国王唖然
「ああ」
「はい」
部屋の中を見渡すと、とてもお高そうな物ばかり並んでいた。金で出来た剣や銀に輝くメダル。数々の高級品を見ているだけで頭がクラクラしてきた二人は下を向いてやり過ごした。
「まだかな」
「もうそろそろだろ」
「待たせたね!」
クロムがどや顔で部屋に入ってきた。後ろにはメイドさん達が料理を持っていた。前世で見たことのある物や、全く見たことのない物まで様々な物があった。蒼慧は今にもとびかかりそうなところを隼矢が必死で止めた。
「これ、なんて料理ですか?」
「これは・・なんだっけ?」
クロム困った表情を見せてメイドさんに助け船を求めた。
「こちらの料理は、パエリアというものです」
「聞いたことあるよな」
「やっぱり、ミライなのかなぁ・・」
「どうかしたかい?」
「い、いえなんでもないです」
蒼慧と準矢は沢山のご飯にありつけて、満足しているところに緊急連絡と大きな警報が流れた。
「なんだ!!?」
「どうやら、他国が攻めてきたみたいだな、君たちは下がって・・ん?どこいった?」
「クロム様、二人は剣をもって駆け出していきましたけど。」
「え?え?え?もう早すぎないか?」
「さぁ、クロム様も早く」
「ああ」
〇
「おいおい、まだ三話だっつうのにこんなことあっていいのかよ」
「今の発言は聞き流そう。いきなり飛び出てきたけど、どこにいんだ?敵ってのは」
すると、城壁が木っ端みじんにされている場所にたどり着いた。
「ここってかぁ?」
蒼慧はすっかり豹変してしまった。しかし、豹変した蒼慧は過去の学校でもかなりヤバかったのを隼矢は記憶している。
「よし、慎重にいく・・ぞ・・?」
「おらぁ、」
隼矢の後ろにいた、小型の機械を破壊した。
「つぎいぃぃ!!!」
「こっわw」
「なぁ・・・ここはどこっすか?」
「知らねえよ・・」
二人は機械を破壊している内に迷ってしまった。
「おーい!!ここだよ!!」
クロムが二人に手を振っていた。国の中は想像以上に、ぐちゃぐちゃになっていた。
蒼慧たちは国から感謝されるくらいに倒していたのだ。
「なぁ、後ろの残骸って、、もしかして」
「だな」
「「俺たちは強い」」
二人は確信した。この世界を救えると。
「すごいな君たちは、こんな短時間でこの量を壊すなんて」
この後滅茶苦茶褒め称えられた。
〇
話が急展開すぎて、誰もが付いていけない状況の中。二人は王宮にいた。
「え、えっと」
「なに遠慮する必要はない。さぁ食べてくれ」
いやぁさっき食べたばっかりなんだよなぁ、と二人は言いそうになるが必死にこらえて、王宮で出された食事を全て食い尽くし、虫の息だった。
「うっく、苦しい」
「ああ。食べ過ぎた」
「のぉ、そこの二人、急な話だがしばらくの間でいい。この国の王宮にいてはくれないか?」
「「無理っすさぁせん」」
国王は口を開けたまま、二人が出ていくのを見送った。