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デウステイマーズ~降神戦隊~  作者: 削畑仁吉
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会敵

「――○△□君ッ!」


 アシータの声で○△□は我に返った。長い間意識を失っていたようにも思えるし、そうでもないように感じられる。


「お、れ――は――」


 なんだか口の中がからからする。


「いいからここを離れましょう、早くッ!」


 アシータは何度も○△□の手を引っ張ろうとするが、当然その手が結ばれることはない。それでも必死に誘導しようとするアシータを、○△□はぼんやりと見ていた。


――逃げる? 逃げるって何から?


「逃げるわけにはいかないですよ。だってあそこにはクズノハがいるんだから」


 そうだ。クズノハを取り戻すために俺はこんなところまで来たんだ。

 …………。


「――クズノハ!」


 ○△□の意識は覚醒した。焦点を失っていた瞳に意志の光が戻る。


「気がついたの、○△□君?」


 アシータが安堵の表情を浮かべた。○△□は周囲を確認する。警官隊がグリュプスに蹂躙されているのが見えた。

 そしてすぐ手前には、黒い水晶を握った手首が転がっている。

 ○△□は顔をしかめた。

 そして手首の前にひざまずくと、ほんの数秒だけ目を閉じて、その手から水晶を抜き取った。

 その指はまだ生暖かった。


「○△□君……?」

「……別に、そこまで親しい兄弟子じゃなかったけど、さ。いや」


 死者を悼んでいる場合ではない。それに降神師にとって死者とは敵の代名詞ではないか。死んだ者に情けは無用、死んでから泣くくらいなら、生きている間に飽きるほど大事にしておけと養祖父も言っていた。

 ○△□は頭を振って、脳にまとわりつく感傷を追い払った。遺品となった御霊石を見る。その中で何かが唸り声を上げるのが感じられた。○△□の霊感が知覚するその正体を養祖父の蔵書に記載されていたものと照らし合わせる。1つの名が合致した。

 ○△□はその名を叫ぶ。


「サーベラス、アクティベート!」


 御霊石から光が勢いよく噴出し、その小さな光が花火のように周囲を白く塗り潰すほどの閃光となって弾ける。その光の中で周囲の瓦礫が粒子に分解され、発光の中心へと引き寄せられていった。

 警官隊がこちらを振り返って悲鳴をあげた。

 光の中から悠然と歩み出てきたのは、グリュプスに勝るとも劣らない大きさの黒い毛並みの犬だ。ただしその犬には3つの首があった。その尻からは鱗に覆われた長大な尻尾が伸びていた。

 ○△□の召喚した神獣『サーベラス』。

 グリュプスはつかみあげた装甲車を無造作に落とした。もはや足元を這いずる人間達には目もくれず、サーベラスとグリュプス、2体の神獣は互いに向かって咆哮、敵意を表明する。


「そいつの相手は任せたぞ、サーベラス!」


 ○△□は屋敷に向かって駆けだした。アシータが戸惑いながら後を追う。

 グリュプスがテロリストの操るものであれば、敵の狙いはアマンテだろう。そっちは勝手に持っていけばいい。だがクズノハの御霊石まで持って行かれては困る。いや、相手が降神師なら確実に御霊石を回収していくに違いない。それはなんとしても阻止しなければならなかった。

 相手が御霊石とただの宝石の見分けもつかないほど未熟で、アマンテ以外に興味を示さなければむしろ好都合だ。このどさくさに紛れてクズノハの御霊石を手に入れてしまえばいい。

 警官達が神獣同士の戦いに気を取られている間に、○△□とその後を追うアシータはまんまと屋敷に突入した。

 神獣の弱点として、御霊石から遠く離れることが出来ないというものがある。降神師の能力にもよるが、5キロメートルくらいが限界だ。それ以上は見えない壁に阻まれたように動けなくなるか、強制的に御霊石に戻ってしまう。また、距離が離れれば離れるほど神獣の制御は難しくなる。だからグリュプスがいる以上、その降神師もまだすぐ近くにいるはずだ。○△□は足元に転がっていた角材を拾って剣のように構えた。銃くらい当たり前に持っているはずの相手に対して気休めにもならないだろうが、無いよりマシだ。

