表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Arousal of NPC‘s  作者: ネコのうた
Chapter 1/最初の国
2/124

№2 ファ―ストクエスト

“金髪の少女”を含めた12人組は、[北東のギルド]に訪れていた。

建物内は割と広い。

正面の“案内所”には、5人の男女が佇んでいる。

右側には“情報屋”の窓口が一つだけ設けられているみたいだ。

なお、[|Wonder Worldワンダーワールド]においては、飲食店や酒場は別に存在している。


“金髪の少女”らの先頭に立つ30代前半ぐらいでガタイのいい男が、

「本当に、オレで良かったのか?」

後ろの仲間たちに確認した。


背丈は174㎝で、金色の髪をオールバックにしており、瞳は青い。

黒色を基調とした(ぬの)の長袖&長パンツに、茶色でレザー()のセミロング手袋とショートブーツを、装備している。

更には[木製の大楯]を背負っていた。

おそらく【シールダー】であろう。


この男性に、

「もう、決まった事だから。」

「シリウスが、私達のリーダーで、問題ない。」

“金髪の少女”が伝え、全員が頷く。


身長152㎝でスレンダーな彼女は、10代前半といった印象だ。

白色を基調とした簡素な長袖ワンピース&長パンツといった“旅人の服”に、ブラウンで革製のショート手袋とロングブーツを、着用している。

左腰に帯びているのは[木の中剣]らしい。

きっと【剣士】なのだろう。


「じゃあ、代表して…。」

意を決したシリウスが、

「あー、こんにちは、お嬢さん。」

受け付けの女性に声をかける。

すると、

「ここは、フラルン帝都のノースイーストギルドです。」

「お客様は初めての方ですね?」

「でしたら、最初に登録させていただきますので、ソロか、パーティーかを、教えてください。」

プログラミングどおりに喋った。

「会話が成立していないんじゃない??」

「これが、“ノンプレイヤーキャラクター”というわけね。」

こう呟いた女性に、

「うん。」

「スイ、正解。」

“金髪の少女”が告げる。


スイと呼ばれた華奢な女性は、40代前半のようで、背丈は165㎝といったところだ。

銀髪ロングの黒肌で、瞳は緑色である。

イエローグリーン(黄緑)を基調とした簡素な長袖&長パンツといった“旅人の服”に、茶色で革製のショート手袋とショートブーツを、装備していた。

他には、腰あたりまでの長さであるパープル()のマントを羽織っている。

左腰には[短銃(たんじゅう)]を帯びているようだ。

そのことから【ガンナー】だろうと推測できた。

なお、現在の銃は、弾丸を一つだけしか込められないタイプである。

ただし、発砲後は、自動的に玉が補充されるらしい。


「オレらは、パーティーだ。」

シリウスが答えたら、

「では、名称を入力してください。」

受付嬢が、[超薄型の画面]を差し出してきた。

これ(・・)に表記されている文字に、

「えー、……。」

Team(チーム)…、S(エス)、と。」

シリウスが右の人差し指で触れていったのである。

「引き続き、リーダーの方の名前も登録してください。」

そう促されたシリウスが、同じような動作を行なった。


「それでは、現在この冒険者ギルドで承っている御依頼を、お知らせします。」

「……。」

「ある落とし物を探す。」

「都から南西の遺跡を調査する人々を護衛する。」

「以上の二つとなります。」

受け付けの女性が提示したところ、

「どっちだ??」

「シューラ。」

シリウスが“金髪の少女剣士”に尋ねたのである。

「ちょっと待って。」

こう返したシューラは、

「…………。」

暫く黙った後に、

「とりあえず、私たちの目標であるレベル上げを優先するためには、遺跡のほうがいい、みたい。」

そのように伝えた。

「さすがは、“女神様の愛子(まなご)”だな。」

シリウスの発言に、

「その呼び方、あまり好きくない。」

「みんな、平等であるべき。」

〝ムスッ〟とした少女剣士の頭を、

「まぁ、いいじゃないですかぁ。」

「それだけ頼りにしているという事ですよ、シューラちゃん。」

穏やかそうな女性が、右手で撫でる。


身長160㎝で、標準的な体型の彼女は、20歳前後といった感じだ。

ゆるふわライトブラウンロングヘアーで、瞳は黒く、肌は白い。

布製で簡素な長袖ワンピースはホワイトであり、革のロングブーツはブラウンだ。

左手に持っている50㎝程の長さである“細めの樫”は[マジックワンド(魔法の杖)]みたいなので、ジョブは【白魔術士】であろう。


「セイラン、もう、いいから。」

シリウスが〝むぅ~ッ〟としたので、

「あら?」

「そうですかぁ??」

〝ナデナデ〟を()める“白魔術士”だった。


「じゃあ…、遺跡を。」

シリウスが告げたら、

「では、詳細に入ります。」

「……、およそ100年前に魔王が倒されたことによって、世界中のモンスターはおとなしくなりました。」

「しかしながら、ここ最近、凶暴化してしまっているのです。」

「巷では、魔王が復活したのではないか? その影響で再び活発になっているのでは?? などと噂されています。」

「また、モンスター達が人間や半獣に動物などを襲ったとの話しもあるのです。」

「一部では、魔物を弱らせるという聖なるアイテムが有り、それが南西の遺跡に納められていると、まことしやかに囁かれているのだとか…。」

「そこで。」

「真偽のほどを確かめるべく、帝都の上層部が、学者たちを派遣する運びとなりました。」

「ですが、学者さんがたは戦闘の素人であり、正規兵達は都での職務があって自由が利かないため、冒険者に護衛を依頼することに決めたそうです。」

こう説明した受付嬢が、

「ここまで御理解いただけましたでしょうか?」

「もう一度お聞きになりますか??」

と、質問してきたのである。

「いや、結構だ。」

渋い顔つきになったシリウスに、

「そうですか……。」

「ちなみに、報酬は、お一人につき金貨4枚です。」

「ただし、道中に遺跡調査団の方が一人でもお亡くなりになってしまうと、護衛失敗という事で、報酬は支払われません。」

「この案件を、お受けになりますか?」

女性が伺う。

「ああ。」

シリウスが首を縦に振ったところ、

「でしたら、都の西門に移動して、学者の方々と合流してください。」

「連絡と手続きは、こちらで済ませておきますので。」

そのように締め括る受付嬢であった―。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