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一章
~一章~
「新入生の皆さん、入学おめでとう」
教壇の上で学院長が挨拶をしている。
今は魔術専門店である魔極学院高等部の入学式の真っ最中だ。
俺、それに竜もいる。
俺達を合わせて50人程度。
何故、俺達は、こんなエリート校にいるのだろうか。
――1か月前の放課後――
「はぁー、俺、高校どうしよっかな」
俺は今、二つの選択肢で迷っている。
このまま普通の高校に行くか、魔極学院の試験を受かるか分からないが受けてみるか、だ。
まぁ、落ちたら結局、普通の高校に行くことなるのだが・・・
「その言葉、前の修に聞かせてみたいね」
竜は嫌味っぽく言ってくる。
「だいたいお前は何処に行くんだよ」
「俺は修が行く所に行くよ」
「意味が分からん。じゃあ、魔極学院に行ったら、どうするんだよ」
「僕も行くことになるね」
「魔術使えるのか」
「使えるかもしれないし、使えないかもしれないよ」
「ますます意味が分からん」
「帰ろっか」
「ああ」
何か曖昧にされた気がした。
思うと、俺は竜の事を全く知らない。中学から同じで親友といっても何も知らないのである。