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『たこ焼き小町』~とある商店街のたこ焼き屋のお話。やっぱりマンパワーだネ!!~

作者: まいった主婦 まじか

とある商店街の中にある創業150年のたこ焼き屋。


そこでは店主の父親と娘が働いています。



『人がこねぇなぁ。』


店主の父親は、お店の経営不振に悩んでいました。


『駅前にでっかいパオーンモールが出来たじゃん。みんなそっちに行くんだよ。みんな、買い物を気軽にしたいんだよきっと。私も明日行くよ。』


『行くのかよ。』


『しかし、この状況どうにかしないとだよねぇ。。』



ガラガラ~。


その時、一人のお客さんが入ってきました。

スーツを着た男の人でした。


『すみません。某自動販売機メーカーから来ました、小町 込勝と申します。』


『なんとお読みするんですか?』


『こまち こみゅしょう と申します。』


『珍しいお名前ですね。』


『たまに言われます。』


『今日はご案内がありまして、お立ち寄りさせて頂きました。こちらです。自動販売機なんですが、最新機種でして、なんと!たこ焼きを自動で作れる自販機なんですよ。』


『えっ、そんなんあるんですか?!中身はどうなって。。?』


『申し訳ありません。それは企業秘密なんでお伝え出来ないのですが、しかしモニタリングでは高い評価を頂いております。』


『どうする、おとうちゃん。』


『わしは何でも機械化っていうのはいかすかねぇんだが、正直、今はうちの店の存続危機だしなぁ。おし!いっちょやってみるかぁ!』


『ありがとうございます。ではさっそく明日機械を搬入致します。』


翌朝。


その自販機が運び込まれました。


商店街はもの珍しさにたくさん人が集まりました。


『たこ焼き買うー!』小さい男の子が楽しそうに母親にねだりました。


『じゃあ、今日はソースに青のり、マヨネーズ、ねぎね。それを5個。。と。』


お客様がボタンを押すと、すぐにガゴンっと専用パッケージに入った出来立てあつあつのたこ焼きが

受け取り口から出てきました。


『おいしー!』


『ほんと、美味しいわね。』


最新型の自動販売機のおかげで、たこ焼き屋はかつての勢いを取り戻し、あっという間に黒字経営になりました。


しかし、そのうち、無言で自販機たこ焼きを買う人が増えていき、残念ながら商店街の活気まではよみがえりませんでした。


ある晩、自販機の影にあやしい人影が見えました。なにやら自販機の扉を開けようとこそこそしています。


『泥棒~!!』


娘はあやしいやつを捕まえようと自販機の扉を思い切り開けました。


すると。。


中から出てきた人は。。


『えっ。。小町さんじゃないですか。。』


『ばっ。。ばれてしまった』


『実はどうしても人と関わる仕事がしたかったんですが、でも私は実はとても人見知りなので、それなら隠れて接客やればいいんじゃん?とひらめいてしまったのです。。』


『えっ。。小町さんが中に入ってたこ焼き作ってたってことですか?』


『はい。。あ、たこ焼きの腕には自信ありますので安心してください!たこ焼き検定は3級です。』


『そうだったんですね。。なら、もしよかったら、うちで一緒に働きませんか?』


『えっいいんですか?』


『実は、小町さんの自販機のおかげで、うちの店、すごい潤ったんですよ。味も凄く美味しいと評判なんです!でも、世間でも最近は商店街のかつての温かみが見直されてきて、商店街のみんなでもう一度活気を出してがんばってみないかって言ってるんです!!だから、ちょうどよかった。小町さんも一緒にいかがですか?!』


『はい。。!ありがとうございます(泣)』


それから、小町込勝はたこ焼き屋で働いてがんばって人と接し、人見知りを克服しました。そして商店街はかつての勢いを取り戻し、パオーンモールに負けない位、たくさんの人で賑わうようになりました。


『やっぱりマンパワーだね!とうちゃん!』


『おうよ!込勝さんよ、お前さんは『たこ焼き小町』だな!』


『これからもよろしく頼むぜ、たこ焼き小町!!』


『はい!!』



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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みました! 勢いがあって良かったです。 こみゅしょう、て笑 面白かったです!
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