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高校生、うっかりマズローを論破してしまう  作者: シンリーベクトル


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30/59

読み違えたベクトル



昼休みの部室。

ドアが開き、宮本が息を切らして入ってきた。


「この前のアドバイス、試してみました!」


俺は笑って促す。

「どうだった?」


宮本は机の端に腰を下ろし、少し眉をひそめた。

「相手の欲求……全然違ってました」



西村が興味深そうにペンを回す。

「どういうこと?」


「私、相手は“話しかけられたい”と思ってるって思ってたんです。

 でも観察してたら、休み時間は一人で絵を描くのが好きみたいで……

 話しかけられると、逆に集中が途切れて困ってたみたいで」


高橋がくすっと笑う。

「つまり安全欲求と自己実現欲求のセットか。

 “邪魔されたくない”と“自分の世界を守りたい”ってやつだな」


俺は頷く。

「承認欲求だと思ってベクトルを送ったら、安全欲求にぶつかってたわけか」



山本が控えめに言う。

「……だから相手の行動を先に見るのって大事なんですね」


「そう。欲求は口で言うことと行動が違うことも多い」

西村が黒板に“言動ギャップ”と書く。

「行動パターンを見ないで先入観で動くと、逆方向にベクトルを押すことになる」


宮本は少し照れたように笑った。

「でも、声をかける回数を減らしたら、この前向こうから“この絵どう思う?”って聞かれて……ちょっと嬉しかったです」



そこへ国枝先生が顔を出す。

「お、恋愛進展か?」


高橋が即座に返す。

「先生、それ承認欲求じゃなくて野次馬欲求ですよ」


先生は苦笑して去っていった。

——欲求を読むって、思ってるよりずっと“現場観察”が必要らしい。

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