常識の剥離
第七ラウンドで人が死んだ。第八ラウンドはまたチップだった。
第八ラウンド終了時点で、十個のブラインドボックスのうち八つが開いていた。チップ四、死体四。五分五分の確率が、残酷なまでに精確だった。
生き残った者はチップを手にし、死んだ者は床の残骸とシステムログの冷たい一行の精算文字になった。穿刺アレイ、強酸シャワー、脊椎分離クランプ——極刑トラップのメカニズムはそれぞれ異なるが、結果はまったく同じだった。一人の生きた人間が、存在から不在に変わる。
残りの未開封は二つ。番号「肆」と番号「壱」。
番号「肆」——底座は極めて軽い。第六ラウンドで転倒した際に自分の手で触った。
番号「壱」——不明。ゲーム全体を通じて、その底座に触れる機会はついになかった。
【第九ラウンドカウントダウン、開始。】
【04:59】
柴田は部下に群衆から人を選ばせなかった。
今度は、自分で歩いてきた。
革靴が金属の床を踏む音は急ぎもせず遅れもせず、一歩ごとの間隔はメトロノームで校正されたかのように正確だった。視線は群衆の中の、もう頭を上げる気力すらない完全に脱力した肉人たちを飛び越え、まっすぐ角にいる私とアミールの上に落ちた。
いや、私とアミールではない。私だけだ。
五歩手前で止まった。左手はスーツのポケットに、右手は武士刀の柄頭に載せていた。胸元の血まみれのキーが軽く揺れた。
「二ラウンドだ。」柴田が言った。声は大きくないが、この死んだように静まり返ったホールではすべての文字がはっきりと聞き取れた。「お前は二ラウンド連続で生き残った。」
第三ラウンドと第六ラウンドのことだ。二回ブラインドボックスを開き、二回ともチップ。
「一回目は運かもしれない。」指を一本立て、空中で点を打った。そして二本目を立てた。「二回目——お前は俺が選んだ『肆』号を拒否した。」
一拍の間。
「お前は『柒』号を開けに行った。」
口調は平坦で、ただ事実を述べているだけだった。だがその平坦さそのものが最大の脅威だった——彼はすでに何かを悟り終えていて、今は判決を読み上げる前の最終確認をしているだけだ。
背中は冷たい壁にぴったりとくっついていた。アミールの手が肩に載っていたが、締まってはいなかった——彼の判断もおそらく私と同じで、今は動かないのが最良の策だということだ。
柴田は数秒間私を見つめた後、もう構わなかった。振り返り、番号「肆」のブラインドボックスに向かって歩いた。
暗銀色の金属箱がホール中央に静かに聳えていた。パネル上の赤い疑問符がのんびりと回転し、隣に並ぶすでに開かれ血と残骸にまみれた空箱たちと比べて、不自然なほど清潔だった。
柴田はその前に立ち止まり、一瞥した。
そして足を上げ、黒い革靴の底で、ブラインドボックスの側面を安定した一蹴りで蹴り倒した。
「ガシャーン——」
金属同士の衝突音がホールに炸裂した。番号「肆」のブラインドボックスは横転し、滑らかな金属の床を二メートル近く滑り、強酸に浅く侵食されたくぼみの地面に激しくぶつかった。
ブラインドボックスはトラップを発動しなかった。
ただ倒れただけだった。横転の衝撃で、パネル上の赤い疑問符が二度明滅し、消えた。四面の金属板がゆっくりと外側に開いた——風に吹かれた鉄の花のように、内部の凹みを露わにした。
暗金色の金属コインが一枚、凹みから転がり出て、金属の床に弧を描き、「チン、チン、チン」と澄んだ音を立てながら回転し、最後に柴田の靴先のそばで倒れた。
チップだ。
番号「肆」の中身はチップだった。
その瞬間、呼吸が止まった。
おかしい——私は「肆」号の底座に触った。軽かった。柴田の脳内にあった「重いほど安全」という情報に従えば、軽いのはトラップのはずだ。だが「肆」号の中身はチップだった。
情報に誤差があった? それとも——
「見たか?」
柴田の声が頭上で炸裂した。急いで顔を上げると、いつの間にかブラインドボックスの傍から私の前に戻ってきており、見下ろしていた。赤い天蓋の光が彼の顔を照らし、あの深褐色の瞳孔を血の色に映していた。
