表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘れな草といちご飴  作者: ねこにさかな
2/5

秘密の友達

内気そうな白い妖精みたいな子が案内してくれた場所は、開けた場所一面に水色の忘れな草が咲いてる場所だった。

所々にさらに青いスミレが咲いている。日の光が穏やかに差している、妖精の棲家のような所だった。

「わあ‼︎すごく素敵な場所!ユメヒちゃん、ありがとう‼︎」

ユメヒちゃんは俯いたままだったが、なんだか嬉しそうだ。

早速、スケッチをしてみる。鉛筆しか持ってこなかったのが残念だ。

スケッチを興味深そうにユメヒちゃんが覗いている。

「ユメヒちゃんはお絵かき好き?」

「…描いたこと、ない、から、わからない…」

「今度会えたら、いっしょに描こうよ。ユメヒちゃんのスケッチ用今度持ってくるよ。」

半ば強引にスケッチする約束をしてしまった。

こうでもしないと、次会うことができないような儚いものを感じていたからかもしれない。

そうこうしてるうちに、正午に帰ると家族に伝えていた時間になり、強引に「また明日、大丈夫だったら会おうね。」と約束をして帰宅した。

小学生の頃の私は、迷惑だっただろうな。


(ユメヒ…コ視点」

ボクは他の人に会ったらダメなのに、今日会って、話もしてしまった。

ボクは、この家の神の生贄の子として、本当は大人しく幽閉されてなければいけないのだけど。

でもたまに天気のいい日、こっそり抜け出して、敷地内を散歩していた。

散歩中、家の敷地内なのに、知らない人がいた。その人は自分より少し年上の子で、迷子のようだ。

迷ったけど、泣きそうになっているので、隠れながら道案内することにした。

その人は花のスケッチが趣味らしいので、関係者以外立入禁止の、花が結構年中咲く場所に案内したら、とても喜んでくれた。

思えば、知らない人とこんなにお話ししたのは初めてだし、初めて楽しい気持ちになった。

いちごの絵の付いた飴もたくさん貰った。

ユウカって名前だったかな。

初めての秘密の友達。

このいちごの飴は宝物にしようかな。

なんだか嬉しいな。

明日もこっそり抜け出せたらいいけど。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