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謝罪

「代わりに謝りましょうか?」商談に失敗し、会社に帰れないでいた私に、そいつはいきなり話しかけてきた。何でも、“謝り屋”というらしかった。素直になれない人に代わり、無料で謝罪をするのだそうだ……藁にも縋る思いだった私は、すぐ依頼を行った。

 翌日、私は半信半疑のまま、出社した。だが、誰一人として、私を責めはしなかった。謝り屋のおかげだ。私は確信した。それから私は、謝り屋を頻繁に使うようになった。寝坊、喧嘩、ミス……全て代わりに謝らせた。次第に私は失敗を省みなくなっていた。

 そしてある時。私は、車で人をはねてしまった。だが、何も感じはしなかった。また代わりに謝らせよう。それで許される……。

 しかし、謝り屋は私にこう言った。

「私はあくまで“代わり”です。謝る気のない人間の代わりは、お引き受けできません」

 その時、ようやく気がついた。私は金の代わりに、良心を支払っていたのだと……。

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