腰を曲げてチップを拾い上げ、指の間でくるりと回転させ、背後の部下に無造作に放った。部下は受け取り、二言もなくポケットにしまった。
「多くの肉人が最初に入ってきた時、一番よくする間違いが何かわかるか?」柴田が手を伸ばし、白い手袋の指先で私の額を弾いた。力は強くないが、あの見下した接触で頭皮が瞬時に粟立った。「ルールさえ見つければ生き残れると思い込む。底座の重さ、パネルの色、番号の配列——毎ラウンド必ず頭の良いやつが、自分がルールの穴を発見したと思い込む。」
体を起こし、私の前を二歩往復した。
「そして死ぬ。なぜなら、このゲームのルールは固定されたことがないからだ。ブラインドボックスの重量配分は最初の数ラウンドにしか有効じゃない。後半になるとシステムが能動的に調整する。重いのが軽くなり、軽いのが重くなる。お前は救命の藁を掴んだつもりでいたが、実際に掴んだのは絞首縄だ。」
血液が冷たくなった。
血液を冷たくしたのは、この話をする時のあの漫然とした口調だった。脅しているのではなかった。教育しているのだ。私の小賢しさに怒ってすらおらず、ただ問題の解き方を間違えた生徒を正しているだけだ。
つまり、とうの昔に知っていたのだ。第六ラウンドで「肆」号を拒否した瞬間から、私が底座の重さを探っていることを。その場で暴かなかったのは、私がどこまでやるか見たかったからだ。
「じゃあ、ルールを更新してやる。」柴田が部下から武士刀を受け取り、半寸ほど抜き、切っ先でホール中央の最後の未開封ブラインドボックス——番号「壱」——を指した。
「あれを開けに行け。」
番号「壱」。最初から最後まで底座に一度も触れていないブラインドボックス。
だが柴田は今しがた自ら言った——後半のブラインドボックスの重量配分はシステムに調整される。たとえ底座に触っていたとしても、そのデータはすでに失効している可能性がある。
それに、柴田が「肆」号を蹴り倒してチップを露出させた行為自体が、私の情報優位を破壊するためのものだ。十個のブラインドボックスの構図を「二つ未開封」から「一つ未開封」に変えた——そしてこの最後の「壱」号は、私にとっていかなる情報もない唯一の変数だ。
一か零かの賭け。チップかトラップか。
そして確率は——
残酷なほど単純な算数をした。十個のブラインドボックス、チップ五つトラップ五つ。前八ラウンドで八つ開き、チップ四トラップ四。柴田が「肆」号を蹴り倒してチップを露出させた。それが五枚目のチップ。つまり、五枚のチップはすべて出尽くした。
番号「壱」の中身は、百パーセント、トラップだ。
必死。
【04:06】
「動かないのか?」柴田の声は軽かった。刀を完全に抜いていた。片手で持ち、切っ先は下を向いていた。脅しではなく、待っている。私の反応を。
脳が高速回転を始めた。
前回のような恐怖の隙間から切り拓いた理性の通路ではなく、袋小路に直面した生存本能の狂気じみた衝突。すべての思考が飛び出し、壁にぶつかり、引き返し、また飛び出す——
拒否? 柴田がその場で殺す。ゲームエリアは致死ペナルティの制限外。
逃走? どこへ? 青銅の巨門はすでに背後で閉じている。ホールは密封され、周囲は歯車と金属壁板だけ。
抵抗? まっすぐ立っているだけで精一杯だ。柴田の周りには七、八人の武装した部下がいる。
アミールに助けを求める? アミールがまた遮断パッチを出せるか? いや、あれは安全区域での取引だ。ここはゲームエリア、むき出しの暴力の場だ。柴田の刀を止められるものは何もない。
ならば——
「魂の共鳴。」この言葉が脳の深部から浮かび上がった。
前回の発動条件:刀刃が皮膚に接触、生命値低下、極度の恐怖が臨界点を突破。前回の効果:物理的接触者と短時間の意識リンクを確立し、相手の潜在意識の記憶断片を読み取る。
だが前回読み取ったのは柴田の脳内の情報——ブラインドボックスの底座重量に関する情報だった。今、柴田自身がその情報には有効期限があり、後半のラウンドではシステムに調整されると教えてくれた。
では、柴田の記憶を読まないとしたら?