 内部から見ると、屋敷はすっかり廃墟になっていた。壁にも天井にも亀裂が走り、実際に崩壊している部分もある。絨毯は粉塵で染められ、砕けて落ちた窓ガラスの破片が窓枠から入るサーチライトの光を反射していた。

 あちこちに死体が転がっていた。オークションの参加者達や屋敷の使用人達だ。多くの死因はグリュプスが乗ったことで崩落した屋根の下敷きになったものだが、中には明らかに銃で撃たれたとみられる死体もあった。

 加えて○△□の目には、彼等と同じ姿をした青く燐光を放つ人型の存在が見えていた。彼等は死体のない場所にも立っていて、こっちに何か訴えかけるような眼差しを送ってくる。彼等が手招きをしているのを見る度に、○△□は方向転換をした。どうしても彼等の間を通り抜けなければならないときには細心の注意を払った。それでも床が抜けて危うく階下に落ちそうになったり、頭上から漆喰の塊が降ってくるといったアクシデントに何度も見舞われた。

 そうした苦難の果てに、ようやく○△□はオークション会場になるはずだった2階の大広間に到着した。人の気配はない。もちろんそこも無傷ではなかった。壁に掛けてあったであろう絵は軒並み落ちるか傾くかしており、天井は半分なくなっている。割れた陳列ケースから転がり落ちた宝石が色とりどりの星座を床に形作っていた。

 美しい、と○△□は思った。その中央に屋敷の主人の骸が横たわっていなければもっとよかったのだが。

 驚愕か苦痛か絶望か、貧乏貴族の死顔は目と口をかっと見開いた壮絶なものだった。下半身を落ちた屋根に潰されればそうもなるだろう。だが自分のコレクションに包まれて死ねたのなら、コレクター冥利に尽きるのではないだろうか。

 と、思ったのだが。

 すう、と貴族の死体から何かが抜け出した。青い燐光を放つ、魂が映し出す幻灯。

 かの貴族の悪霊がそこに立っていた。たとえ愛した宝石に包まれての死であっても、やはり納得はいかなかったようだ。途方に暮れたような表情で、己の亡骸を見下ろしている。その横顔は端から見ていて哀れでもある。

 貴族の視線が、○△□に移動する。そして彼は、にんまりと笑った。悪霊らしい、あの醜く歪んだ笑顔で。


「○△□君、後ろッ!」


 アシータの声が飛んだ時には、もう○△□は右前方へしゃがみ込んでいた。頭の上を風が吹き抜ける。

 ○△□は振り返った。全身を歩兵用装甲服で覆った男が、軍用戦斧(コンバットアックス)を振り上げていた。フルフェイスヘルメットのバイザーの奥で、男の目が地獄の炎のように赤く揺らいだ、ような気がした。


「うわあああああああッ!」


 兎のように前方に跳躍。さっきまでしゃがんでいた場所に戦斧の刃が突き立ったのは次の瞬間だ。1秒でも遅れていたら、背中をバッサリやられていただろう。

 男は床に食い込んで抜けなくなった斧に早々に見切りをつけ、○△□を追って跳ぶ。足を払われ、○△□は転倒した。握っていた角材は結局1度も振るわれることなく指からすっぽ抜けて飛んでいく。起き上がろうとしたところに、後ろから何かがするりと首に巻き付き締め上げる。男の腕だ。そのまま首関節をがっちりと固められた。力量差は歴然だった。


