表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/26

第11話武闘大会

門が見えると、先に人がいることに気づいた。

「信玄様!」

そう言うと彼はこちらに顔を向ける。

「すみません待たせてしまって。遅れてしまいましたか?」

そう尋ねると信玄は「いや、俺も来たばかりだ」とフォローする。

さすがだ。女の子の扱いに手慣れてる。



「じゃあ、行こうか」

その声に私は頷く。

門が開くとワイワイとした明るい空気の城下町が広がっていた。私は信玄の後ろを歩いて祭りまで行く。私は明るい楽しそうな雰囲気に、首をキョロキョロと動かし楽しそうな人たちの様子を観察する。

少し歩くと、大きな人混みが出来ていて何かと信玄へ尋ねる。

「今日は武闘大会だからそのやつだな」

武闘大会。

その言葉に私は目を光らせた。

「信玄様!私、参加してもよろしいですか?」

そう言うと、信玄は苦々しい顔をしたので駄目なのかと思ったが、「その代わり、後で俺に付き合ってくれるか?」と言われたので「ありがとうございます!」とお礼をし、手を挙げた。



「すみませーん」

「はい。何でしょうか?」

そう言うと係員ぽい人からの返事が返ってくる。

「私も参加できますか?」

「え?貴女が?」

「はい。腕には自信があります。どうでしょうか?」

「別によろしいですが、怪我代などは出しませんよ」

「それでもいいです。では決定ですね」

「……ではこちらに来てください」

係員ぽい人は、私を待機所みたいなところに案内する。



その部屋の中には沢山の男の人がいた。そして、刀が沢山置いてあるところがあったのでそこから刀を貸してもらうことにする。

色んな物があったが、私は木刀にすることにする。チートの力を使えば木刀でも真剣を切ることが出来るし、相手の人を殺してしまうことはないからね。

木刀を手に取ると、後ろから声がした。

「おい、嬢ちゃん。この大会に参加するんだって?やめといたほうが良いぜ。この大会には一流の刀士がごろごろいるからな。木刀ってのもやめな。殺されに来られるぞ」

私は、親切な人だと思いながらも大丈夫だと刀を変えなかった。



時間が立つと、係員ぽい人がやってきて対戦の紙を見せた。

私は目で、文字を追い続け自分の名前を探したが、自分の名前が無くどういうことかと首を傾げる。

「あの、私の名前が無いんですけど」

「そりゃあ、そうですよ。名前聞いてないんですから。そして、貴女の初戦の相手は相手は加藤ですよ」

私は、説明を聞きそういうことかと納得する。

確かに名前言うの忘れてたわ。

そう思っていると、ドーンという大きな音が聞こえ、思わず耳をふさいだ。

この音は?