魂の共鳴の対象を、「人」から「物」に変えたら? ブラインドボックスも物理的存在だ。手を置いて十分な深度で能力を起動すれば——ブラインドボックス内部の構造情報を読み取れるかもしれない?
この着想は狂気じみて馬鹿げていた。だが絶対的な死局の前では、まだ折れていない唯一の藁だった。
【03:44】
「行く。」
立ち上がった。
アミールの手が肩を激しく締めた。指の関節が鎖骨上方の柔らかい肉に食い込み、直接押し戻そうとしているのではないかと思うほどの力だった。
「本気か?」声は極めて低く、私にしか聞こえない。すべての文字が張り詰めていた。
「最後の一つだ。」私は言った。声は予想以上に平坦だった。おそらく、恐怖がある種の飽和状態に達して、余剰の恐怖がもう溢れ出せなくなったからだろう。「逃げられない。」
アミールの手が一秒止まり、それから離れた。視線が私の顔を掠め、瞳孔の奥で何かが急速にうごめいていた——複雑なものだった。同情でも心配でもない。再評価に近かった。
番号「壱」に向かって歩き始めた。
二十歩。十五歩。十歩。
首の刀傷がまだ微かに痛み、乾いた血が布にこびりつき、一歩ごとに傷口の縁のかさぶたが引っ張られて細かな刺痛を生んだ。生命値は依然95%を表示していた。左の鼻孔に残る鉄臭が消えない。こめかみ両側の張るような痛みは前回の魂の共鳴以降、完全には引いていなかった。
五歩。
番号「壱」のブラインドボックスが目の前に聳えていた。暗銀色の金属箱、滑らかなパネル、暗赤色の疑問符がゆっくり回転。他のブラインドボックスと何も変わらない。だが中身がチップではないことは知っていた。
ブラインドボックスの前に立ち、右手をパネルの上に翳した。
そして、押さなかった。
目を閉じた。
前回の魂の共鳴の発動順序:恐怖が臨界突破→脳がホワイトアウト→データストリーム爆発→意識リンク確立。今、恐怖は十分だった。前回以上に。前回は五分五分の賭けだったが、今回は確定の死局だ。
だが柴田の意識にリンクさせたいのではない。このブラインドボックスにリンクさせたいのだ。
内部の構造を見る必要がある。トラップの発動メカニズムを知る必要がある。もしかしたら——ほんの、もしかしたら——メカニズムがわかれば、発動の瞬間に何らかの回避動作が取れるかもしれない。鋼針の射出にディレイがあるかもしれない。強酸の噴射に死角があるかもしれない。もしかしたら——
【03:12】
右手をゆっくりとブラインドボックスの天面に置いた。
パネルの上ではない。パネルの横の金属外殻の上だ。開封メカニズムは発動しないが、掌は冷たい金属の表層にぴったりと密着していた。
そして脳の中で力を込めた——
あの過程をどう表現すればいいかわからない。呪文でも、気の流れでも、ましてや瞑想でもない。意志の力で、脳内のつい最近現れたばかりの、まだ極めて脆弱なインターフェースを圧し開こうとしたのだ。そのインターフェースは魂の共鳴が残したもの——前回の覚醒後に消えず、頭蓋骨の内側のどこかに潜伏していた。半開きの扉のように。
あの扉にすべての注意力を集中させ、生存本能を梃子にして、こじ開けた。
こめかみの張り痛が瞬時に十倍に増した。
両方の鼻孔から同時に鼻血が滑り出し、温かい液体が上唇を伝い、顎先で暗赤色のしずくを形成して今にも落ちそうだった。視野の端に雪花状のノイズが現れ始めた。受信状態の悪い古いテレビのように。
