表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心魂拳~共鳴する拳~  作者: 澤田慶次
51/159

佐伯と甲斐の休暇……

2人は休暇……

佐伯と甲斐は1週間の休暇となった。チームM&Jからは[何もしない様に]との事なので、朝のロードワークも休みにし2人はお互いに家で過ごす事にしたらしい。


佐伯は久しぶりに朝ゆっくりと起きる。

「珍しくゆっくりね?」

「命令だからね……」

「……大分、動き方がギクシャクしてるわよ?」

「大分しごかれたからね」

「……次の試合はどうなの?」

「……それは当日だね……俺は勝って、次に進むつもりだけどね!」

佐伯が朝飯を食べながら話をしていると、

「すいませ~ん」

「はい……あら、好美ちゃん!」

「昴は……」

「朝からどうしたの?」

「池本さんと徳井さんから、昴が身体を動かさない様にって!」

「……俺のお守りって訳か?」

「そう!」

「あらあら、羨ましい事……」

佐伯の母親は、怪しい笑顔を佐伯に向ける。

「うるせぇな……好美、DVDでも借りて来て、一緒に見ようぜ!」

「うん!」

佐伯と好美は、近くのレンタルショップに向かう事にした。

レンタルショップで5枚のDVDを借りて来た佐伯、自分の部屋で好美とそれを見出した。借りて来たDVDは、アクションが2枚·感動のヒューマンドラマが2枚·ホラーが1枚であった。

佐伯はアクションを再生したが、始まって30分もしないうちに眠ってしまった。好美は佐伯が眠ったのを確認し、佐伯の母親に挨拶して帰って行った。今の佐伯には、休息が必要という事を良く分かっている。好美は1人で、買い物をしながら家に帰った。


甲斐も久しぶりのゆっくりな朝である。

美里はすでに仕事に出ており、甲斐は美里の作った朝飯を温め直して食べていた。

「拳人、イル?」

「……朝早いね……」

「池本ト徳井ニ頼マレタカラネ!」

「俺のお守り役ね……」

「ソウ言ウ事!」

甲斐が食べ終わると、エリーは甲斐の手を引っ張って本屋に向かった。

本屋でボクシング雑誌を買った甲斐、そのままDVDも借りに行く。エリーとDVDを5枚借り、家に帰ってエリーと一緒に見ていたが、こちらも佐伯と同様に始まって30分程で眠ってしまった。

エリーは甲斐に毛布を掛け、静かに甲斐の家を出た。


夕方になり、佐伯も甲斐も電話で起こされる。佐伯は喜多から、甲斐は手塚からの電話である。

「「風呂上がりにストレッチと柔軟はやる様に!」」

だそうだ。

2人は言われるまま、入浴後のストレスと柔軟だけはやった。

翌日以降は、エリーも好美も色々とやる事が有る為、2人の所に顔を出す事はなかった。2人は各々、ゆっくりと自分の部屋で過ごしていた。


休暇4日目、借りて来たDVDを見てしまった佐伯と甲斐は、どちらからというでもなく連絡を取り合った。その結果、2人は昼をファミレスで一緒に取る事にし、借りているDVDを交換する事になった。

待ち合わせをし、2人でファミレスに入っていく。

「いらっしゃいませ!」

席に案内され、注文を終えた2人は自然とボクシングの話になる。

「拳人、左フックってなかなか当たらねぇよな?」

「そうだね…頭を振って沈む様に前に詰めれば、なかなか当たらないかな?」

「アウトでやってても、左フックはなかなか貰う気がしないんだけどな……」

「どうしたんだ?…何か有るのか?」

「池本さんだよ……あの人の試合を見直すとさ、左フックを確実に当ててんだ……」

「……確かに、あの人の左フックは当たるイメージだね……」

「俺達が分からない何かが有るのかな?」

「……聞いてみるか?」

「教えてくれるか?」

「……確かに……」

「……徳井さんとラリオスは、スパーリングの相手してくれたけど……」

「池本さんは、やってくれなかったな……」

「何でだろうな?」

「俺達が、まだまだ足りないって事なんじゃないか?」

2人が話しているうちに、注文の品が届く。2人はそれを食べ始めるが、

「「「すいませ~ん」」」

「「はい?」」

「佐伯さんと甲斐さんですよね?」

「2人のこの間の試合見ました!」

「私達、ファンになっちゃいました!」

「そうなの?」

「それは、ありがとう!」

「一緒に食事してもいいですか?」

「話、色々聞きたいし!」

「出来たら……写真も!」

「別に構わないよな?」

「いいんじゃないかな?」

佐伯と甲斐は、ファンだという女の子3人と一緒に昼を取る事になった。この食事はなかなか楽しい物となり、2人のリフレッシュにもなった。

しかし、2人はこの事で先程話していた事を忘れてしまっていた。意外に重要な事を話していた筈ではある。


時を同じくして、池本と徳井は昼食をラーメン屋で食べていた。本日は佐伯も甲斐も休暇中の為、西田拳闘会にて練習の予定らしい。

「池本さん、スパーリングをしないなんて珍しいですね?」

「そうか?……あんまり、熱苦しくしたくねぇからな……」

「しかし……佐伯と甲斐の成長、肌で感じたかったんじゃないですか?」

「…………確かにそれは有るんだが……」

「どうしたんですか?」

「……徳井、俺がスパーリングをしたとする……」

「はい……」

「どっちが参考になると思う?」

「どっち……佐伯も甲斐も、参考になるんじゃないですか?」

「……質問を変える……」

「はい……」

「俺とのスパーリングを見て、どっちに収穫が有ると思う?」

「スパーリングを見ての収穫……そうなると……甲斐の方が収穫が有りますね……」

「何でだ?」

「佐伯は、高速カウンターが有るけど……池本さんなら、それをスパーリングで攻略しそうですもんね!」

「……それだよ……」

「は?」

「2人は胸を付き合わせて、対等の立場で決着を付けなければいけない……俺は、2人が強くなる為に協力はするが……どっちかに肩入れする訳にはいかない……お互いの攻略方なんて、本人達に任せるしかない……」

「……難しいですね……でも、池本さんの気持ちは分かるつもりです……あの2人に、頑張って貰いましょう!」

「そうだな」

池本と徳井はラーメン屋から出ると、少し早めに西田拳闘会に向かった。池本の考えは、佐伯と甲斐が思っている以上に深い。

そんな池本の考えを知ってか知らずか、佐伯と甲斐は交換したDVDを見ながら、残りの休暇を過ごして行った。

予定の休暇を取り、2人共に身体の疲れはすっかり抜けた様である。

疲れが抜けて、改めて試合に向けて……かな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] さすが池本さん、考えが深いですね! さて、2人はここから試合にむけてそれぞれどんな成長をするか。 楽しみですね!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