アカデミーに編入……
ラリオス·トータルファイトアカデミーに行く2人、何が待ってる?
佐伯と甲斐は、ラリオスが経営しているアカデミーに向かう。本日よりアカデミーで学ぶ事になっている。佐伯と甲斐は、ラリオス·トータルファイトアカデミーに着くとラリオスの元に向かった。
「今日からだな!」
「「はい、お願いします!」」
「よし、付いて来い!」
「「はい!」」
ラリオスの後を2人は付いて行く。
2人は、ボクシング·プロコースへの転入となり、本日より授業を開始する。基本は、ボクシングの理論とセコンド·トレーナー業の勉強と実際にアカデミーを使って練習をしていく。
本日は午後より、選択格闘技の時間である。これは、ラリオスが他の格闘技を学ぶ事で生徒達の視野を広げ様と考えた為である。
佐伯と甲斐は、転入の紹介をされ授業に着いた。
日本から来たという事もあり、休み時間になると2人は周りから質問責めにされる。
「2人は何でここに?」
「世界チャンピオンになる為!」
「そう、佐伯をボコボコにして世界チャンピオンになる為!」
「おい!…ボコボコにされるのはお前だよ!」
「絶対お前だ!」
こんな感じで、質問に対し2人は喧嘩腰で話す為に周りは苦笑いをするしかない様である。
午後になり、どの授業を受けるか2人は見て回った。
キック·総合格闘技·柔道·レスリング·カポエラ·合気道·ブラジリアン柔術·中国拳法がある。
2人は見て回りながらどの授業にするか決める訳だが、
「ボクシング以外は息抜きだからな!」
と佐伯は3つ目に見学したカポエラを受ける事を決め、早々に授業に参加した。
一方の甲斐だが、こちらは色々と教室を見て回っている。様々な格闘技が入っているこのアカデミー、広さも凄い為に見て回るのも大変である。甲斐はなるべく多くを見てから決めようと考えていた。
中国拳法や柔術まで見て回り、最後に合気道を見学した。
合気道の講師を務めているのは日本人であり、渋崎重明と書かれている。甲斐は中に入ってみた。
中は活気があり、なかなか楽しそうであるが強くなる為のヒントが無い、甲斐にはそう見えていた。
「君が日本からの留学生の1人かな?」
「はい、甲斐といいます」
「合気道はどうかな?」
「楽しそうではありますね……」
「楽しそうではあるが、強さを求めるには違う……そんな所かな?」
甲斐は図星を突かれ、頭を掻きながら答える。
「ははは、そんな感じです……」
「合気道はね、あくまで護身術なんだ……だから、必要以上に強くなる事はないんだ……まぁ、その必要度合いにもよるけどね!」
「そうですか……しかし、俺はボクサーですからね…身を守る事は何とか出来ますね……」
「ボクサーですか……ちょっとだけ、合気道を教えましょう。大怪我はしないでしょうからね……こちらに来て下さい」
「俺は……この授業を受けようとは……」
「それは分かっています。それより、合気道の誤解を解かないといけないですからね……さぁ、私と立ち会いましょうか?」
「??……俺はプロボクサーですよ?」
「はっはっは、ラリオス校長をKOした男ならともかく、あなた程度なら大丈夫ですよ!」
「……俺を嘗めてますか?」
「そのままお返しします。合気道をしっかりと覚えて貰いますよ……体でね……」
「……仕掛けて来たのはそっちですからね……知りませんよ!」
2人の立ち会いが始まる。
渋崎は右足を前に出し、両手を前にし、右手を少し左手より上に構える。ボクシングでいえはサウスポーであるが、構えはボクシングとは全然違う。甲斐は両拳を上げ、ファイティングポーズを取る。
「さぁ、始めて下さい!」
「はっはっは、甘い方ですね……実践では、開始の合図なんて無いですよ」
この言葉で甲斐が突っ掛ける。とはいえ、プロボクサーが素手で殴るのは気が引ける為、頭を振って間合いを詰め、渋崎を掴んで倒そうと考えた。甲斐が渋崎を掴んだ瞬間、甲斐には天井が見えていた。
「どうしました?……そんな所で寝てると、風邪引きますよ?」
甲斐はすぐに立ち上がり、今度は頭を振りながら左ジャブを出した。
しかし、その次の瞬間には、甲斐は再び天井を見る事になった。甲斐は何度も立ち上がり、渋崎に向かって行くが結果は変わらない。それでも立ち上がる甲斐、
「ここまでにしましょうか?」
「俺はまだまだ平気ですよ!」
「……タフですねぇ……こちらが参ってしまいますよ……」
「ならば、俺の勝ちだ!」
「どうぞどうぞ……合気道は勝ち負けは優先事項じゃない、己の身を守る事が第1……私は無傷で済んだので、これで充分です」
「…………………………」
「さて、君は何故に強くなりたいんですか?」
「ボクシングで世界チャンピオンになりたい……俺の目指す男に少しでも近付きたい……」
「……ラリオス校長をKOした人ですね……今の君では難しい……彼の試合は2度程見ましたが、今のままては到底無理ですね」
「そんな事……」
「やらなくても分かりますよ……現に私程度にそのざまですからね」
「…………………………」
「あなたには、何故に私に攻撃が通じなかったか分からないでしょう?」
甲斐は視線を下に逸らした。
「確か……池本さんでしたかな?……彼なら理解出来る筈です……彼だから、ホプキンスをKO出来たんでしょうね」
「俺が投げられた事と池本さんが勝利出来た事は、何か関係あるんですか?」
「関係があるかどうかは分かりませんが、あの時の分析は、あなたより遥かに出来ているつもりですよ」
「…………俺はもっと強くなれますかね?」
「考え方次第ですね……ただ、視野を広げる必要はありそうですね」
この出会いをきっかけに、甲斐は合気道の授業を選択する事になる。
この選択は、甲斐にとって重要な意味を持つ事になる。
何やら面白そう……