足りない。まだ足りない。扉は一筋の隙間しか開いておらず、その隙間から漏れる青い光はあまりに弱く、ブラインドボックスの内部構造全体をスキャンするには到底足りなかった。
深く息を吸い、奥歯を食いしばり、すべての恐怖、絶望、生への狂気を一本の縄に撚り合わせ、あの扉に第二の衝撃を加えた——
扉が開いた。
視野に深紅のデータストリームが再び噴出した。前回より激しく、密度も高い。だが今回、データストリームは別の人間の意識を探しに行かなかった——掌に沿ってブラインドボックスの冷たい金属外殻に浸透し、内部に向かって広がっていった。
一瞬、ブラインドボックス内部の輪郭が「見えた」——目で見たのではなく、超音波画像診断に似た知覚方式だった。ぼやけた、大量のノイズを伴う三次元ワイヤーフレームが網膜の深部に構築された。
外殻。金属フレーム。下方に——射出モジュール。射出モジュール内に——びっしりと整列した、直径約三ミリの金属針。百本以上。射出方向——上方かつ外側に放射状、円錐形に拡散し、開封者正面の約百二十度の扇形をカバー。
射出ディレイ——
データが発散し始めた。ワイヤーフレームが激しく震え、何らかの力に干渉されているようだった。脳が鋭い警告を発した——オーバーロード。今回の起動深度は前回をはるかに超えており、あの脆弱なインターフェースが設計限界を超えたデータスループットに耐えていた。
そしてすべてのデータストリームが突然停止した。
視野のど真ん中に鮮赤の文字が弾け出た。システムの深紅ではなく、もっと深い、もっと暗い、不吉な暗赤——凝固した静脈血のような色だった。
【警告:深度共鳴が無料枠を超過しました。】
【代価徴収:常識を一つ永久に献祭。】
【続行しますか?】
脳にポーズボタンが押されたようだった。
常識を献祭。永久に。
どういう意味だ? 「常識を一つ献祭する」とはどういうことだ?
鮮赤の文字はそれ以上の説明を与えなかった。視野の中央にそのまま浮かんで、冷ややかに返答を待っていた。その下に、さらに小さな一行がごく速い速度で一度だけ明滅した。
【カウントダウン同期中。残り決定ウィンドウ:4秒。】
四秒。
頭がまだ考え終わらないうちに、体はすでに選択を下していた——あるいは、百パーセント必死の前提において、「代価不明の取引を受け入れるかどうか」という問い自体に答えは一つしかなかった。
続行。
この思念が意識の深部から弾射された瞬間、視野の暗赤色の警告文字が激しく三度明滅し、無数の微細な光の粒に砕け散った。
直後——
脳の深部で極めて重い「ブーン」という音がした。
音ではない。感覚だった。頭蓋骨の内部で何かがペンチで挟まれ、ぐいとねじ切られたような。痛みはなかった——本当に痛みはなかった。あったのは奇妙な「欠落感」だけで、本棚にもともと本が一冊あった位置が突然空白になったような——そこに何かがあったことはわかるが、それが何だったか思い出せず、その空白の形すら描けない。
同時に、視野の左下隅に小さな黒い四角が現れた。
純黒。壊れたピクセルのように。どれだけ眼球を動かしても、あの黒い四角は視野の同じ位置に釘づけのままで、焦点を合わせることも、拡大することも、消すこともできなかった。
淡い青色のシステム通知が直後に続いた。
