まだまだ死闘が待っていそうです……




