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やはりこの世界はどうにかしている  作者: 鯖野むみのすけ
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今日もおかしいこの世界

いろんな物が混じったら面白そうじゃない?って思って始めてみました。

普通ではない。

それが俺、相坂 海斗のこの世界に対する考えだった。

正直そんな事言っていたら頭のネジ外れてんじゃねーの?とか言われると思う。というか言われた。

ぶっちゃけ頭のネジ外れてんのはお前らだろ!って叫びたい。

だっておかしいと思うだろ?崩れた壁一枚を挟んで……


「フレイムッ!」


「がはっ!」


「竹中ーッ!」


魔術師が争ってるんだぜ?

竹中さんって人焼かれちゃってるんだぜ?

でも今日は魔術師同士の争いだから危険度は無いようなもんだ。奴ら生身の人間に興味無いだろうし。

しかし昨日のはやばかった。神VSドラゴンって何だよ?世界変える気かよ?

一昨日もそれなりにやばかった。ハイジャックされた飛行機が我が家に突っ込んでくるとは思わんだろ?

まあ家が親父が奮発して買った完全防御式一軒家とかいうチートアイテム的なやつのおかげで助かったわけだが外は地獄と化してたな。

まだ例はあるが、ここ3日の出来事だけでもこの世界のおかしさはわかると思う。

そう、この世界は魔法、神、事件、ホラーなどなどなんでもありなスペシャルな世界!


「もう嫌だこんな世界……」


「何者だ!」


げっ、聞かれた!まずいぞ……買い物帰りで死にたくねえ……

そうだ!奴ら生身の人間に興味無いだろうって思ったばっかりだ!大丈夫!無心で耐えろ……


「答えろ!そこにいるのは残党か!」


しまった!俺が生身の人間だって知られてないじゃん!

ていうか、残党って言ってるから余計な事考えてる間に決着ついてたのか。

って、そんな事考えてる場合じゃない!正直に人間だって答えればいいのか……?それだとこんな場所に人間がいるわけないとか言われてやられちまう!なら助けを待つ……?すぐ後ろにいるっつーの!助けが来るまでもたねーよ!どうする、どうする、どうする、どうする!


「島……田……」


「竹中!」


島田と呼ばれた真後ろの男はさっきの竹中さんのところに戻っていった。

天は俺を見捨てなかった!ありがとう神様!ありがとう竹中さん!

俺は無我夢中で走った。


気がついた時には家の玄関に入っていた。

相坂海斗、生還いたしました!


「お兄ちゃん遅い!」


死線をさまよった俺を慰める気0%で迎え入れてくれやがったのは妹の烈火。俺の名前が水のイメージだからそんな名前にしたらしい。


「烈火ちゃーん。お兄ちゃんはね、今日もたかが買い物で死にかけたんだよ?」


同情を買わせようと試みる。


「はいはい、また食材無駄にしたのね。」


やっぱダメか。どうにもこの子は俺の話を信じず、食材を無駄にした言い訳として捉えている。なんでも、頻度がおかしいらしい。


「やはりこの世界はどうにかしている。」


「私に言われても知らないわよ。で、今日はどの食材?」


「卵1パックの犠牲で帰ってこれた。」


「お兄ちゃんの命一つごときに大事な卵が殺されたと。」


うわぁ、お兄ちゃんショックよ。


「あ、悠先輩からメール来てたよ。」


「勝手に人の携帯覗くんじゃねえ。」


そう言いながら部屋に戻る。

ちなみに悠とは幼なじみで俺の数少ない友人のひとりだ。

見た目は割と可愛い方だと思う。俺みたいに人生に疲れた目をしてなくて丸っこいし、俺みたいに髪質悪くないし。


「自分と比べたら泣きたくなってきた。」


とはいえいい友人だ。

明るくて、人懐っこいから男子から人気だ。


「だが男だ。」


言えたッ!このセリフが言いたいがために自分を犠牲にして上げてきた甲斐があった!


……何してんだろ俺。

最初は悠のメールを確認するつもりだったが、脳内悠自慢大会になってたぞ。

……メール見るか。


『得川将軍の15代目って誰だっけ?』


なるほど、宿題の答えがわからないってメールか。

ちなみに俺と悠は春から同じ学校に通うことになっている。

徳川の徳の字間違えてる所から指摘した方がいいな。


『徳川の徳の字間違えてる。徳川の15代目は徳川慶喜だ。』


ここまで打って間違えに気づいた。

あると信じてる普通の世界なら正解のはず。書店で偶然見つけた本にはこう書いてあった。

だが、おかしなこの世界では、


『徳川の徳の字間違えてる。徳川の15代目は魔法少女とくがわ☆よっしー(はあと)だ。』


これが正解である。

なんだよ!魔法少女とくがわ☆よっしー(はあと)って!その前までの歴史見ると浮いてるだろ!

ちなみにここから歴史が書店の本と別になっている。

よっしーちゃんとやらが変な魔法を使ったら神様呼び寄せちゃったり、政権いらないから返すとか言い出しちゃったり。流石に無理があるだろ。


「お兄ちゃーん!ご飯できたよー!」


台所から妹の呼ぶ声が聞こえる。

っと、もう30分も考え事をしていたらしい。

いかんいかん……ここ最近考え事で時間を大いに無駄にすることが増えたきがするな。

とりあえず送信っと。


「今行くぞー!」



飯を食って部屋に戻ると、悠から『返信遅い!』とメールがあった。

今日は比較的平和な日であった。


なるべく定期的に更新したいです。

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