【常識の献祭完了。永久に除去済み:「痛覚は身体の警告信号である」。】
【常識ブラックボックス侵蝕度:2%。】
【深度共鳴延続。データ注入中——】
射出モジュールの完全なデータがその一瞬で網膜を炸裂させた。ワイヤーフレームがぼやけた状態から無比に鮮明になった——すべての金属針の位置、角度、射出速度、拡散範囲、カバー死角——すべての情報が極めて暴力的に短期記憶に刻み込まれた。
射出角度:パネル中心点を原点とし、上方三十五度から七十度の円錐形拡散。
カバー死角:パネル真下、底座と地面が接する十五センチの高さ範囲内に、幅約二十センチの非カバー扇区が存在。
射出ディレイ:パネル発動後0.4秒。
0.4秒。
パネルを発動させると同時に最速で体をパネル真下の死角に——地面に伏せて底座に密着して——潰し込めば、金属針は頭上を飛び越えていくはずだ。
理論上は。
【02:41】
目を開けた。
世界が変わっていた。
物理的な変化ではない——歯車はまだ回っている、赤い光はまだ照らしている、柴田はまだ五歩先で刀を構えて私を見ている。変わったのは、私がこの世界を感知する方式だった。
首のあの刀傷はまだそこにあった。布の血の跡が見え、傷口の縁のかさぶたの張った感じもわかるが——痛くなかった。鎮痛剤で抑えられた「痛いはずだが感覚が弱まった」状態ではなく、根源から完全に消去された「痛くない」。あの傷口が私の知覚の中で純粋な情報に変わっていた——「ここに切り傷がある、深度約二ミリ、現在かさぶた形成中」——だがこの情報は最も核心的な意味タグを失っていた。痛覚は身体の警告信号? この言葉の一文字一文字は認識できるのに、それを組み合わせた意味を理解しようとすると、脳の中で壁にぶつかった。
柔らかな、黒い、貫通不能な壁。
視野の左下隅のあの黒い四角だ。単なる視覚的な不良ピクセルではない——強制的にくり抜かれた認知モジュールだ。脳のあの位置に穴が残り、その穴にもともと収まっていたもの——それを理解する能力ごと——が抹消されていた。
傷口の存在を識別する能力はまだある。温度、圧力、鋭利な物体が皮膚に接触する際の触覚信号を知覚する能力もまだある。だがこれらの信号はもはやいかなる「危険」や「警告」の意味も帯びていなかった。
それらは無害なデータの列になっていた。
目は穏やかにブラインドボックスを見つめていた。
あの穏やかさは、底層の認知構造が修正された後に生まれる、真の意味での空洞から来ていた。自分でもこの変化がどれほど異常かを感じ取れた——静かすぎた。一分前まで神経を引き裂いていた極度の恐怖が、今は引き潮のように急速に退いていった。勇敢になったからではない。恐怖が拠って立つ基盤——痛覚は危険を意味する——この底層ロジックが存在しなくなったからだ。
振り返り、柴田を見た。
このゲームで初めて、彼の目を直視した。
柴田の瞳孔がわずかに収縮した。微細な変化だったが、捕捉できた。今や注意力が恐怖に占有されなくなったことで、余った認知帯域幅がこれまで完全に見落としていた細部を捉え始めていたからだ——右手で刀を握る虎口に古い胼胝があり、親指の指腹の胼胝が人差し指より厚い。つまり刀を使う時に力を親指に集中させる癖がある。左足の位置が右足より半歩前で、重心は後方寄り。いつでも後退できる防御姿勢であり、攻撃姿勢ではない。
何を警戒しているのだ?
