表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/84

銀幕

 老婆はこの道六十年の大ベテラン女優だ。その彼女が、人生最後の演技と決めた映画の撮影に励んでいた。彼女の役は、心臓病を患った母。難しい役だったがしかしそこはベテラン、何の問題もなかった。彼女の演技は真に迫り、本当に今にも死んでしまいそうで、それでいて撮影が終われば途端に元気になるのだから、いかにその技能が高いか伺えた。

 そして迎えたクランクアップ。ラストは母の死を息子が看取るシーンで、誰もが老女優の演技に息をも忘れた。勿論、一発OKだった。鳴り止まぬ拍手が、彼女に送られた。

 だがどうしたことか。彼女はいくら経っても起きあがってこない。そこで一人のスタッフが、彼女の様子を見に行き……驚愕した。彼女が本当に、息を引き取っていたからだ。

 彼女は心臓病患者だった。命がけの役作りをしていたのだ。それを周囲に悟らせなかったのは、彼女の演技力のなせる技だろう。享年八十。正に、銀幕へ捧げた人生であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