試合が終わって……
さてさて、試合が終わりました……
徳井の試合が終わり、みんなで帰路に着いた。徳井が最後に川上会長と石谷トレーナー·喜多と出て来た。川上会長·石谷トレーナー·篠原トレーナーは3人でどこかに行ってしまった。
池本は喜多·手塚と話をした後、
「西田、お前は少し成長しろ!」
と言い残し、徳井とどこかに消えてしまった。
佐伯と甲斐は、西田会長·喜多·手塚と歩いていたが、途中で別れた。
佐伯は喜多と帰り、甲斐は西田会長と手塚と帰った。
佐伯と喜多は、途中でファミレスに寄る。
「好きな物頼め」
「ありがとうございます」
どうやら、喜多の驕りの様である。
運ばれて来た物を食べながら、2人は話をする。
「大分、完勝だったんじゃねぇか?」
「……相手があれですからね」
「そうか?……もう少し苦戦すると思ってたんだけどな……」
「辞めて下さいよ……苦戦する訳にはいかないですよ……」
「そうか……で、甲斐の試合を見て……素直にどうなんだ?」
「……強いの一言ですね……KOタイムも俺より上ですし、パンチ力は半端無い……なかなか倒しがいが有りますね!」
「……珍しく褒めてるな……」
「褒めるしか無いでしょう……見事な試合でしたからね……本人には、絶対に言わないですけどね……そして、必ずぶっ倒す!」
「……いい傾向だ……その気持ちを忘れるなよ!」
「当たり前ですよ!」
佐伯にとって、本日の甲斐の試合はかなりの刺激になった様だ。
一方の甲斐達だが、少し歩いた所のラーメン屋に寄る。
「西田さん、奢って下さいよ?」
「また?」
「会長なんだから、そのくらいいいでしょ?」
手塚が強引に西田会長に奢らせた。
「甲斐、快勝だな?」
「西田さん!」
「少しくらい褒めてもいいだろ?」
「……まだまだです……まだまだ甘い所がいっぱい有りました……」
「1ラウンドでKOだぞ?……完勝だろ?」
「西田さんは、もう少し厳しさを持って下さい……甲斐、どう感じたんだ?」
「対戦相手に恵まれただけです……あれじゃまだ足りない……」
「……佐伯を見ての反省か?」
「そうですね……あいつは試合を決して焦らないけど、チャンスが有ればものにする……たまたま1ラウンドにチャンスが来ただけで、長いラウンドになっても、あいつはしっかりと決める……」
「珍しく褒めてるな……KOタイムはお前のが速いんだぞ?」
「たまたまです……俺は強引に決めたけど、あいつは狙って決めた……なかなか楽しみな相手でしょ?」
「それで、佐伯と対戦したらどうするんだ?」
「勿論、俺が倒して勝ちますよ!」
「よし、それでいい!」
「確かに、それでいいな!」
「西田さん、いい所だけ入らないで下さいよ!」
「いいだろ?……俺も仲間に入れろよ!」
甲斐は甲斐で、佐伯の試合に刺激を受けている様だ。
川上会長と石谷トレーナー·篠原トレーナーは、一緒に居酒屋で酒を飲みながら話をしている。
「篠原、甲斐は快勝だったな?」
「本人は納得して無いでしょうけどね」
「佐伯も納得はして無いだろうな……」
「石谷から見て、甲斐はどうなんだ?」
「強くなりましたね……ガオチャイ、本来ならガゼルパンチを出したかったんじゃないですかね?」
「石谷さんにも分かります?」
「勿論です。しかし……出させずに逆に決めた……なかなかやりますね……今の所、順調ですね」
「篠原から見て、佐伯はどうなんだ?」
「いや~、強くなりました……スピードを生かしてカウンターをとっていく相手に、スピードで捩じ伏せるんですから……最後のカウンターで、相手はレベルの違いを感じたでしょうね……やりたい事を全部やられたんですから!」
「篠原さんもそう思いますか……確かに、相手の狙いを真っ向から越えていきました……成長を感じますね……」
「あの右のカウンターは反則でしょう……かなり凄いフィニッシュでした!」
「池本が、[高速カウンター]なんて言ってましたよ……」
「……ピッタリな名前ですね!……佐伯君も、順調に成長してますね」
「詰まる所、2人共に順調という所か……楽しみが増えて来るな!……来年のうちに世界戦が出来る事が望ましいな!」
「そうですね……なるべく近い時期にやりたいですね」
「佐伯君も甲斐君も、更なるステップを踏んで欲しいですね!」
3人の話は、なかなか盛り上がっていた。
その頃、怪しい雰囲気の2人が美里の所に居た。
「ちょっと、聞いて下さいよ美里さん!」
「どうしたの?……好美ちゃん?」
「昴ったら、私を置いてトレーナーと帰っちゃったんですよ!」
「拳人モ帰ッタヨ……」
「……2人には、お仕置きが必要ね……純也君はどうしてたの?」
「徳井さんと帰ってました」
「池本ガ居ナクナッタ後デス」
「成る程……こうなったら、徹底的にやりましょう。明日から、2人共に休暇だから、仕返しするわよ!」
「どうやって?」
「私モ知リタイ……」
「任せなさい!…いい?」
何やら内緒話を始めた美里。
「それ、いいですね!」
「ダケド……池本ガ協力シテクレルカナ?」
「そこは大丈夫よ!……裕子ちゃんに頼むから!…………純也君が手伝ってくれるなら、徳井君も協力してくれるわね……絶対に反省させるわよ!」
「はい、お願いします!」
「私モ頑張リマス」
「違うわよ!…[オー!]よ、いい?……絶対に反省させるわよ!」
「「オー!」」
何やら怪しい同盟が組まれていた。
この後、美里は池本の彼女である裕子に連絡を入れ、強引に池本の協力を約束させた。更に、美里の読み通り池本は徳井を巻き込む事にし、佐伯と甲斐への報復大作戦は静かに進んでいった。
何やら怪しい雰囲気……




