表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心魂拳~共鳴する拳~  作者: 澤田慶次
25/159

ロサンゼルスでの最後の試合……

さぁ、アメリカでの最後の試合が決まりました。

佐伯と甲斐は、いつも通りにジムで練習している。

ロードワークから戻ると、ラリオスに声を掛けられる。

「2人共、ちょっとこっちに来い!」

2人は会長室に入る。ミゲールかすでに居る。

「2月に試合だ……」

「期間が空きますね?」

「別に、12月でも構いませんよ?」

「まぁ、色々あるからな……佐伯の相手は、ナッシュ·ゴルドー……甲斐の相手は、ジム·バルガス……名前を聞けば分かるな!」

「なかなかビッグネームだね……世界ランカーの2人じゃないか?」

「共に強敵ですね……」

「成る程……準備期間が必要ですね……」

「これにしっかり勝って、日本に帰るぞ!」

「……勝たないと帰れないですね……」

「……負けたら引退だな……」

「卒業試験としては、なかなかいい相手じゃないかな?……君達の約3年の成果が問われる訳だ……楽しみだね?」

「確かに楽しみだな……日本には、池本もトレーナーとして復帰してるしな……」

「「!?」」

「本当ですか?」

「帰って来てるんですか?」

「嘘言っても仕方ないだろう?……お前達がしっかり勝って、俺も池本に会いに行くかな……」

「ラリオス、行くのはいいけど……向こうに住み着かないでくれよ!」

「何言ってんだ、ミゲール?」

「ど~もさ……ラリオスが池本の話をしてると、恋人の話しをしてるみたいに聞こえるからさ……」

「……そっちの趣味があったのか……」

「……帰ったら、池本さんに報告だな……」

「おい、何言ってんだ?……そんな訳ねぇだろ!」

「……焦る所が怪しい……」

「……図星かなぁ……」

「……ラリオス……俺も怪しく感じて来たよ……」

「お前達~……くだらねぇ話ししてねぇで、練習続けろ!」

「「はい!」」

佐伯と甲斐は練習に戻る。

「ミゲール、俺は厳しい試練を与えたつもりなんだが……」

「そうですね……普通に考えたら、潰れていたかもしれないですね……」

「何だかんだと、しっかりと実力を付けて来たな……」

「ええ、次も勝って、日本に帰りそうですね……寂しいんじゃないの、ラリオス!」

「ふん……海を渡ったとしても、無くなる関係じゃない……池本に怒られない様に、もう少し鍛えないとな……」

「確かにね……池本は厳しそうだね……」

「……あいつは少し、頭が特殊なんだ……」

「どういう事?」

「……自分を最低ラインだと思ってやがる……自分が出来る事は、誰でも出来ると考えている……迷惑な話しだ。あんな奴がその辺に居たら、教えるこっちが参っちまうよ!」

「面白い考えだね……成る程、徳井があれだけ強いのも納得だね!」

「確かにな……あの2人、どうなるかなぁ……」

「期待には応えてくれるんじゃないか?」

「……池本が守って来た拳を、今は徳井達が引き継いでる……あいつ等は、その拳と俺達の拳も引き継ぐんだ……強くなってもらわないと困るんだが、潰れないか心配でなぁ……」

「大丈夫じゃないかな?……あの2人は、なかなか頼もしいよ!」

「……今心配しても、どうしようもないな……2人を信じるのみかな……」

「そうだね……2人の直接対決、俺も連れてってくれよ!」

「……お前は、俺をホモ呼ばわりしたから留守番だ!」

「冗談だろ?」

「冗談でも、悪い事はある!」

「いつまでも独身のラリオスが悪いんだろ?」

「開き直るつもりか?」

「事実を言ったまでだ!」

会長室は、なかなか賑やかになっている。

2人は練習に集中している。どうやら、池本が戻って来た事が刺激になっている様だ。


練習が終わり、2人はジムの片付けをしている。

「おい、しっかり勝てよな!」

「昴こそだろ?」

「お前のへなちょこスイッチじゃ、世界ランカーは厳しそうだな?」

「お前のパンチなんて、蚊も殺せねぇよ!」

「言ってろ……あんなディフェンスじゃ、リングの上で大の字だろうな……」

「お前こそ、カウンター狙って逆に前のめりに倒れそうだ!」

「馬鹿言え、お前が負けたって俺は勝つ!……まぁ、お前の分まで世界チャンピオンとして活躍してやるからな!」

「いらぬ世話だ!……お前の分まで俺が勝ってやるよ!」

「デッケェお世話だな!……実力もねぇくせに!」

「お前よりは強いさ……口だけ番長め!」

「なんだと~……」

「やるか~……」

「「あっはっはっはっは!」」

「拳人、負けたら許さねぇからな!」

「お前こそだろ?」

「何だか楽しそうじゃないの?」

エリーが入って来た。

「帰ったんじゃないの?」

「2人と話したくて……」

「そういえば、世界戦が決まったんだって?」

「そう……それで話がしたくて……」

「何か心配事でも?」

「………………………………」

「お?…エリーが珍しくナーバスになってるのか?」

「昴、珍しくは余計!」

「まぁ、世界戦だからね……色々考える事はあるよね……」

「……何をやっても心配で……」

「はっはっはっはっは、心配だってよ~!」

「昴、失礼だろ?」

「失礼?…拳人、大丈夫か?……エリーは池本さんに憧れてんだろ?…なら、今の状況は笑われるか引退を突き付けられるかしか無いだろう?」

「え?…何で?」

「昴……そうかもしれないけど、相手は女の子だぞ?」

「お前、おつむがいかれたか?……男も女も関係ねぇ、プロボクサーだろ?……そんな心構えで、よく池本さんの名前出したな?」

「昴、言い過ぎだろ!」

「言い過ぎ?……拳人、池本さんなら優しく言うか?……間違い無く、引退しろって言うぞ?」

「…………確かに言いそうだが……」

「どうして?…何で引退しろって言われるの?」

「やらなきゃやられる世界だ……不安なんて誰にでもある。そんな不安を感じる暇があったら、少しでも強くなる事を考える。それが出来なければ、やられるだけ……ボクシングはそんな世界だ!」

「確かに池本さんから学んだ事だね……不安は誰にでも有る。それを飲み込んで、徹底的に自分を鍛える……少なくとも、俺達にはそう見えていた……」

「………………………………」

「甘さが抜けねぇなら、辞めるべきだ……意地悪じゃねぇ、お前の為だ……」

「まぁ、決めるのはエリーだ……辞めても俺は構わないよ……」

「………………2人共……言いたい放題言ってくれたわね…………」

「「!?」」

「…………辞める訳無いだろ!…絶対に世界チャンピオンになって、あんた等2人を見返してやるんだから!……見てなさいよ~……」

「はいはい、口だけ番長にならない様にな……」

「口では何とでも言えるからね……」

「…………口だけじゃないわよ!…絶対世界チャンピオンになって、池本に2人の事言ってやるんだから!」

「「!!!」」

「それは待て!…池本さんは関係無いだろ!」

「そうだ!…あの人に言う必要は無い!」

「それは私の勝手だよ~だ!」

エリーは舌を出し、ジムから足早に出て行った。

佐伯と甲斐は顔を見合せ、笑い合った後にジムを閉めて帰路に着いた。何となくだが、先が見えて来た1日であった。

どんな試合が待っていますか……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 2人ともだいぶ成長しましたね! あとは、試合に勝つだけ!どうなるか楽しみですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