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「名産のお菓子のある町にて」 五話

大変遅れました! すみません!!

 公演は大盛況で終わった。

 話の内容は、お忍びで旅をしていた退屈嫌いの令嬢と令嬢のわがままに応える苦労性の従者が町で起こる怪事件を共に解決するというものだ。

ある日、令嬢が訪れた町に声が出せなくなる病が流行した。それだけではなく町の一部から色が抜け落ちるという怪奇現象が起こったそうだ。

 赤い屋根は白くなり、レンガは燃えカスのような灰色に、街灯に至っては透明になって人が良くぶつかってしまったそうだ。

 それを面白がった令嬢が従者にこの問題を解決してこいと命令し結果見事解決。

 原因は町の一番大きな建物にある不思議な道具で従者はそのことを令嬢に話したところ令嬢は不思議な道具を封印したそうな。

 おかげで流行していた病は消え去り町の色は戻った。令嬢は従者を連れて旅だった…というお話だ。

 色々無理やりな感じはするが広場にいる人々は夢中になっていた。普段から娯楽が少なかったのだろう。

 そう思うエクエスも実はワクワクしながら公演を見ていた。

 しっかりしているとはいえ、エクエスもまだ八歳。夢物語や英雄譚といったものに憧れるお年頃なのだ。

 

 「公演は面白かった?」


 広場を観察していたエクエスに一通り挨拶が終わったのだろう図書女が声を掛けた。


 「はい、とても面白かったです」

 「よかった。このお話は今日はじめて講演する内容だったの! だからみんなどんな反応するか気になってたの。ほら、ここって娯楽が少なさそうじゃない? 公演とか初めてそうだし、だからそこそこ楽しんではくれると思ってたんだけど少し不安だったの」

 

 図書女はその場に腰を下ろしエクエスと並んだ。些か距離が近い。

いくらユティという美人と暮らしていても女性にエクエスは少し照れてしまう。それがバレても面白くないので話を逸らすエクエス。


 「さっきのお話はほんとうの話なの? それとも作り話?」

 「そうよ、少しアレンジしたけれど実際に会った話と聞いてるわ」

 「へ~。ねぇねぇ、不思議な道具って何? 」

 

 不思議な道具。

この話の中核で話の中では詳しく語られてなかったけど実話ならとても気になる話だ。


 「う~ん、多分なんだけどね古の魔導具か魔法書だと思う」

 「魔法? お話によく出てくるあの魔法のこと?」

 「そう、その魔法」


 実は平民で知っている人は少ないが魔法というものは少なからず存在していた。

大昔では魔法が発展して魔導と名前を変えていたのだが今では技術は失伝し、残ったのは異物として魔道具が古代遺跡で発見される物のみだとか。

 それと比較して魔法。こちらは魔導を参考にして現代で研究されている。

どれも魔導具とは比較にならないほど効果の弱くいまだに発展途上の学問といえるだろう。

そのことから知っているのは貴族や商人、平民でも実際に魔法の研究をしている人が知っているというのが現状だ。

 別に情報規制をしているわけではないので広まるのは時間の問題だろう。

 もちろんエクエスはこのことをユティから教わっているし、教わる前から知っていた。


 が、ここは知らないふりをして話を進める。


 「実はね、さっきのお話、この町で昔起きた出来事なんだって!」


 片手を口に当てて内緒話をするように図書女がそっと教えてくれた。


 「私たちね、実はその道具がまだこの町にあるかもしれないって思って本と絵の配布のついでに調べているの。 坊やは何か知らないかしら?」

 「それってどれぐらい昔の話なの? もしかしたら町おじいさんおばあさんに聞いたほうがいいんじゃない?」

 「そう思うじゃない? でも昨日泊まった館のおばあさんは知らないっていうのよ。気になって詳しいことを調査しようにもこの町の図書館にある本が根こそぎなくなってるし」

 「そ、そうなんだ…」


 この町の本がなくなっているのは十中八九ユティが部屋に持ち込んでいるからだ。

実はエクエスたちが借りている部屋は全部で四部屋あり、そのうちの三部屋は本の置き場となっている。

 本を読むなら図書館に行けとエクエスは思うのだが、ユティ曰くこの町では調査中に町人に触れてほしくないそうで、今回は特別に部屋に運んでもらったのだ。


 「ね、ねぇ。それより、なんでお姉さんたちはその魔法具? を探しているの?」


 今回エクエスが一番聞きたかったことだ。町の本がなくなったことについてユティが絡んでいることがバレるのは時間の問題だ。そうなると必然的にエクエスのこともバレてしまい最悪ユティの正体まで露見する可能性がある。

 そうなる前にエクエスは分かるだけ情報を集めるつもりだった。


 「魔法具ってとても貴重で現存しているだけでも高く売れるし、しかも今回は恐らく魔導具が眠っているかもしれない」

 「だから、もっと高くで売れるかも?」

 「正解」


 図書女はにこりと笑いエクエスの手を取った。


 「でも、そんなことぼくなんかに話していいの? 帰って家族に言っちゃうかもよ」

 「大丈夫」

 

 図書女は握っていたエクエスの手を締め付けるように強く握りなおした。


 「だってあなたはもうお家には帰れないもの」

 「え?」


 次の瞬間、腹部に強い衝撃を受けるとエクエスは糸の切れた人形のように倒れた。

朦朧とした視界から「大丈夫! だれか、だれか!」と声を上げる図書女のにやりとした表情が見て、エクエスは意識を手放した。


 その後、図書女ご一行に連れていかれたエクエス。

エクエスのいた場所には広場で配られた本が一冊、落ちていた。





こう、流れに任せて書いてとんでもないことになりそうです

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