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心魂拳~共鳴する拳~  作者: 澤田慶次
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手塚の考え……

さてさて、手塚は穏やかではない様子……

西田拳闘会に手塚が姿を表した。

「お願いします」

「やぁ…………どうしたの、その頭?」

「気合いを入れようと思って……」

「……金髪坊主でその顔……何か犯罪でもやった?」

「ちょっと篠原さん!」

「あれ?……その悪そうな奴は手塚か?」

「西田さんもうるせぇですよ!」

「お疲れ様で~す……何だ、その頭……受け狙いか?」

「徳井こそ何だ?」

「俺は池本さんと話して来たんだよ……暫くは、ここと向こうのフォローかな?」

「??……どういう事だ?」

「池本さんからなんだけど、どうせ喜多と手塚はパートナーを続ける為にトレーナー業が疎かになるだろうからって」

「という事は、徳井君は臨時トレーナーって事?」

「池本さんもですよ!……明日は池本さんがこっちに来ます!」

「助かるなぁ……手塚君、スパーリングパートナーをしっかり頼むね!」

「当たり前ですよ!」

「……俺は見てるだけになりそうだな……」

「何言ってんですか?……練習生を徳井と見て下さいよ!」

「お願いします……手塚さん、どうしたんですか?」

「甲斐もかよ……いいだろ別に、暑くなったから坊主にしたんだ!」

「……リアル指名手配犯ですね……」

「うるせぇ!…着替えてロードに行って来い!……その後はスパーだからな!」

「はい!」

甲斐は着替えると、ロードワークに行った。

「徳井君、練習生を見てよ……手塚君はしっかりアップしといてね!」

「「はい!」」

徳井も手塚も篠原トレーナーに言われた通りに動いていく。手塚は入念にアップし、しっかりと身体を温める。

以外な事だが、徳井は教えるのがかなり上手い。練習生は徳井に教えて貰い、明らかにパンチがスムーズに打てている。

甲斐が戻り、着替えが終わるとスパーリングになる。


甲斐と手塚のスパーリング1ラウンド目…………

甲斐はサウスポーから右ジャブを放ち、前に出て来る。大分戦い方が板に付いて来たらしく、頭の振り方や体重移動等が滑らかである。

手塚は左ジャブを放ちながら距離を取り、甲斐との間に一定の距離を保つ。手塚は前に出て来る甲斐に対し、アウトボクシングで対応している。手塚のアウトボクシングは意外に綺麗であり、基本に忠実な動きを見せている。

甲斐は最初こそ驚き少し躊躇したが、ガードを上げて手塚を追い掛けていく。右ジャブを丁寧に出しながら、手塚の動きに合わせて向かっていく。

手塚は甲斐が前に詰めると、わざと大きいパンチを放ち甲斐の反応を確かめる。更に、返しのパンチは小さく鋭いパンチの為、甲斐はカウンターが取れずにガードするだけになる。ガードした甲斐を確認して、手塚は距離を再び取っていく。頭脳的な戦いである。

何度も同じ様な展開が続き、甲斐が痺れを切らして手塚のパンチを自分の額で受けながら強引に弾きながら距離を詰めて来た所で1ラウンドが終了となった。


2ラウンド目…………

甲斐は変わらず、右ジャブを放ちながら前に詰めて来る。

手塚は左ジャブを放ちながら、こちらも変わらずに距離を取っていく。手塚の表情は冷静であり、何か考えが有る様である。

甲斐は1ラウンド終盤の様に、強引に前に出ようとした。その時、弾けたのは手塚の左ブローではなく、甲斐の頭だった。

甲斐の頭が弾けた瞬間、手塚は一気に間合いを詰めてパンチを打ち込んでいく。速い回転から、物凄い手数のパンチを手塚は放つ。しかも、1発1発に威力が有り、ガードの上からでも効きそうである。

甲斐はすぐに反応し、しっかりとガードを上げるが、手塚が止まらないと確信すると打ち合いに出た。甲斐がガードを開きパンチを放った瞬間、手塚は距離を取り左ブローを外から放つ。

甲斐は空振りし手塚のパンチを貰うが、そのまま手塚に向かって強引に前に出ていく。

瞬間、甲斐の頭が縦に揺れた。手塚の左アッパーが甲斐を捉えたのだ。甲斐は一瞬動きが止まり、手塚は一気に間合いを詰める。甲斐はすぐに臨戦態勢を作り手塚の攻撃に応戦する。

2人が接近戦で激しく打ち合っていると2ラウンド終了となった。


甲斐と手塚がリングを降りて来る。

「……あれだけみんなが力を貸して、結局この程度か?」

「……………………………………」

「……試合に勝つ気は有るのかねぇ……」

「絶対に勝ちます!」

「口だけは相変わらずだな……サンドバッグ打って出直しだな」

「はい!」

甲斐は悔しげな表情でサンドバッグを叩き始める。

この後、甲斐は篠原トレーナーの持つミットを10ラウンドやった。本来なら8ラウンドの予定だったが、相当スパーリングが悔しかったのだろう。篠原トレーナーに申し出て、2ラウンド追加となった。

ミット打ちが終わると、甲斐はいつも通りの練習をこなしてジムを後にした。

「手塚、スパーリングの用意だな」

「???」

「俺がお前に協力するよ」

「……有難い!……もしかして、喜多は池本さんとスパーしてんのか?」

「……多分、池本さんはスパーはしないよ……多分だけどね」

「そうか……しかし、助かるぜ徳井!」

手塚は徳井と3ラウンドのスパーリングを行った。どうやら手塚も、現役時代よりも強くなって甲斐のスパーリングパートナーとしての責任を果たそうと考えている様だ。


佐伯も甲斐も、自分のスパーリングパートナーで有る喜多と手塚が現役時代より強くなろうとしてるとは思ってもいない。普通なら、そんな考えにはならない。

しかし、喜多と手塚が覚悟をするくらいにエリック·ロペスは強いのである。喜多も手塚も、池本から映像を見せて貰っている為に良く分かっている。

そして、佐伯と甲斐が世界への重要な1歩を踏み出す時、世界は改めてエリック·ロペスの強さを目の当たりにする。

試合に向け、サポート態勢も充分……

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― 新着の感想 ―
[良い点] 手塚さんがまさかの金髪坊主とは、気合い充分ですね! あとは、佐伯と甲斐には強くなってもらうしかないですね!
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