「何を見てる?」柴田の声が冷えた。
答えなかった。向き直り、番号「壱」のブラインドボックスに面した。
右手をパネルに置いた。
0.4秒の射出ディレイ。パネル真下十五センチ、幅二十センチの死角。パネルを押すのと同じ瞬間に、体全体を底座脇のあの極めて狭い安全圏に折り畳む必要がある。
筋肉がその動作の準備を始めた。しゃがむのではない——しゃがむのは遅すぎる。直接落下だ。すべての支えを放棄し、重力に仕事をさせる。同時に右手でパネルを押し、左手で地面を突いて体を底座方向へ導く。
深く息を吸った。
押した。
「カチャ。」
パネルの起動音が鼓膜に届いたのと同じミリ秒、両膝はすでに能動的に脱力していた。体全体が切り倒された木の幹のように真っ直ぐ地面に墜落し、左の掌がパネル真下の金属の床を叩き、肘関節を曲げて衝撃を吸収し、右肩と右半分の顔がブラインドボックス底座の側面に激突した。
0.1秒。射出モジュール内部のバネが解放される鋭い金属の弾跳音が聞こえた。
0.2秒。ブラインドボックスの四面の金属板が外側に弾け開き、射出モジュールとほぼ同時に起動した気圧装置が短く弾けるような破裂音を発した。
0.3秒。
0.4秒。
百本を超える金属針が極めて高い速度でブラインドボックス内部から射出された。弾射の気流が頭上で鋭い悲鳴を上げ、後頭部の不揃いの短い毛を巻き上げた。金属針が空気を貫く時に密集した「シュシュシュ」という音がした。暴雨が水面を叩くようで、頭上三十センチの空間に致命的な銀色の網が張り巡らされた。
金属針の大半は私の体を飛び越えた。
だが全部ではなかった。
伏せ方が足りなかった。あるいは、反応速度が機械弾射の精度には及ばなかったというべきか。底座脇の死角は幅二十センチしかなく、私の体は——側臥で丸まっても——その範囲を超える厚みがあった。
三本の金属針が左腕を貫通した。
一本目は左前腕の外側から入り、内側から出た。入口と出口の間の距離は約十センチ。尺骨と橈骨の間の隙間を精確に通り抜け、骨には触れなかったが、間の筋肉と筋膜を完全に貫通していた。
二本目は左上腕の三角筋に刺さった。角度が浅く、約三センチの筋肉層を通過しただけで反対側の皮膚から突き出ていた。斜めに刺さった銀色の装飾ピンのようだった。
三本目が最も危険だった——肘関節の外側から切り込み、上腕骨外側上顆の骨面を掠め、骨に浅い擦り痕を残した後、肘窩内側の軟部組織に埋まった。この一本は貫通しておらず、針先がまだ肉の中にあった。
血。大量の血が三つの穿刺点から溢れ出し、左腕のもともとぼろぼろだった麻布の袖を浸し、金属の床にたちまち暗赤色の液溜まりが広がった。
【生命値:65%(-30%)】
視野の深紅の数字が一つ跳ねた。
自分の左腕を見下ろした。
三本の金属針——二本が貫通、一本が埋没——が前腕と上腕を不規則な釘板のモデルに変えていた。穿刺点の周囲の皮膚が外に反り、下の真白い筋繊維と暗紫色の筋膜が露出し、血が金属針の軸に沿って下へ流れ、肘の内側に小さな血の池を作っていた。
それを見つめた。
そして、左腕から視線を外した。
眉をひそめもしなかった。息を吸い込みもしなかった。顔面の筋肉のいかなる緊張も弛緩もなかった。顔は風のない水面のように穏やかだった。
なぜなら痛くないからだ。
本当に、完全に、微塵も痛くない。
三本の鋼針が腕を貫通した事実は「見える」。出血量が多く、傷が深く、この腕は当分まともに使えないだろうという「判断」もできる。これらはすべて冷たい情報だ。だがそれらが脳に伝達された後、到達したのはもう警報中枢ではなかった——その中枢はくり抜かれていた——代わりに、いかなる感情タグも持たない、中性の、静かな、情報一時保管領域に滑り込んだ。
この腕に穴が三つある。わかった。了解。
それだけだ。
