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心魂拳~共鳴する拳~  作者: 澤田慶次
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2人の戦い……その1

2人、まだまだ精進して貰います。

佐伯も甲斐も8回戦となり、練習にも一段と熱が籠る。2人は改めて、アメリカで強くなる事を胸に秘めている。

アカデミーは2年であり、アメリカでは9月が学年末である。2人はすでに1年半を過ごした事になる。

アカデミーを卒業となるが、2人はアメリカに残る決意をする。まだまだ足りないと考えているからである。結局、ラリオスが都合を付けアカデミーでアルバイトとして働く事になった。月曜から木曜までをアカデミー、金曜·土曜をレストランでアルバイトしながらボクシングジムに通う事になる。


卒業式が終わったその日、ラリオスから2人に話をする。

「試合だ!」

「待ってました!」

「いつでも大丈夫です!」

「11月27日だ…しっかり体を作れ!」

「今が9月1日だから……結構時間がありますね?」

「しっかり準備出来るから、今回もKOかな?」

「…………期待してるぞ……」

「「はい!」」

2人は練習に移る。

「ラリオス…相手は誰だい?」

「佐伯はブレイン·バンナ……甲斐はピーター·トンプソンだ……」

「……昨年の学生全米チャンピオンと一昨年の学生全米チャンピオンか……かなりの強敵だね……」

「向こうからのご指名だ……どうやら、2人の活躍が気に入らないらしい……」

「……厳しい試合になるね……」

「確かにな……連勝中で浮わついてるしな……さて、どう鍛えるかな……」

「な~に……任せてくれ!……考えがあるんだ!」

「任せていいのか?」

「オフコース!」

ラリオスは少し心配な表情だが、ミゲールは不適な笑みを見せている。


9月のある土曜日、ミゲールは佐伯と甲斐にアルバイトを休ませ遠征に来ていた。そこはとあるジムである。エドウィン·ボクシングジムと読める。ミゲールに連れられ、2人はジムの中に入る。

「すまんね、エド!」

「構わんさ……そっちの2人だね?」

「そうなんだ、頼むよ!」

「OK!…早速アップをさせてくれ!」

「分かった!」

ミゲールは佐伯と甲斐にアップを促す。2人はシャドーボクシングをし、体を温めていく。

「さて、スパーリングといこうか?」

「「はい!」」

「どっちからやるんだ?」

「俺からだな!」

「いや、俺だ!」

「俺のが強ぇんだから、俺だろ?」

「アボか?…俺のが上だ!」

「どちらも大差無い……さっさとリングに上がれ!」

声を掛けて来たのは、Sフェザー級WBA·WBC3位、WBO·IBF2位のリカルド·ラバナレスである。今最も世界に近い選手の1人であり、戦績21戦20勝1敗18KOの本物の強者である。

最初は佐伯からスパーリングとなった。


佐伯とラバナレスのスパーリング…………

佐伯は左ジャブを出しながら左に回っていく。そのスピードは物凄く速く、いきなりトップギアの様である。

この佐伯の速い左を、ラバナレスはしっかりとガードしている。明らかに様子観察している。

見られている事は承知の佐伯は、ラバナレスを中心に左ジャブを放ちながら回っていく。軽快なフットワークであり、見ている者も感心している。ラバナレスがパンチを返しても、佐伯に触れる事は出来ない。

ラバナレスは、少しパンチを強く出しながらスピードを徐々に上げていく。少しずつ佐伯に追い付いていく。

佐伯はラバナレスとの距離をボルトで固定しているかの様に、一定の間隔から近付けさせない。佐伯がペースを握っている様に見える。

ラバナレスが一瞬、前に出るスピードを上げる。佐伯の左ジャブを掻い潜り間合いを詰めてきた。詰めると同時に左ボディを放つ。

佐伯はこれをガードするが、ラバナレスはすぐに右フックを放つ。

佐伯はスウェーでかわすがコーナーに詰まる。

瞬間、ラバナレスは一気にギアを上げて佐伯に襲い掛かる。ラバナレスは左右のパンチを嵐の様に放ち、佐伯に打ち込んで来る。

佐伯はガードを固めるが、何発かはラバナレスのパンチを貰う。このままではじり貧であると覚悟した佐伯、集中力が一気に増す。

佐伯に変化が起きる。

佐伯から見て、ラバナレスの動きがゆっくりに見えている。佐伯はラバナレスのパンチをかわしながら、左フックをラバナレスに引っ掛ける様に放ち体を入れ換えた。

その時にゴングが鳴る。


スパーリング2ラウンド目…………

佐伯は左ジャブから左に回っていく。余り変わらないが、明らかに切れが増している。

ラバナレスはラウンドの最初から一気に攻撃を仕掛ける。頭を振って佐伯の左ジャブをかわしながら、間合いを詰めていく。

ここで意外な事が起こる。

ラバナレスは明らかに1ラウンドよりもスピードが速く、プレッシャーも強いのだが、佐伯がラバナレスとの距離を近付けさせない。前に出て来るラバナレスに対し、佐伯は打ち終わりに同じ場所におらず、ラバナレスのパンチは空を切っている。

ラバナレスは佐伯の左ジャブを強引に喰らいながら弾き、そのまま体をぶつける様にして佐伯をコーナーに押し込んだ。コーナーなら逃げ場は無い為、自分に部があると踏んでいた。

実際にコーナーに押し込んだ最初は、ラバナレスのパンチが佐伯に決まるが途中の相討ちをきっかけに、佐伯は1ラウンドの様にラバナレスのパンチをかわし始める。

ラバナレスはそれでも手を休めず、パンチを出し続けていると佐伯はラバナレスの左フックにカウンターの左フックを被せコーナーを脱出した。

その後は、距離を取る佐伯に対し、追い掛けるラバナレスとなり、最後までお互いがお互いの戦い方に徹して終了となった。

佐伯の成長が分かるスパーリングになった。

何やら凄い事に……

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― 新着の感想 ―
[良い点] さすが佐伯、かなりの成長ですね! 打たせない当てさせないスタイルが早くも覚醒してきていますね!
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