「貴様ハ、誰ダ?」


 ボイスチェンジャーを通した機械的な音声が○△□の頭のすぐ後ろから投げかけられる。


「さーべらすヲ、召喚シタナ。雑魚ジャナイヨウダ。何者ダ?」

「そういうおまえは、グリュプスの降神師か……?」

「質問ニ答エロ」


 装甲服の男が締め付けを強くする。

 霊力があり、御霊石を持ち、その使い方を覚えさえすればあらゆる神獣を操れるかといえば、答えはノーである。神獣には明確にではないが序列が存在し、格上の神獣になればなるほど制御するのには強い霊力が必要となる。強い降神師が弱い神獣しか所有していないことはあっても、その逆、弱い降神師が強い神獣を使役することはない。サーベラスは中の上から上の下に属する神獣だ。絶対的な差でこそないが、グリュプスよりも格は高い。だから優位に立っていても装甲服の男に油断はない。


「……俺はただの通りすがりの降神師だ。おまえこそ何者だ」

「降神師……カ。ふっ、知ッテイルヨ。亡者ヲイジメテ粋ガッテイル、ダサイ奴等ダトナ」

「――何だとッ!?」


 降神師はおしなべてプライドが高い。習得しようとして出来るものではない特別な技能を持ち、人命を救う仕事に就いているのだから当然だ。誰にも理解されることのない命がけの戦いを続けるのに多少の傲慢は必要不可欠ともいえるだろう。それは自分達のやっていることが幽霊の見えない普通の人間から見れば子供のごっこ遊びと大差ないという劣等感の裏返しでもあった。もちろん○△□も例外ではない。降神師の仕事を愚弄され、○△□の感情が一気に怒り一色に染められる。

 だが、それが事態を打開することはない。

 窓の外ではサーベラスもまたグリュプスに苦戦を強いられていた。サーベラスが3つの口から火炎弾を吐くが、グリュプスはそれが届かない位置を飛行、時折急接近してソニックボイスを放ってはまた上昇するという一撃離脱戦法を繰り返していた。対してサーベラスは木々に動きを阻まれて攻撃をかわしきれないでいる。足元でおろおろしている人間達とその乗り物を踏み潰していいのならまだよかったが、それは彼の使役者にきつく止められていた。

 格下の相手であるはずのグリュプスに翻弄されている事実に、サーベラスは歯茎を剥き出しにして唸り声を上げる。冷静さを欠いた三つ首の魔犬は全力で飛びかかりグリュプスの喉元に噛みつこうとしたが、グリュプスは上昇することで難なくこれをかわす。逆にサーベラスが着地する無防備な瞬間を狙い、魔犬の後ろ足にソニックボイスを叩き込んできた。足から血潮を迸らせ、着地に失敗したサーベラスが転倒。周辺に停車していたパトカーや救急車、樹木を巻き込みながら山肌を滑り、土煙を上げる。


「サーベラス……ッ!」


 悲痛な声を上げる○△□に、装甲服の男は嘲笑を投げかける。


「格下ノごーすとトバカリ戦ッテ、へるげいたー同士デ戦ッタコトハ無インダロウ? ソノ点、ぐりゅぷすハべてらんダ。無駄ナ抵抗ハヤメロ」

「……ヘルゲイター……?」


 聞き慣れない言葉だ。もしかしてこいつは、あるいはこいつらは神獣をそう呼んでいるのか。


「オマエノ目的ハ? コレカ?」


 男は空いた手を○△□の顔の前にかざし、その掌の中にあるモノを見せた。○△□は絶句する。自分が追い求めたものが、クズノハの御霊石が窓の外からの光を冷たく反射していた。


