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心魂拳~共鳴する拳~  作者: 澤田慶次
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2人の精進……

さぁ、世界チャンピオンに向かって邁進するのみ……

アメリカから帰って来ても、佐伯と甲斐の練習は変わらない。場所がアメリカから日本に変わっただけである。

徳井とスパーリングをやった翌日、佐伯と甲斐がジムに行くとラリオスはすでに着替えており、池本と何やら話をしていた。

今のジムのメインは手塚の世界戦であり、佐伯と甲斐は自分の練習をしていく。どうやら、ラリオスが2人を見る様だ。

ちなみにだが、本日ジョシュは観光をしている。ゆっくりと東京見物をしているらしい。


ジムの雰囲気は、かなり張り詰めている。世界戦が近い事の集中力の凄さと減量中という事が重なって、手塚の周りの空気だけ他とは違って感じる。

このきつい時期に、手塚のスパーリングパートナーを務めるのは、池本·徳井·喜多と元世界チャンピオンと現役世界チャンピオンである。

しかも、池本と喜多は引退したのに、現役と変わらない練習をしている為に実力は現役の頃と変わらない。寧ろ、今のが強いくらいである。

そんな3人を1人で相手にする手塚、減量もあり大変な筈では有るが、何故か顔はやる気に満ちており気持ちが折れる事はなかった。

そんな4人を見ていた佐伯と甲斐、内心羨ましく思っているのだろう。

3月20日の手塚の世界戦が終わるまで、2人は一旦ラリオスに付きながら自分達の練習をしていった。


手塚の世界戦は、見事にKOで勝利となった。

佐伯と甲斐は、必ず手塚に続く事を胸に秘め、練習に没頭する。

そんな2人を見ていたラリオスは、ある日、早い時間にジムに顔を出す。ジムには池本しか居ないが、ラリオスには逆に好都合である。ラリオスは池本と話をした。どうやら、これから先の事を話した様だ。

一応は2人で納得らしいが、ラリオスはもう1つ、池本と話をしていた。エリーの事である。近々、日本に来るらしい。

ラリオスは自分の子供では無いが、意外にエリーに甘い為に甲斐の母親との間に池本に入って貰える様に話をした。

池本は渋りながら、本当にしょうがないといった形で引き受ける事にした。


ラリオスがジムから帰った後、会長を始め手塚以外の全員がジムに来た。手塚はダメージ休暇中であり、もう少し休む予定である。

徳井・佐伯・甲斐が着替えて来ると、池本と喜多は3人に声を掛け、ロードワークに出掛ける。池本・喜多は一緒に走る気満々である。

「さて、しっかり走るぞ!」

「佐伯・甲斐、手塚が休みだから、君等が付いて来なよ!」

「途中でへこたれるなよ!」

「何言ってんですか?俺は遅れませんよ!」

「佐伯より俺のが上!俺は最後まで付いて行きますよ!」

「「俺達のが速かったりして!」」

「お?言ったな?」

「言うだけはタダだからな!」

「!?……徳井・喜多、お前等も遅れるなよ……今回は8割くらいで走るからな!」

「え?……池本さん?」

「それって?」

「何が言いたいんですか?」

「まさか……」

「話はここまで、行くぞ!」

『待って下さいよ!』

慌ただしく5人はロードワークに出て行った。


5人は池本を先頭に走っていく。

「どうした?元気ねぇな?」

「どうって事ないですよ!」

「俺や徳井はいいけど、2人は厳しいんじゃ?」

「だ、だ、大丈夫です……な、拳人!」

「ま、まだまだ行けます……ら、楽勝ですよ!」

「それは良かった……体も温まって来たから、そろそろペース上げるぞ!」

『!?』

池本は言い終わると、走るペースを上げて先に行ってしまった。

「マジかよ〜!」

「相変わらず化け物だな!」

徳井と喜多はペースを上げて続いていく。

「あ、あの人達、ど、ど、どうなってんだ?」

「は、半端ねぇな!」

佐伯と甲斐も必死にペースを上げて付いていく。

「お?…4人共やるな〜……特別に更にペース上げてやる!」

『!?』

「ビリはジュース奢りな!」

池本はそう言って、更にペースを上げて走り出した。

『マジか〜!』

4人は必死に池本に付いて行く。

5人がジムに帰って来た時には、池本以外はかなり絞られた様子であった。

ロードワークが終わり、いつものジムワークへと移り、池本・喜多も現役選手と一緒に練習をしていく。相変わらず熱気の籠ったジムになっていた。

佐伯と甲斐も例に漏れず、この熱気の中に入っていく。自分達がまだまだである事を痛感し、弱音を吐いていられないらしい。

いい傾向である。


ちなみにだが、ロードワークのビリは佐伯である。ジュースを奢らされたのは、言うまでも無い。

「俺、この2Lのやつな!」

「俺はこっちの2L!」

「俺はこの1Lのでいいよ!」

「ちょっと喜多さん!それ2Lより高いですよ!」

「昴、俺はこれな!」

「ふざけんなよ拳人!…それ、ジェラードたろ?高えよ!」

『負けたお前が悪い!』

「うはぁ!」

佐伯の心の叫びが聞こえた。


その頃のラリオスだが、エリーからいつ頃に日本に来るかの連絡を貰ったらしい。

「なぁ、ジョシュ……」

「なんだい?」

「エリーが日本に来たら……」

「!?……池本に怒られそうだよね……」

「……やっぱりそう思うか?」

「そりゃあね……」

「……来るらしい……」

「!?」

「早めに池本に話しておかないと……」

「……ご愁傷様……」

「お前も付き合え!」

「嫌だよ!」

「一緒に怒られよう……な!」

「嫌だって!」

「そう言うなよ~……」

「池本、怒ると怖そうだもん……」

「そこを……な?」

「嫌だってば……」

「うるさい、お前も付き合え…強制だ!」

「酷いよデイビッド……」

どうやら、問題の種は増えているらしい。

しかし、今1番の不幸は、間違い無くジョシュであろう。

まだまだこれから……

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― 新着の感想 ―
[良い点] 2人はまだまだですね! エリーの衝撃、ある意味池本さんが困りそう(笑)
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