右手で地面を突いて、ゆっくりと立ち上がった。左腕は体側に垂れたまま、意図的に庇いもしなければ高く挙げて止血もしなかった。なぜなら認知システムが「傷口は保護が必要」という痛覚に基づく緊急反応を自動実行しなくなったからだ。血は流れている、それはわかる。止めるべきだ、という判断は残存する医学常識から来るものであって、痛覚駆動の本能からではない。
ホール内が異様に静まり返っていた。
すべての肉人が私を見ていた。八ラウンドのゲームに打ちのめされ枯木のようになっていた者たちの目つきが、この瞬間、奇妙なほど統一されていた——恐怖。ブラインドボックスのトラップに対する恐怖ではなく、私に対する恐怖。三本の金属針が左腕を貫き血が溢れ出しているのに無表情で立ち上がった人間を見て。すべてを奪われ恐怖しか残っていないこの群れの中で、「痛みを感じない」人間はいかなるトラップよりも怪物に近く見えた。
柴田の表情にようやく変化が生じた。
大きくはない。眉がほとんど気づかない程度の角度で持ち上がり、口角の線が水平からごくわずかに下弦に変わった——嘲笑ではなく、再評価だった。私の左腕を二秒見つめ、視線が上がって私の顔に来ると、目の中に何かを探した。
恐怖を見つけられなかった。
「ほう。」柴田が極めて短い感嘆を漏らした。武士刀の向きを変え、切っ先を下に、刀身を右肩に立てかけた——構えの姿勢からリラックスした姿勢への転換。「度胸がついたな。」
二歩前に歩み出て、私の前で止まった。視線が顔を掠め、血を流し続ける左腕に落ち、パネルが開いて射出モジュールがむき出しになった番号「壱」のブラインドボックスに移った。
「最後のこれがトラップだと知っていたな。」疑問文ではなかった。
「知らなかった。」私は言った。
これまでに柴田に対して発した最も完全な一文であり、初めて震えのない一文だった。勇敢になったわけではない。「震え」という生理反応を駆動する底層のロジックチェーンが断たれたのだ。恐怖→痛覚の予期→筋緊張→震え。このチェーンの「痛覚の予期」の環節が永久に切除され、残った恐怖はまだ存在するものの、筋肉に作用する伝導経路を失っていた。
柴田が見つめ、数秒沈黙した。
そして手を伸ばし、白い手袋の指先で私の肘窩内側に埋まった金属針を掴み、前触れなく引き抜いた。
金属針が肉体から抜ける時、小さな血の噴出と細長い筋膜の破片を引き連れた。新たな穿刺創が一瞬で二ミリ広がり、鮮血の流速が明らかに速くなった。
彼が針を抜く全過程を見つめた。瞬きしなかった。
柴田は血のついた金属針を持ち上げ、赤い照明の下で一秒眺めてから、無造作に弾いた。金属針が回転しながら飛び、チンという音を立てて遠くの金属壁に突き刺さった。
「第九ラウンド終了。」手を引き、白い手袋でスーツのズボンの脇の血を拭った。
【第九ラウンド終了。開封者生存。極刑トラップ:穿刺弾射(貫通ダメージ)。】
【ブラインドボックスはすべて開封完了。生存チップ合計5枚配布。】
システム通知が脳内に響くと同時に、ホール中央の床が再び震動を始めた。十個のブラインドボックス——空の殻も、残骸にまみれたトラップの機体も——すべてが同時に床下へ沈降し、金属板の隙間に消えた。
暗金色のプレートが一枚地面に落ち、柴田がすかさず拾い上げた。「皆さんのご貢献に感謝!」玩味する笑みを浮かべた。
ホールの最も遠い壁にゆっくりと半円形のアーチ門が割れ開き、その奥には淡い青色の冷光を放つ通路が延びていた。
「チップだ。」柴田の声が背後から聞こえた。「二枚持ってるだろう。出せ。」
右手をポケットに入れ、二枚の暗金色の金属コインに触れた。第三ラウンドで一枚、第六ラウンドで一枚。
チップを取り出すと同時に、視野にこれまで見たことのない淡い青色のシステム注釈が弾け出た——ゲームルールではなく、魂の共鳴システムによる「生存チップ」というゲームアイテムのデータ解析だった。
【アイテムスキャン:生存チップ(暗金グレード)】
【機能:取引通貨——生存チップは世界共通のハードカレンシー。】
【警告:チップは他者による非致死手段で強制的に奪取可能。安全区域内でのチップ強奪は反傷ペナルティを発動しない。】