そう思っていると、「おおっ。始まったか」と声がしたのであの大きな音が大会の始まりの合図なのだと分かった。



「第一回戦は、大会常連加藤さんと……あれ?名前書いてないですね。大会初の女性です!うーん、どうですかね。わたし的には加藤さんですかね。」

私が最初らしいので、待機所から出て戦う場所に出る。

前にはいかつい雰囲気のおじさんがいた。

イケオジじゃなかった。残念。

そう失礼なことを考えていると、司会の人から声をかけられる。

「美人さん、お名前は?」

「ええと、知花と申します」

「そうですか。いい名前ですねー。ところで、その服と剣で大丈夫ですか?」

「はい。大丈夫です。」

やっぱり不思議に見えるわよね。



「えー、とりあえず始めます。開始!」

そう言われると、相手が剣を持ち高速でかけてくる。

普通の人にはもとんど見えないだろう。

しかし、私には見える。もう体の主導権を明け渡しているから。

私は木刀を地面から垂直へ立て、目を閉じる。

人が近づいてきたのを感じると、木刀を振る。

「我が剣よ、自由を纏い舞え。行雲流水!」

閉じた目をかっと開き、私は彼の男を吹き飛ばした。

呆然とする男の人に構わず、私はすぐさま木刀を首に当てた。


「終了!」

あら、驚かなかったのね。

私は、武田家の人たちみたいに驚かれると思っていたが、言葉が冷静だったため意外そうに瞬きをする。

ちらりと周りを見ると、皆ポカンと口を開け呆然としていた。

良かった。驚いてくれて。

ちなみに信玄は面白そうに笑みを浮かべてた。

相変わらずだな。

待機所に戻ると、皆が私を見つめた。

私は近くにあった椅子に座り、私の番が来るのを待つ。

「次は、前大会優勝、白灯結城!」

「キャァァァァ」

会場の女性たちの歓声が響く。

気になって見てみると、多少イケメンの、髪を掻き上げて気取っている男性がいた。



……うわぁ。

私はその姿を見て思わず顔をしかめた。

この人無理だわ。絶対拒否。私、ナルシストは嫌いなのよね。

「相手は、今回初参戦藤宮晴」

あら、こっちは好みだわ。良かった。私、好みじゃない人たちの戦いなんて見たくないもの。うん。私、我ながら酷いわね。

「開始!」

戦いの火蓋が切られると、結城は地面を軽く蹴り晴へ近づき刀を振り上げる。晴はその刀を避け、後ろへ飛ぶ。



カキィーン



刀がぶつかり合い大きな音を立てる。

接戦ね。良いわ、この試合。

どっちが勝つのかとドキドキしていると、晴が結城の隙をつき結城の腰を蹴る。

結城は途中で気付いたが、反撃するまもなく横へと飛ばされる。

この大会、体術使っても良かったのね。知らなかったわ。

地面に転がるのと同時に結城の手から刀が離れる。

「勝者、藤宮晴!」

そう司会は言うと、予想外の反応が客席から返ってくる。

「ええ……。嘘よ。結城様が新参者に負けるなんて」

「なにか卑怯な手でも使ったんじゃないか」

そんな陰口に、私は戸惑う。

ええ?何で?こういうのは凄いとか言うものじゃないのかしら。

私は不思議に思いながらも、次の試合に専念することにする。



そのまま5試合くらい見ると、自分の名前が呼ばれ外へ出る。

「先程凄かった知花さんのお相手は、全大会好成績、佐藤大輝!」

黒髪の相手は、ドカドカとぶっきらぼうに出てくる。

これは俺様系かしら?というかそうあってほしい。

「……よろしく」

「よろしくお願いします」

そう言い合うと開始の合図が出される。



その瞬間、彼の物凄い覇気が私の心を震わせる。

ふっ。面白いじゃないの。ちょっと本気出してやろうじゃない。

私も負けじと覇気を空中へ送り出していくと、彼が大きく呼吸をした。次の瞬間、目の前に彼が現れていた。

「!?」

私は反射的に高く飛ぶと、さっきまで腰があった位置に刀が振られていた。

うわぁ。怖。体の動きが速すぎないかしらこの人。

私は空中で身を踊らせ、攻撃を予測し次は体をかがめる。そのあとすぐピュッという音がする。

地面へ降り立つと、彼は私にものすごく速く刀を振っていく。その太刀筋は恐ろしいくらいに速いが、とても綺麗で一本一本が当たったら大打撃になるくらいだ。

私は、のらりくらり避けていたが覚悟を決め刀を受ける。

木刀は壊れそうだったが、頑張ってもらうことにして刀の中心部に力を入れる。

とにかく集中!

私は神経を研ぎ澄まし、いけそうだと手に力を入れる。

「皆よ我に明るき未来を授けたまえ。雲外蒼天……!」


◇   ◇   ◇   ◇   ◇


私は、はあはあと振るった刀を持ちながら荒く呼吸する。

「うおおおおおおおっ」

湧いた歓声を聞き、出来たのだと頬をほころばせる。

彼を見ると、「は…………」と木刀で斬られた刀をポカンと見つめていた。

そうなるわよね。だって逆ならまだしも木刀が刀を斬ったのよね。

私は、彼の反応にうんうんと納得する。

「え……いや夢ですかね。皆さん、私の目が壊れました。木刀が刀を斬るなんてことあり得ない……!」

その司会の言葉に私はちらりと司会を一瞥する。

周りの人たちは、「俺もだ!」「現実だ!」と言っている。



私は彼へ手を差し出し、自分の心のままに言葉を発した。

「ありがとう大輝さん。貴方すごく強いのね。負けそうになっちゃった。楽しかった。本当にありがとう!」

彼は私を黙って見た後、握手に応じず意思の強そうな目をしながら言った。

「修行して強くなってお前をたたきのめしてやる。首洗って待ってろ」

私を睨んだ後、サッサと待機所へ戻っていった。

私も一呼吸をした後、待機所へと戻った。

初戦闘シーン。難しいですね本当に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