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恋人つなぎ

“恋人つなぎ~いないあの人ともう一度~”

 ネットでそれを見つけたのは、事故で彼女を亡くしてすぐのことだった。

 それは一種の降霊術だった。方法は簡単。夜の二時、窓を開け、口に綿を詰め、目を閉じて仰向けになり、手を伸ばす。すると、あの世にいる恋人が手を握ってくれるのだという。俺は早速準備を整え、待った。後二分、一分……二時だ。手を伸ばした。すると、指先に何か触れた。(来た。本当に)感触はたちまち人の手の形になり、俺の手を包んだ。もう一度会えた。そう思うと涙が出た。

 顔が見たい、と思った。しかし、恋人つなぎにはルールがあった。目を開けてはならない……が、俺は欲望に負けてしまった。

 手が見えた。だが何かおかしい。まず、爪が汚い。それに、手が皺だらけだ。何より、俺の彼女は……指輪などしていなかった。

「……誰だ、お前……」

 それからは、もう、思い出したくもない。

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