プロローグ
独身女の年齢=クリスマスケーキ
昔、誰かが言っていた。
二十五歳過ぎれば、婚期を逃した行き遅れ。
今となっては女性も社会に進出して娯楽が増えたせいなのか、婚期は遅れまくっているためそんな言葉は死語となっている。
しかしそれでも三十路を数年過ぎたと言うのに、恋愛経験まったくなし。
未だにアニメ大好きで声優の追っかけ。
会社なんてお金を稼ぐためだけに、働いているからまったくやる気なし。
人間としても終わっている私の人生だけど、私には逃げ道がちゃんと用意されていた。
それは障害があるから仕方がない。
結婚も恋愛も障害があるから出来ないと自分に言い訳して、周囲の人達は障害がある私に同情してくれ激アマ。
お馬鹿でナマケモノの私は調子にのって、ますますダメ人間になってしまう。
だから私の周りには上辺だけの友達がちょこっといるだけ。
そんな私のクソのような人生はきっとこれからも変わることもなく、ただ無駄に時間だけが過ぎていくのだろう。
もしかしたらまだ変わろうと思えば間に合うかも知れないけれど、今さら何をどう変わればいいのかが分からない。
ううん。
ただ変化を恐れているだけ。
世間から見れば最悪な人生だとしても、私にしてみればそれなりの人生だと錯覚しているから。