「返せよッ! それは俺のものだぞッ!」

「今ハ俺ガ頂イタ」

「それをどうするつもりだッ!?」

「へるげいたーノ使イ道ナド、他ニアルマイ。戦力トシテ有効活用サセテモラウ」

「神獣を兵器にする……? 人を殺す道具にするってのかッ!」

「悪霊掃除ナドヨリ、ヨッポドマシダト思ウガネ?」

「悪霊をやっつけるのがくだらないだとッ!」

「アア、クダラナイ」


 降神師達の使命を、つまりは積み上げてきた歴史、誇り、その全てを、装甲服の男は一笑に伏した。


「ごーすと達ハ無念ヲ抱イテ死ンダ人間ダ。ダガ、何ノ未練モ無ク死ネタ人間ガドレダケイルト思ウ? ソシテ人類ノ歴史ガ始マッテ以来、イッタイドレダケノ人間ガ死ンデイッタ? ソノ全テヲ滅ボシキレルト思ッテイルノカ? コレカラ先ダッテ次々ニ悪霊ハ生マレルノダロウ? 人類全テガ不死者ニナルナラ兎モ角ナ」

「…………」

「我々ノ仲間ニナレ。モット意味ノ有ル戦イヲ、サセテヤロウ」


 でなければ此処で死ね、とばかりに装甲服の男は腕に力を込める。○△□は己の首の骨にヒビが入る音を聞いたような気がした。


「○△□君ッ!」


 アシータが叫んでいたが、彼女にはどうすることも出来ない。


「……あんたの仲間になったら、その手の中にある物を俺にくれるか?」

「ソレハ約束デキナイ。コレハ我ガ組織ノ物デ、俺個人ノ所有物ジャナイ」

「それを聞いて安心したよ」


 悪霊退治がイタチごっこに過ぎないことは、言われるまでもなく知っている。だからといって何もしなければ多くの人間が望まぬ死に導かれ新たな悪霊と化してしまい、早晩この世界は悪霊だけの世界に変わってしまうだろう。決して無駄なことだとは思わない。だからこそ、○△□の知る降神師達はみんな自分の職務を忠実に全うしてきたのだ。根本的な解決策を模索する降神師だっていないわけではない。

 装甲服の男は、そんな彼等の努力を、ひいては彼等が救った命を、くだらないと切って捨てたのだ。そして神獣を人間同士の血生臭い戦いの道具にすると言う。

 それでも養祖父の形見が手に入るなら申し出を受け入れたかもしれないが、それすら叶わないのでは、こいつの話に乗ってやる理由は無い。悪霊でこそないが、この装甲服の男とその背後にいる存在は、間違いなく自分の敵だ!


「絶対に、おまえの仲間になんかならないッ! 生きている限り邪魔をしてやるッ!」

「ソウカ、勇マシイコトダナ。ナラ、死ネ」


 装甲服の男は小さく息を吸った。

 その時だった。部屋が巨大なハンマーで叩かれたかのように大きく揺れた。辛うじて踏みとどまった装甲服の男は、窓一面にグリュプスの背中が押しつけられているのを目撃する。


「マサカ、ヤラレタノカ?」


 思わず呟く。その隙を○△□は見逃さない。


「うおおおおおおッ!」


 気合いと共に、後ろへ全力で跳ぶ。装甲服の男は壁に背を打ち付ける。拘束が緩んだ。○△□は転がるようにして装甲服の男と距離をとった。

 装甲服の男は武器を持たない○△□への対処よりもグリュプスに何があったかの確認を優先した。○△□に拳銃の銃口を向けながら、壁に身を隠し外の様子をうかがう。

 グリュプスから少し離れた位置に、鋼鉄の巨人が立っていた。

 神獣ではない。前大戦の折、戦場に投入された新兵器、甲冑型歩兵用兵装運搬車両(Trooper's Equipment Carrier Type ARmor)、通称『テクター』だ。陸戦歩兵専用の大型支援装備であり、着用士(テクターインナー)の座るシートを中心に1対のマニピュレイターと、底面にローラーのある3本の足がついたその姿は『奇形の首なしカンガルー』とよく揶揄される。高さ3~4メートルの巨躯はカンガルーと呼ぶにはあまりにも威圧的ではあるが。


