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第13話戻る

「あ、着きました」

「そうだな」

私は城の門が見え送信玄に声を掛ける。私より身長高いからそれくらい分かっているだろうが。

城の中に信玄様にエスコートされながら入ると、衛兵に睨まれた。

何で?私毎回睨まれるんだけど。

酷いなぁと思いながらも暫く歩くと「今日は付き合ってくれてありがとな」と信玄に声をかけられた。私は、こっちが付き合ってもらったのにと少し慌てながら「いえ、楽しかったです!」と言った。

「そうか。なら良かった」

顔を見合わせながら笑みを浮かべていると、前から「知花様ー!」と声がした。

驚いて前に振り向くと、勘助と幸村と信之の三人が駆けながらこっちへ来ていた。



「三人とも!」

信玄の手を離し、三人に近づくと声が沢山飛び交う。

「遅かったですね。心配してました」

「何かあったのかと外に飛び出すところでした。戻ってきてくださって何よりです」

「お館様に何かされたのかと思ったよ。心配かけないでよ」

一気に言うので、何を言っているのか全く分からずどうしたものかと私は慌てふためいていた。



「おい三人とも。知花は疲れてるんだそのへんにしとけ。あと順番に話せ」

後ろから信玄の声がしたと思うと、私の方にポンと信玄の立派な片手が置かれた。

手が気になるけど良いこと言ってる。

実際、三人ともさっきまで喋っていたのが嘘みたいに黙りこくってるし。

「三人とも、心配してくれてありがとう」

私は、これは言おうとそう言った。

「いえ」

「こちらこそありがとうございます!」

「別に」

人によって個性があるよね。うん。喋り方にまで個性が出てるわ。これ絶対分かる。



「知花様、これからどうしますか?」

「あー、どうしようね。今日出ることは確定だけど」

「え、知花様今日いなくなっちゃうんですか?!」

いや幸村貴方知ってるでしょ。

「一昨日話したじゃないですか」

「そうでしたっけ?」

「幸村……」

凄いことを言う幸村に私達は子供に向けるみたいな視線を当てる。

「取り敢えず夕飯は食べていったらどうですか?」

「じゃあ言葉に甘えていいかな?」

「もちろんです」

信之のありがたい誘いに私はちょうどよいと飛びつく。

「もう用意されてますし、食事室に向かいましょう」

私達は歩き出す。

結構遠いのよね。



「どこ行ったの?」

「えっとね、祭り」

そういや何祭りだっけあれ。

「確かに今日やってましたよね」

「ふーん。何?買い物ばっかしてたの?」

「買い物もしたが、それだけじゃないぞ」

うん。半分くらい大会に参加してた。

「これもらったんだ」

そう言い、私は大会に優勝したときにもらった三日月宗近を見せる。

「え、これって……」

「これをもらったんですか?流石知花様ですね!」

「ええ……。知花は凄いですね。色んな意味で」

三人の反応に私は、なんだと首を傾げる。

この刀私が知らないだけで凄いのかしら?



「確かにこれもらってたときは思わず吹き出しそうになったな。でもそういうところ、俺は好きだよ」

信玄は相変わらずだなー。ほんとブレない。

「お館様!?」

信玄がからかうようにそう言うと、勘助は何を言ってるのかと声を張り上げる。

「お館様、ずっと聞きたかったことあるんですけど」

「なんだ?」

勘助が聞きたかったこと?なんだろう。気になる。

「知花が男の姿だった時、恋人になれって言ったのは本当ですか?」

「え!?」

「それ本当ですか!?」

勘助がそう言うと、二人は初耳と言わんばかりに聞き返す。

そういや勘助に言ったな。これ聞きたいの?



「そうだが」

信玄はさらっと認める。

「本当なんですか!?お、お館様今はどうなんですか?本当に?」

勘助は慌てたように質問攻めをする。

「大丈夫だ。どっちだとしても、もう振られたからな」

「振られた!?」

信玄様!?え、それなんで言っちゃうんですか。大国の大名を振ったなんて事実私に残さないでもらえます?

「知花、それ本当なんですか」

「はは。まあうん」

「知花様は今、どうなんですか」

「私?変わらないよ。やること他にあるからね」

「そうですか」

そう答えると、二人はホッとしたように上がっていた肩を下ろした。

信玄を取られたくなかったのかな?



そう話していると、食事室に着いた。私は扉を開け、中に入る。

あれ?これ立場的に最初に入っては駄目なのでは?まあいいか。

中に全員入ったのを確認すると、私はテーブルに目を向ける。テーブルの上には真っ赤な鯛や猪肉の焼肉、葡萄や桃などの名産果物が置いてあった。

肉は苦手だからフルーツとかの方を沢山食べようかな。

私は脂が苦手だ。

「「「「「いただきます」」」」」

そう声を合わせ、食べ始める。

幸村や信玄の方を見ると、皿が凄い積まれていて私はなんでそんなに早く食べれるのだろうかと引く。

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