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心魂拳~共鳴する拳~  作者: 澤田慶次
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練習は佳境に……

試合も決まり、気合いを入れていきましょう。

佐伯と甲斐は、いつもの様にジムに行く。本日よりスパークリングが開始される。

今回のスパークリングはいつもとは違い、練習の最後がスパークリングとなっている。

これはラリオスの考えである。

元々、佐伯も甲斐も対応力がありスパークリングで練る事が難しい。その為、始めからパートナーと差を付けてのスパークリングをする事により、実のあるスパークリングにしようという訳の様だ。

また、2人のパートナーはそれぞれ2人ずつ用意されていた。

佐伯は、オーソドックスのファイター型とサウスポーのファイター型のパートナーを1人ずつ、1ラウンドずつ交換で計6ラウンドを予定しており、甲斐はオーソドックスのアウトボクサーを2人用意され、こちらも1ラウンドずつ交換し6ラウンドのスパークリングである。

2人はミゲールの元、厳しい練習をしていく。

ロードワークは距離が伸び、ミット打ちも10ラウンド行う。更には、サンドバッグ打ちも10ラウンドをミゲールの叱咤激励を受けながら行う為、かなりのハードワークになっている。

練習が終わるとスパークリングの開始になる。待っている方は、シャドーボクシングをしながらスパークリングを見ている。

佐伯も甲斐も、このスパークリングはかなり大変である。

佐伯は1ラウンドずつオーソドックスとサウスポーのパートナーが交換してのスパークリングの為、距離感が分かり掛けると交換され、なかなかコントロールが出来ない。左のリードブローがなかなか当たらず、先手をパートナーに取られていく。

甲斐も難しい。2人のパートナーは、なかなか左ジャブが切れる。その為に、甲斐はなかなか懐に潜り込めないが、慣れて来ると元気なパートナーに交換である為、なかなか自分のリズムで戦う事が出来ない。

そして、2人共に言える事だが、練習終わりで疲労が溜まっている上に自分のリズムでスパークリングを行えていない為に苦しい練習になっている。ラリオスの思惑通りである。

2人はこのスパークリングで、かなりぼろぼろにされている。


練習が終わり、2人は肩で息をしながらジムの片付けをする。珍しく、2人は黙って片付けをしている。その表情は、かなり険しい顔付きである。

片付けが終わると、2人は着替えて戸締まりをし、走ってアパートに帰った。アパートに着くと、2人は黙って自分の部屋に入った。

30分後、ふたり2人は部屋から出て来る。

「何だ?…拳人?」

「昴こそ?」

「……俺はだな……なんとなく練習が物足りないというか……拳人は?」

「俺も……やり足りないというか……」

「まぁ、あれだな……拳人はスパークリングでやられてたからな……」

「昴なんて、ボコボコにされてたじゃないか?」

「俺はあれだ……わざとだわざと!」

「本当か?……かなりやられてたぞ?」

「俺はこれからだ……そういう拳人、お前のがボコボコだったんじゃねぇか?」

「俺はパートナーを壊さない様に、手加減してたんだ!」

「……先に壊れそうだな?」

「舐めるなよ…これからが本当の俺だ!」

「……詰まる所……俺達はまだまだだって事だな……」

「……どうやら、そうらしい……」

「よし、厳しく走りに行くか?」

「おう!…徹底的にやり抜くぞ!」

2人は夜の町を走り出した。


12月もそろそろ終わりに差し掛かろうとする12月28日、2人は今日も練習をしていた。相変わらず、練習の終わりにスパークリングとなっており、更にはジムワークも厳しさが増し、2人は絞られている。

しかし、ここに来て2人に変化が見えて来た。

佐伯は、1ラウンドずつ変わるオーソドックスとサウスポーのパートナーを圧倒し始める。驚くべき事は、サウスポーのパートナーを相手にパンチをかすらせる事なくコーナーに追い詰めて行った事だろう。

サウスポー対策、佐伯はかなり進んでいた。

甲斐の方も順調である。

1ラウンドずつ交換され、元気なパートナーを物ともせずに攻めていく。パートナーの左ジャブを額で受けながらその距離を確認し、間合いを詰めていく。

パートナーはタイミングよく右ストレートを甲斐に放つが、甲斐はこれを緩急の付けた動きでいなしていく。相手の打つタイミングが分かっている様な何とも驚く動きになっており、こちらも大分、対策は進んでいる。

2人の試合が楽しみになって来た。


12月31日、日本では大晦日であるが2人には関係無い。

来るべき試合に備え、本日も2人は練習である。ロードワークからジムワークに移り、ミット打ちやサンドバッグ打ちと厳しい練習を終えると当たり前の様にスパークリングである。

先に話している様に、佐伯も甲斐もスパークリングを苦にせず、パートナーを圧倒している。

練習終了後のスパークリングとあり、パートナー達は2人にやり込められる事を良しとせずに剥きになって向かって来るが、2人はそれを楽しむ様にスパークリングをこなしていく。ここまで来ると、見事としか言い様が無い。

スパークリング終了後、2人は更に筋力トレーニングからボディ踏みを行いシャドーボクシングまでをこなし、

「おい、拳人!…久しぶりにアパートまで勝負だ!」

「いいのか?…俺はまだまだ元気だぞ?」

「俺のが元気だ!…問題ねぇ!」

「言いやがったな……」

との事で、アパートまでを走って帰っている。2人はボクサーとして、しっかりと成長している様だ。

しっかり勝って、日本に戻りましょう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 2人ともかなり実がある成長ぶりですね! あとは勝つだけですね!
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