表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Arousal of NPC‘s  作者: ネコのうた
Chapter 1/最初の国
41/138

№41 裾野にて

帝国の北西あたりに位置する[要塞]は、低山(ていざん)を利用して築かれていた。

“低い”といっても、標高は1‘000メートルくらいありそうだ。

この周りを幾らかの兵士が囲んでいる。

所々には“(くら)を装着されている馬”が居て、それぞれに地面の草を食べていた。

何処からともなく涼しげな風が吹いてくるなか、

「あれ、“金色のダイヤマーク”みてぇだぞ。」

ふと気づいたのは、【武闘家】であるサイザーだ。

「確かに…。」

「行ってみるか。」

こう促した【シールダー】のシリウスを筆頭に、NPCへと近づく[Team(チーム) S(エス)]だった……。


[ダイヤのマーク]が浮かんでいるのは、40代前半らしき“リーゼントのような髪型”に“無精髭(ぶしょうひげ)”といった男性である。

“髪と髭はブラウン”で“瞳はグレー”の男に、

「クエストを受けて来たんだが…。」

リーダーたるシリウスが声をかける。

「もしかしてギルドで聞いてきたのか?」

「だとしたら証明書を見せてくれ。」

そう述べた男へと、シリウスが[ノースイースト(北東)ギルド]で貰っていた“用紙”を渡す。

目を通した相手は、

「間違いないみたいだな。」

「よく来てくれた。」

「感謝する。」

「……、実は、あの要塞は魔王が猛威を振るっていた時代、それに対応すべく造られたのだが、平和になってからというもの価値を失っていたんだ。」

「国は、取り壊すにも予算が掛かるという事で、駐屯兵に管理させてきた。」

「しかし…、ここ百年で兵力が弱体化してしまったところを、数日前より活発になっている魔物らに制圧されてしまった次第だ。」

「恥ずかしながら。」

「我々は、どうにか要塞から脱出できた兵の報せで都より駆け付けたのだが、念の為に冒険者にも加わってもらうべく依頼したという訳だ。」

「それにしても……。」

「生存できた(わず)かばかりの駐屯兵が言うには、白いローブ姿の司祭らしき者がモンスター集団を先導していたとのことだったが…、何が起きているのだろうな??」

「あ、いや、すまん。」

「そろそろ作戦に移るので、準備が整ったら、また話しかけてくれ。」

このように語った。

「司祭って、もしかして“遺跡”で遭遇した?」

【白魔術士】であるセイランが首を傾げたところ、

「おそらく、そうだろうね。」

頷いて答えた【騎士】のサーガである。

「そこら辺は後にして、とりあえず、フイールドでの戦闘で消耗したHPとかを回復したがいんじゃない??」

「これからまたバトルになるんでしょ?」

そう口を開いたのは、【ガンナー】たるスイだ。

「うん、きっと。」

「だから、それぞれの数値を満タンにしておこう。」

【剣士】のシューラによる指示で、[イベントリ]からアイテムを出現させていくパーティーメンバーであった……。


先程の[男性NPC]に、

「いつでも大丈夫だぞ。」

シリウスが改めて接したら、

「申し遅れたな。」

「俺は今回の総指揮官だ。」

「それでは、作戦を伝えさせてもらう。」

「まず、要塞には北と南に門がある。」

「この二つから主力が攻めていくのと同時に、別動隊らが東西の壁を乗り越えて侵入する。」

「冒険者は、俺が率いる兵たちと共に、南側を進んでもらいたい。」

「以上だ。」

「では、始めても構わないか??」

策を説明する流れで、尋ねてきたのである。

すると、シリウスの眼前に[横長の画面]が自動的に展開された。

これ(・・)には…、

  突撃しますか?

  ・YES

  ・NO

そのように書かれている。

「勿論、イエスだ。」

シリウスが人差し指で押した事によって、

「よし!」

「全軍に合図を送れ!!」

[総指揮官のNPC]が部下を促したら、いたる所より“ラッパの音”が鳴り響いたのである。

こうして、総指揮官と兵達が“山の(ふもと)”へと向かいだす。

そんな彼らの後ろに付いてゆく[Team S]だった―。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