最後の警告に視線が一瞬止まった。
チップの強奪はペナルティを発動しない。
つまり、これらの金属コインは完全に無防備だ。柴田や部下を含む誰でも——安全区域でボロボロになるまで叩きのめし、ポケットのチップを根こそぎ奪い去ることができる。
これがこの世界の経済システムだ。血の金。
「急げ。」柴田が背後で催促した。
二枚のチップを握ってアーチ門へ向かった。アミールが群衆の中から現れ、音もなく後ろについた。
柴田の傍を通り過ぎる時、彼が唐突に白い手袋の手を伸ばして遮った。
足を止めた。
柴田は私の手の中の二枚のチップを見下ろし、目を上げて私と視線を合わせた。
「通行料だ。」掌を広げた。
彼の手を見た。白い手袋の指の縫い目にごく小さな血の跡がこびりついている——私の血だ。
二枚のチップ。このゲームで命と引き換えに手にしたものだ。一枚は五分五分の運、もう一枚は魂の共鳴の断片情報が導いた選択。
だが柴田が掌を広げたあの動作に交渉の余地は一切なかった。ここに「拒否」の選択肢は存在しない。
一枚のチップを彼の掌に載せた。
柴田の手は閉じなかった。視線を落として掌の中の暗金色のコインを見、再び私を見た。
「二枚。」
「一枚は通行料だ。」自分が言うのが聞こえた。「もう一枚は俺の報酬だ。お前のために二個地雷を探った。チップ一個トラップ一個、生きて帰ってきた。報酬一枚は妥当だろう。」
この言葉がどこから湧いて出たのかわからない。いや、わかる——あの恐怖の隙間から切り拓いた理性の通路から来ている。その通路は今ではかなり広がっていた。痛覚認知の消失が大量の心理的帯域幅を解放し、もともと「恐怖→痛覚の予期→震え」という反射弧の処理に使われていた神経リソースが、すべて理性の通路に徴用されていたからだ。
柴田が三秒間見つめた。
そして笑った。これまでの冷笑や嘲弄とは異なり——今度の笑いにはごくかすかな、本物の意外さが混じっていた。
「いいだろう。」チップをポケットにしまい、手を引いた。「お前はなかなか面白い。」
二枚目は要求しなかった。
「この小銭には興味がねえ。どうせゲーム報酬の地支牌さえ手に入ればいい。」
最後の一枚のチップを握りしめ、人の流れに従って淡い青色の光を放つアーチ門に向かった。
アミールが横を歩いていた。手を伸ばし、左腕にまだ貫通したままの金属針の一本——前腕を貫いていた方——をへし折るように引き抜き、引きちぎった布切れで雑に数周巻いて止血した。その全過程で、視線はずっと私の顔に向けられていた。
「痛くないのか?」彼が言った。
「痛くない。」私は言った。
「地支牌って何だ?」
アミールは私の左腕を一瞥した——二つの貫通創と一つの抜去創からまだ暗赤色の血が滲み出し、巻いた布切れをすべて浸していた。
それ以上何も言わなかった。だが歩く位置が、私の背後から左側に移った——負傷した腕と群衆の間に立ちはだかるように。
アーチ門を通り抜けた瞬間、淡い青色の冷光が、血まみれの深紅のゲーム場を背後に遮断した。通路の空気は乾燥して冷たく、鉄錆の臭いもなく、腐肉の臭いもなく、強酸の化学的な刺激臭もなかった。初めて比較的清潔な空気を吸い込んだ時、肺の奥からほとんど聞き取れない震えが漏れた。
清潔な空気。痛みのない傷口。視野の左下隅の消せない黒い四角。
命を救うチップを一枚手に入れた。だが人間としての基本的な機能を一つ失った。そしてあの黒い四角は今、視野の2%しか占めていない——つまり、まだ成長するということだ。
魂の共鳴を深度起動するたびに、当たり前だった認知がもう一つ喰われる。
次は、何を失うのだろう?
通路の奥の光がどんどん明るくなっていった。柴田と部下が先頭を歩き、肉人たちが半死半生の足取りで後に続いた。アミールの手が無事な右肩に載っていた。
そして左手はチップを握りしめていた。爪が掌の肉に食い込んでいた。
痛みはなかった。
ただ一つの情報があるだけだ。爪が表皮層を貫通しつつある。
それだけだ。




