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心魂拳~共鳴する拳~  作者: 澤田慶次
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喜多と手塚、猛反省……

思う所の有る2人……

練習が終わり、佐伯と甲斐は一旦自分の部屋に戻る。池本は喜多と手塚を呼び止め、リングの中で正座させていた。池本と徳井は、正座している2人の前で腕を組んで立っている。

「……何をやってるんだ?」

「2人が課題出されてどうすんのさ?」

「しかしですね……あの2人は確かに強く……」

「なかなか何とか出来る物じゃない……」

「……これだよ……ここまで来ると、怒りを通り越すな……」

「何の為のトレーナーなんだか……」

「そう言われても、確かに強いんですよ!」

「甘く見てる訳じゃないのに……」

「……お前等は、この合宿はあの2人と一緒に鍛え直しだな!」

「それがいいですね!」

「「ちょ、ちょっと!」」

「文句が有るなら、今すぐ坊主だ!」

「それはそれで、楽しいですね?」

「……分かりました……」

「頑張ります……」

この後、夕食を摂ってから喜多と手塚はロードワークに出掛けた。その2人の後を追う様に、佐伯と甲斐もロードワークに出て行く。初日から、楽しい合宿である。


4人がロードワークに出たタイミングで、徳井と池本は練習場に来た。

「さて、徳井……」

「分かってますよ。明日からは、佐伯と甲斐の相手ですね?」

「そうだな……喜多と手塚の相手は、俺がやるか……その前に、お前が鈍ってねぇか試してやるよ!」

「こっちの台詞ですよ!」

池本と徳井はヘッドギアとグローブを着けてリングに上がる。グローブはマジックテープ式の16オンスである。

ゴングの電源を入れ、2人は軽く身体を動かす。

「カーン」

ゴングが鳴った。


池本と徳井のスパーリング…………

池本は頭を振り、左ジャブを放ちながら前に出て行く。その動きの滑らかさとスピードから、同じ事を毎日何万回と繰り返して来た事が伺える。流石に池本である。

一方の徳井だが、ヒットマンスタイルで構え、左腕を左右に振りながらフェイントを混ぜてフリッカーを出して行く。そのフリッカースピードと切れが尋常ではない。こちらも、流石徳井である。

池本はこの徳井のフリッカーを頭を振って避けて行く。徳井のスピードの有るフリッカーを、意図も簡単にかわしながら池本は距離を詰めて行く。これを嫌がった徳井がフリッカーを連発した時、池本は一気に徳井の懐に飛び込む。

徳井は右アッパーを狙うが、池本は徳井にパンチを出される前に右手で徳井の右手を払って左ボディを打ち込んだ。徳井はこの時、身体を柔らかく使い池本のパンチの衝撃を逃がした。そのまま徳井は、左フックを池本に放つが、池本は沈み込む様にそのパンチを避けると右フックを返した。徳井は左フックの勢いを利用し、そのままその場で回転して池本の右フックをかわす。高度な駆け引きが行われている。

徳井は距離を取ると、すぐにフリッカーを放ちながら左に回っていく。このスピードが先程よりも遥かに速い。徳井はギアを確実に上げて来た。

一方の池本だが、頭の振りが速くなっている。こちらもギアを1つ上げた様だ。池本は頭を振り、左ジャブを出しながら徳井を追い掛けて行く。夜のペンションが立つ何も無いプレハブの簡易リングで、世界レベルの白熱のスパーリングが行われていた。

終了のゴングが鳴り、2人はリングを降りて来た。


グローブとヘッドギアを外す2人、顔は笑顔である。

「なかなかだな、徳井!」

「池本さん、強過ぎですよ!」

「そうか?…足りねぇとしか感じねぇんだが……」

「あれで足りないんですか……大変だ……」

「とりあえず、明日からは大丈夫そうだな?」

「それはそうかもしれませんが……喜多と手塚が心配ですね……」

「??……髪型の心配か?……俺もな、坊主にするかモヒカンにするかで悩んでんだ!」

「そっちじゃないんですけど……でも、面白そうですね?」

「だろ?……遂に、バリカンの出番だ!」

池本と徳井が怪しく笑っている。


池本と徳井が悪巧みをしている頃、ロードワークに出ている4人にも変化が訪れていた。

「ここからは、合宿所まで勝負ですよね?」

「負けたら、洗濯というのはどうですか?」

「自分達で言ったんだからな!」

「後悔すんなよ!」

「しませんよ、なぁ?」

「勿論、どうせ喜多さんか手塚さんがやるんだから!」

「言ったな?」

「クソガキ共が……」

4人はペンションまでの残り約2kmを勝負とした。

それぞれが一気にスピードを上げ、本気で走っている。1日の練習終わりだというのに物凄いスピードで走る4人、やはり普通ではないらしい。

4人がペンションに戻って来る頃、池本と徳井はペンションの外で4人の帰りを待っていた。そこに4人の姿が見えて来た。4人は殆ど差が無いが、それでもゴールした時には順位が付く。本日のビリは手塚である。

「手塚……情けねぇぞ」

「す、す、すいません……はぁ、はぁ」

「で、罰ゲームは何?」

「せ、洗濯です……はぁ、はぁ」

「み、みんなの、せ、洗濯……はぁ、はぁ」

「て、手塚……はぁ、はぁ…ちゃんとやれよ……はぁ、はぁ」

「やってるよ……はぁ、はぁ」

「そうか、洗濯か」

「俺達のもよろしくね!」

「!?」

「よし、入って風呂だ!」

『はい!』

「池本さん達のもやるのかよ~……」

この後手塚は、23時頃まで洗濯が掛かった様である。

ともあれ、この合宿は楽しみになって来た。

世界は甘くない……

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― 新着の感想 ―
[良い点] 喜多手塚さん達トレーナー陣も鍛え直しの合宿ですね! 次回は徳井さんからのスパーは大変そうです(笑)
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