続き
俺達は革靴に履き替え、校舎を出て、門をくぐった。
「ちょっと、買い物して帰ってもいいか?」
「一人暮らしは大変だね。僕も用あるし、一緒に行くよ」
俺は、今、親戚の家で暮らしているが親戚が海外で働いているため一人暮らし状態なのだ。
そうこう話をしているうちに店に着いていた。
買い物を終え、帰ろうとした時、店に警報の音が鳴り響いた。
魔獣発生時に鳴る警報だ。警報が鳴ると人々はシャッターに向かって走り出した。シャッターは人を守る場所。シャッターには防御魔法陣結界が張り巡らせてある。
係員が「シャッターに避難してください」と叫んでいる。
「修、早く行くよ」
「俺は、あいつを逃がしてから行くよ」
店の隅でうずくまっている少年に指を指しながら言った。
「おい、そこのお前、早く避難しろ」
大声で叫ぶ。
が
全く動こうとしない。
もう一度、言ってみるが同じことだ。
「クッソ」と思いながら、俺は少年の元に走り出した。
少年は泣いていた。買い物にはお父さんと来ていたらしい。
警報が鳴った時、はぐれたそうだ。
「大丈夫か」
少年は顔を小さく下に向けた。
少年を背負った。
その時
目の前にレベル1の水属の魔獣が一匹、出現した。