「陸軍ガ動イタカ」


 装甲服の男が呻く。

 機体名は『禍啄(かたく)』。ヤマト帝国陸軍が使用する高機動型テクターだ。通常鼠色に塗られているはずの装甲は誰の趣味か、目の覚めるような黄色に塗り替えられていた。黄色い禍啄は頭部に見えなくもない暗視機能付き展望カメラを光らせ、両腕のマニピュレイターに保持したテクター用ショットガンの銃口をグリュプスに突きつける。

 グリュプスが大きく口を開ける。だが黄色いテクターの方が早かった。左腕のショットガンが閃き、放たれた金属の筒がグリュプスの顔に命中、破裂する。中に入っていたアメーバ状の物質がグリュプスの口を中心に張り付き、瞬く間に硬化する。コーキング・グレネードである。


「ヤメロ、落チ着クンダ、ぐりゅぷすッ!」


 呼吸困難に陥り、狂ったように頭を振り乱すグリュプス。接着剤を吹き飛ばすべくソニックボイスを発射しようとするのを装甲服の男は必死に制した。下手をすれば頭部ごと弾け飛んでしまう。


「四足ワシのデウステイマーッ!」


 外部スピーカーから発せられた、凜とした声が空気を震わせる。禍啄は右腕に構えていた方のショットガンをグリュプスに向けて突き出す。


「こっちは徹甲弾だ。貴様のヘルゲイターにとどめを刺されたくなければ、武器を捨てて投降したまえッ!」


 装甲服の男の対応は素早かった。○△□が止める暇もなく、軽やかにグリュプスの背に飛び乗ると、上空に向けて脱出を図る。

 ○△□が求めたものを握ったまま。


「撃墜するッ!」


 黄色いテクターが銃身を天に向ける。発射された銃弾がグリュプスを、そしてクズノハの御霊石を粉砕する光景が○△□の脳裏を走った。


「やめろッ!」


 ○△□が叫ぶ。御霊石を通じてその意志を受け取ったサーベラスが起き上がり、黄色いテクターに体当たりする。禍啄のテクターインナーは回避出来なかった。姿勢補助プログラムを総動員してなんとか機体の転倒は免れたが、態勢を取り直した時には既にグリュプスの姿はショットガンの射程から消えていた。

 まんまと逃げられた。テクターインナーは怒りに拳を握りしめたが、精密機器の並ぶコクピット内にそれを振り下ろしていい場所は存在しない。


「何故止めたんです、隊長ッ!?」


 まさか、裏切ったのか? 最悪の想像をしながら着用士(インナー)は左のショットガンの弾倉を徹甲弾に換装。全ての火器の照準を三つ首の魔犬に定める。

 しかし、引き金を引く前にサーベラスの影が揺らいだ。瞬く間に神獣の姿は無数の光の粒子に分解され、風に飛ばされるようにして大気を流れていく。サーチライトがその流れを追う。


「あれは……ッ!」


 禍啄のテクターインナーが呆然と呟く。

 半壊した貴族の邸宅、その2階部分に、1人の少年――○△□が両手を挙げて立っていた。


「朱川隊長じゃない……。何者だ?」


 黄色い禍啄のテクターインナーはヘルメットを脱いだ。その下にあったのは、意志の強そうな太い眉と力強い目をした中性的な少年の顔だった。


≪浅間君≫


 テクターの通信機から声が流れる。後方に待機した指揮車からのものだ。


「こちらイエロー。サーベラスを操っていたのは朱川隊長ではありませんでした。そして自分の任務を妨害しました。敵と認定し、攻撃してかまいませんね?」

≪かまいます。相手は両手を挙げてるじゃありませんか、やめてください。そうやってすぐ暴力的解決に走るのは君の悪いところですよ≫


 指揮官はなだめるように言った。


≪彼は朱川隊長と同等か、それ以上のデウステイマーです。多少強引な方法をとってかまいませんから、武装警察の手に渡さないでください≫

「はいはい、よろこんで」


 浅間と呼ばれた少年は肩をすくめると、銃口を○△□に向けたまま愛機を前進させた。




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