表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/84

陽炎

 何を見てるの? 

 君がそんな顔をする。私は遠くを指さす。

「あそこ。地面がゆらゆらしてるでしょ? かげろう、って言うんだって。暑い日にね、暖められた空気が……ねえ、聴いてる?」

 君はばつが悪そうに笑う。私は少しむっとして、でもやっぱり、君と一緒に笑う。

「あのね、虹と一緒なんだって。近づいて、どんなに手を伸ばしても、離れていっちゃう。絶対に、届かない……」

 ふと、私の名を呼ぶ声がした。母だ。

「ああ、こんなところにいたのね。よかった。急にいなくなっちゃうから……それにしても、“一人”で何してたの?」

「ううん、なんでもない」

「そう? 帰るわよ。お墓参りも済んだし」

 振り返ると、君はもういなかった。

 陽炎。

 夏の日のまぼろし。光の中の夢。

 また、来るね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