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Arousal of NPC‘s  作者: ネコのうた
Chapter 1/最初の国
23/138

№23 神殿での攻防戦・起

[Team(チーム) S(エス)]は、高さ10M×幅4Mぐらいの正面玄関口より内部に入っていた。

パーティー&調査団は四列になって進んでいる。

ちなみに、最前線は、左から、男性武士のソリュウ/女性アサシンのシエル/少女剣士のシューラ/男性武闘家のサイザーとなっていた。

「敵が来てるわよ。」

シエルが教えた事によって、全員が足を止めて構える。

こちらへとダッシュしているのは、10匹くらいの[ゴブリン]であった。

オスとメスの割合は半々といったところであろう。

どれもが、背丈125㎝ほどで、“麻製の簡易的な服”を着用している。

武器は、木で作られた“棍棒(こんぼう)”に“槍”のようだ。

いずれにしろ。

「ダクドニア!」

「ラウス!!」

女性召喚士たるサキが、[黒い子犬]と[白い小鳥]を呼び寄せた。

皆の頭上を旋回してステータスを倍増させた[カラドリウス]が、〝スッ〟と消える。

[ダークドック.Jr]は、後方より駆けあがってゆき、口から直径20㎝の【ファイヤーボール】を放ち、一体のゴブリンの腹部に命中させた。

それを合図に、シューラ達が乱闘になっていく。

二列目で、

「この狭さじゃ自由に戦えないな。」

男性シールダーのシリウスが、厳しそうな表情となり、

「確かに。」

男性騎士たるサーガが頷く。

彼らの背後で、

「しゃがんで。」

こう指示したのは、女性ガンナーのスイだった。

見れば、[短銃(たんじゅう)]を魔物へと向けている。

「成程。」

理解したシリウスが、床に膝を着きながら、

「魔法と矢も頼む!」

そのように仲間に伝えた。

これによって、

スイが発砲するのと共に、女性弓術士たるサザミンと、少年黒魔術士のソソが、モンスターらに攻撃したのである。

なお、ソソは、直径15㎝の【サンダーボール】を飛ばしていた。

これ(・・)が胸にヒットしたオスゴブリンが、ダメージを負いつつ感電して、うつ伏せになる。


補足ではあるが、シリウス以外にも、サーガとサキに、女性白魔術士たるセイランが、低姿勢となっていた。

三列目は、スイ・サザミン・ソソと、男性陰陽師のソウヤである。

“調査団の4人組”は最後尾にて佇んでいる。


ソリュウ/シエル/シューラが武器を振るい、サイザーが素手で闘う。

ダクドニアは、爪で引っ掻いたり、噛み付いたりしていた。


一匹の敵が払った棍棒を、シューラが木剣で弾く。

そこへ、後方より駆けてきた別のゴブリンが、槍でシューラを突こうとした。

が。

「石よ。」

ソウヤが唱えるなり、直径15㎝程の範囲で床が1Mせり上がって、魔物の体を捕らえたのである。

身動きできずにいるモンスターの“鼻っ面”を、サイザーが右拳で殴ったところ、【クリティカルダメージ】になったみたいだ。

一方、眼前のゴブリンの“頭”を剣で叩いたシューラは、振り返りながら、

「ありがと、ソウヤ。」

礼を述べたのであった。

これに、陰陽師が〝ふむ〟と応える。

なんでも彼は“恥ずかしがり屋”らしく、リアクションが薄い。

そういった状況で、再び【火の玉】を発したダクドニアが、〝フッ〟と消えた。

どうやら、タイムリミットの1分を迎えたらしい。

均衡が崩れるなか、隙を窺っていた二体の敵が、こちらの前線を通過した。

連中の狙いは、きっと、[調査団]だろう。

それを察したシリウスが、

「させるか!!」

走り来る一匹のゴブリンに[木製の大楯]を押し当てる。

「同じく!」

もう一体の左肩を[木の大剣]で突いたのは、サーガだった。

これらに対して、弾丸・氷の玉・矢が放たれる。


そうこうしているうちに、[Team S]は、魔物集団を殲滅したようだ。

ひと息つきかけたところ、

「うぅ~む…。」

渋い顔つきになった“団長”が、

「おそらく、あの数で終わりという訳ではなかろう。」

「もはや、この遺跡はゴブリンの巣窟になっておるかもしれんので、用心したが良いじゃろうな。」

そのように分析したのであった。

「じゃあ、今のうちに、シューラちゃん達の怪我を順番で治癒していくわね。」

白魔術士の提案に、

「とりあえず、ポーションで、いい。」

「セイランは魔力を温存しといて。」

「あと、ソソたちは、MPやSPを回復しとこう。」

“金髪の少女”が答える。

これに誰もが納得した流れで、それぞれに[小瓶]を出現させ、液体を飲み干してゆく……。



暫く前進したら、視界が割と開けた。

ここは[礼拝堂]なのだろう。

奥には、祭壇が置かれており、壁際に[巨大な女神像]が聳え立っている。

その左右には[鉄製の扉]が設けられていた。

こういった“広間”に、ふたグループのゴブリンたちと、人間みたいな少女が、存在している。

身長150㎝ぐらいの彼女は、耳の先端が尖っており、肌はグレーで、瞳は赤く、セミロングの髪は紫色だった。

剣士のような鎧&サークレット型の兜は、“ブラックとレッドのツートンカラー”で、鉄製みたいだ。

右腰に“(ムチ)”を帯びているので、左利き(サウスポー)に違いない。

そんなモンスターが目に映ったらしい団長が、

「もしかして…、魔人族の子供か??」

こう呟いたのである。

それを余所(よそ)に、こちらの近くに居た“第一陣”のゴブリン12匹が距離を詰めだす。

祭壇の側では、8数のゴブリンと、1体の魔人が、待機していた。

そこら辺は未だ動く気配がないことからして、〝第一陣を倒すまでは仕掛けてこない〟といったプログラミングになっているのだろう。

とかく。

「まだ5分が経ってないから、どっちも()び出せないよ。」

「全員、気を付けな。」

サキがメンバーに告げる。

召喚士のリキャストタイムが済んでいないなかで、臨戦態勢となる[Team S]であった―。


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