転生して
遠くない未来の話、人類は急激な化学進化を遂げ、さらなる発展を目指す。しかし重大な環境汚染は止まることを忘れ、資源を求めた戦争も終わりはしなかった。
そんな中人類に二つの希望の光が与えられるのであった。科学者たちはこれ以上人類が増えるということを諦め過去から転生させるという斬新な方法を編み出した。選ばれたのが、そう、黒桐蒼慧と星原隼矢の二人だった。科学者は位置情報を間違え、とんでもない場所に転生させてしまった。
〇
「う、」
蒼慧は目を覚ました。見渡しても自分の記憶と合致する背景はない。最初は走馬燈と勘違いしていたが、あまりにもはっきりとしているので可能性から除外した。とつぜん後ろからうめき声が聞こえて振り返ると、地面に頭を刺してぐったりしている隼矢の姿があった。蒼慧は急いで抜き取ると土だらけの顔になった隼矢を見て、腹を抱えて大笑いした。それに怒った準矢は蒼慧に言った。
「はぁ、ここどこ?そしてお前ばかなの?」
「ここどこかなんて知らないし知りたくもない。俺はばかじゃない。いいから顔拭け」
「thank you」
「お前って発音いいよな」
なんだかんだ仲の良い二人は雑談をして気を紛らわせていた。二人はここは異世界ではないかと思った。走馬燈にしてははっきりしているし、見たこともない景色、そして何よりの証拠がケガが一切ないことだ。たしかにトラックに轢かれた蒼慧、自転車にはじき飛ばされた隼矢。ケガがないはずがない。
そんな話をしていると前から、黒いなにかがとてつもない速さでこちらに進軍してくるのが見えた。
「なあ、俺たちの得意技って覚えてる?」
「ああ、もちろんだ」
二人は一斉に叫んだ。
「「逃げるんだよっ!!」」
蒼慧は右に、準矢は左へと走った。よく見ると黒いなにかは機械だった。こっちに向かって走りよってきた。だがその速度は極めて速く人間の二人が撒けるものではなかった。蒼慧は手にもっていた石ころを投げて機械の真ん中にある赤く光るところに全力で投げた。命中すると機械は自爆して他の機械も巻き込んだ。
「やっぱりか、動力源を叩けばぶっ壊れると思ったぜ」
蒼慧は勝ち誇ったように吠えた。
一方準矢は、とにかく相手との間を意識してより的確に攻撃をかわしている。人間がかわせる速度ではないが最初に逃げ回っていた時にすでにパターンを把握してかわしていた。次の瞬間隼矢は機械に向かって走っていき、機械と機械の間をすり抜けた。すると機械の攻撃がもう一方の機械の動力源を叩き自爆。そのおかげで周りの機械も自爆して、難なく窮地を乗り切った。
「流石だな。隼矢」
「お前もな蒼慧。」
二人は微笑んでグータッチをした。すると後ろから声をかけられて二人は飛び跳ねてしまった。
「うわぁ!!びっくりした。人か」
「す、すまんな。驚かすつもりはなかったんだ。」
「えっと、御用は?」
隼矢が問いかけると
「さっきのを見させてもらったんだが、勿論!危なくなったら助けるつもりだったさ。でも君たちはあれを倒した。しかも武器も使わずに、そこでだ!!僕の屋敷に招待したい」
「うん?」
「はい?」
「駄目かい?」
「いや、、さ。もしかして貴方様は貴族でいらっしゃる?」
「僕かい?僕はこの国の懐刀とよばれる、フェリス家の長男さ。僕の名は、クロム・フェリスだよ」
「俺は黒桐蒼慧」
「僕は星原隼矢です」
「聞いたことのない名前だ。君たちは何ものなんだい?」
「えっと、気が付いたら僕たちはここにいて」
「あ!!!もしかして転生してきた二人組って君たちのことか」
二人は顔を見合わせ頷いた。この人が俺たちを転生させたと思って警戒した目つきでいたがその心配はなかったようだ。話を聞くと転生させたのはクロムではなく、クロムをライバル視している敵貴族のようだ。クロムは是非とも二人の力が欲しかったので保護をしようという計画だった。
「で、僕の屋敷にはきてくれるかい?」
「勿論です!」
「感謝します」
クロムは満足そうにうなずいて屋敷のある。ソフィアという大きな町に行くことになった。
〇
「この世界の武器ってどのような感じなのですか?」
「う~んそうだな、まずは僕の持っている。ライトソード軽くて使いやすいんだ。他には戦斧というのがある、とても大きい斧で機械を一撃で粉々にできる。だいたいはこんなものだよ。長い剣は機械との戦闘には不向きなんだすぐ折れてしまうからね。」
「なるほどなぁ」
蒼慧は頷き機械の倒し方をすでに分かっている様子だった。
様々な質問をしていく中分かったことが大きく分けて三つだ。
一つ目・この世界は重大な環境汚染に陥っている。
二つ目・この世界は戦争が絶えない。
三つ目・この世界は救済というものを知らない。
この三つを肝に銘じ二人は誓った。この世界に平和をもたらすと、そのためにまずは
「「クロムさん。俺達をしばらく屋敷においてくれませんか?」」
「二人そろってどうしたんだ?最初からそのつもりだよ。安心してくれたまえ」
「よかった。当面の目標がきまったな」
「だねっ!まずは武器を使いこなしたいな」
「明日から頑張ろう!」
「「おおーー!!」」