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心魂拳~共鳴する拳~  作者: 澤田慶次
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いざ、試合……

さぁ、試合当日です。

佐伯と甲斐は、ラリオスと一緒に会場入りする。地元の大きい会場が今回の試合場所であり、世界戦がメインとの事で観客も前座の時からかなりの人数が居る。

会場入り口でミゲールが待っており、4人は控え室に行く。

2人共に青コーナーであり、佐伯が3試合目、甲斐が6試合目である。

控え室で着替え、2人はアップを開始する。


試合は始まり、オープニングの試合から決着はKOである。世界戦の前の試合の為、選手は全員が気合いが入っている。2試合目も2ラウンドKOで決着し、佐伯の出番となる。

控え室にラリオスとミゲールが来る。

「佐伯、準備はいいか?」

「はい!」

「甲斐、しっかりアップしとけよ!」

「はい!」

「佐伯に甲斐、ラリオスがメインで俺がサポートだ!…しっかり勝つぞ!」

「「はい!」」

時間になり、佐伯が入場する。


佐伯は青コーナーから姿を表すと花道を一気に走り、そのままトップロープを飛び越えてリングインする。

続いて、赤コーナーよりハロルドが入場して来る。佐伯とは対象的に、ゆっくりと歩いてリングインする。

レフェリーからの紹介の後、リンク中央で注意事項を受け、各コーナーに別れる。

「カーン」

ゴングが鳴る。


1ラウンド……

佐伯は左ジャブを放ち、左に回って行くがスピードが尋常じゃない。物凄いスピードで動いている。

ハロルドはしっかりとガードを上げているが、佐伯のスピードに面食らっており、佐伯に付いて行けない。

佐伯は相手が付いて来れていない事を確認すると、容赦なく左のブローを放っていく。

ハロルドはガードを固めながら時折パンチを返していくが、佐伯に触れる事は出来ない。

佐伯はハロルドのパンチのスピードを確認すると間合いを近くし、より攻撃的な位置でパンチを放っていく。佐伯はここまで、左のブローしか出していない。

しかし、ハロルドはそれでも佐伯に付いていけない。

佐伯は前後左右に目まぐるしく動き、左ブローを次々に打ち込んでいく。だんだん佐伯の左の威力が増してきている。

1ラウンド2分過ぎ、ハロルドは佐伯の左ブローを喰らいながら強引に前に出て来た。前に出て来て、今までの鬱憤を晴らすかの様に、渾身の右ストレートを放つが、佐伯の狙いはこれである。

力んだハロルドのパンチは少し大振りになり、佐伯はその右に自分の右ストレートをコンパクトに被せて打ち抜いた。佐伯のパンチは正確にハロルドの顎を打ち抜き、ハロルドは少し遅れて前のめりに倒れる。

レフェリーはハロルドを確認するが、カウントを数える事なく、両手を何度も交差させて試合を止めた。

1ラウンド2分14秒、佐伯のKO勝利である。

佐伯は勝ち名乗りを受けると客席に一礼し、花道を戻って行った。


続いて甲斐の試合である。佐伯は観客席に行っている。

甲斐は青コーナーより現れると、軽くパンチを出しながら入場する。ゆっくりとリンクインすると、何度かリングを踏む様な動きを見せ、リングを確認にてから観客席に一礼する。

赤コーナーよりロベルトが入場する。ロベルトはゆっくりと歩きながらリングインする。リングに上がると右手を高々と上げた。

選手紹介の後、2人はリング中央に行きレフェリーから注意事項を受け、各コーナーに別れる。

「カーン」

ゴングが鳴った。


1ラウンド……

2人は左手を軽く合わせて試合が始まった。お互いにオーソドックスの構えである。

ロベルトが左ジャブから左に回ると、甲斐は右足を前に踏み出しながら右ボディを打ち込む。

ロベルトは甲斐のサウスポーの情報がなく、すぐに右に動くが甲斐はすぐに左足を前に踏み出し、左ボディを打ち込む。

ロベルトはここでパニックになる。甲斐がスイッチをしてくるとは思ってもいないのである。

パニックになったロベルトを甲斐はどんどん攻めていく。低い姿勢でロベルトの反撃をかわしながら、左右のボディを叩き込んでいく。 

ロベルトが左にかわそうとすれば甲斐はサウスポーで追い掛け、右に逃げればオーソドックスで追い掛ける。更に、その位置のままならば、ファイター型に近い甲斐はお構い無しに前に出て来る。ロベルトにとって、八方塞がりである。

ロベルトは状況が把握出来ないまま、甲斐のボディブローを何発も貰いダメージを負っている。その事は自分が1番良く分かっている。

甲斐は構わずに前に出て来るが、その甲斐に合わせてロベルトは左アッパーを合わせて来た。

甲斐はこれを待っていた。ロベルトの左アッパーを避けながら、自分の左フックを被せる。この時の甲斐はサウスポーのスタンスである為、利き手のフックとなる。これが見事にロベルトの顎を貫き、ロベルトはキャンバスの上で大の字になる。

レフェリーはロベルトを確認するが、両手を何度も交差させて試合を止める。

1ラウンド2分14秒、甲斐のKO勝利である。

甲斐は勝ち名乗りを受け、客席に一礼すると花道を戻って行った。


佐伯と甲斐は通路でラリオスとミゲールに話をされる。

「まあまあだな……まだまだだ!」

「インパクトはあったけど、ラリオスのデビューの時程の衝撃は無いね……まだまだ弱いという事だね!」

「「はい!」」

「強くなる為に来たんです!」

「これからです!」

「よし、休暇は無しだ……明日からもしっかり練習だ!」

「「はい!」」

「今日は、ここからランニングだね!」

「「はい!」」

2人は頭を下げ、会場を後にした。

「参ったな……苦戦する予定だったんだが……」

「全く相手にならなかったですね……物凄いインパクトだった……」

「本来ならば休暇になるが……」

「ノーダメージですからね……しっかりと練習して貰いましょう!」

「そうだな!」

どうやら、2人は予想以上の結果を出したらしい。


会場の外……

「よし、アパートまで勝負だな!」

「そうだな!…KOタイムが同じだからな!」

「今日も奢って貰うか!」

「俺がな!」

2人はアイコンタクトをし、アパートまでのランニングをスタートしたが、ここはロサンゼルスである。勝手知ったる道ではない。

2人は走りながら道に迷う。結局、色々な人に道を聞きながらアパートになんとか着いた。

「……道を覚えてから、勝負しような……」

「そうだな……試合より疲れた……」

何だかんだと2時間以上かけてアパートに着いた2人は、そんな反省をしていた。

なかなかいい試合をした2人……

これからが楽しみです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] アメリカでのデビュー戦、2人ともしっかり実績を残しましたね。 とはいえ、まだまだ始まったばかり、更に強くならないとですね!
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