表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Arousal of NPC‘s  作者: ネコのうた
Chapter 1/最初の国
19/129

№19 WWにおける設定➄

〝はぁ――っ〟と息を吐いたヤトが、

「どうにか勝てたな。」

後ろを振り向きながら〝ニコッ〟とする。

これにつられるかのように、メンバーが揃って〝ふぅー〟と安堵した。

あれから、 [イッチューズ]は、初陣を勝利で飾ることが出来たのである。

「ヤト。」

「一時期グッタリしてたみたいだけど…、〝戦闘不能になりかけた〟ってわけ?」

セブンが首を傾げたところ、

「あー、ネズミに“クリティカルダメージ”くらったときか……。」

「ま、そうだな。」

「ヒットポイントが残り少なくなると、あまり体が動かなくなるんだ。」

「でも、HPを回復してくれるポーションや魔法を使えば、元気になるぜ。」

そのように説明するリーダーだった。

「ヤトもニケも痛そうだったけど、ああいうのって大丈夫なの??」

素朴な疑問を投げかけたエイトに、

「痛覚とかに関しては、致命傷であっても、現実よりもかなり軽減されているよ。」

こう伝えたクマッシーが、

「んー、…、強めの“しっぺ”や“デコピン”ぐらいかな?」

「ね??」

仲間の【戦士】に確認したのである。

それを、

「ああ、そうだな。」

ニケが肯定した流れで、

「温度や味覚とかは、過去作と同じで、本物そのものなんだろうけど。」

このように推測した。

「ん?」

「“ポーション”て、味がするの??」

カリンが尋ねたら、

「いや、そうじゃなくって。」

「料理店での飲食が可能なんだよ。」

「お腹は溜まらないけどね。」

クマッシーが教えたのである。

女性陣が〝へぇ―〟と興味津々になったところで、

「とりあえず進もうぜ。」

パーティーを促すヤトであった……。



数分が経ち、夜を迎えた。

【黒魔術士】のソソが足を止めて〝フ〟と空を見上げつつ、

「お月さま、昨日と形が変わってるねぇ。」

何気なく口にしたのである。

「あぁ、そうだな。」

頷いた【シールダー】たるシリウスが、

「なんでだ??」

【剣士】のシューラに視線を送った。

「…………。」

暫く考えて、

「“十六夜(いざよい)”ていうらしい。」

「明日以降も徐々に欠けていって、その後は満ちていくらしいんだけど…、詳しい事は分からない。」

「なので……、月がどうなっていくのか、楽しみにしてよう。」

そう告げたシューラに、

「うん!!」

笑顔で応じるソソだった。

誰もが(なご)んでいたところ、

「来たよ。」

「新たな敵が。」

こう知らせたのは【アサシン】であるシエルだ。

「シリウス!」

【騎士】のサーガに声をかけられ、

「おう!!」

「皆、いつものフォーメーションで頼んだぜ!」

周囲に指示を出すリーダーであった。



空の星々に、

「すっごい、きれぇ~い。」

エイトが感嘆する。

「ほんと…、まるで銀河よねぇ、これは。」

そのように続いたのは、セブンだ。

「都でヤトが言っていたとおりね。」

カリンが述べたら、

「だろぉーう?」

どこか得意気になるヤトだった。

だが、すぐに真顔となって、

「まぁ、建物や人が多い場所よりも自然のほうが〝空気が澄んでる〟ってことなんだろうけど……、なんか、描写がグレードアップしてるな、今作は。」

こう語ったのである。

脳内の記憶と比較したらしいニケが、

「確かにな。」

同意したタイミングで、

「あ!」

「流れ星!!」

クマッシーが南を指差した。

それによって、

「え?!」

カリンと、

「どこ!? どこ!!?」

セブンを軸に、騒ぎだした中学生たちである。



翌朝――。

シューラ達は、[西の町]に到着していた。

なお、当初は1だったレベルが、個々で2~3になっているようだ。

東門を(くぐ)ったところで、

「儂らは南門で待っておるから、あとで再会するとしよう。」

「お前さんがたは準備を整えるがええ。」

このように喋った“団長”が、調査員らと共に〝シュンッ!〟と【テレポーテーション】したのである。

シリウスが[横長の超薄型画面]をオープンしつつ、

「じゃあ、まずは“換金所”に行くとすっか??」

シューラを窺う。

「ん。」

「それがいいと思う。」

彼女が返した事によって、【瞬間移動】を選択するリーダーであった。


一同は、町の[南西地区]に在る店先に【テレポート】している。

窓口にて、50代前半で黒髭(くろひげ)の華奢な“男性NPC”に、

「いらっしゃい。」

「何を売ってくれるんだい?」

そう訊かれたシリウスが、[アイテムボックス]を開いて、ジュエルや、不要なアイテムを、処分していく…。


ちなみに、ピンク色で[(いびつ)宝玉(ジュエル)]は、大きさで“買い取り価格”が変わってくる。

直径10㎝で銀貨一枚、直径20㎝であれば銀貨二枚、直径30㎝は銀貨三枚、……、といった感じだ。


「合計で、金貨13枚と、銀貨4枚に、銅貨9枚になったが…、どうする??」

シリウスが質問したら、

「〝一人につき金貨1枚ずつにして、余りは全員で何かしらに活用する〟というのはダメかな?」

こうサーガが提案したのである。

「じゃあ、それで。」

承諾したシリウスが、

「各自のイベントリに、お金を送るから、チェックしてくれ。」

そのように伝えたのだった。



あれから[北西地区]の“防具屋”に訪れている。

帝都の店に比べて面積は狭い。

むこうは40人分のスペースがあったが、こっちは20人程といったところだろう。

そんな屋内にて、[Team(チーム) S(エス)]は、“商品一覧”に目を通していた。

「うぅ~む。」

「ポーションとかを補充することも考えた場合、俺たちに手が届きそうなのは“薄革”ぐらいだな。」

渋い表情となった【武闘家】たるサイザーに、

「身を護る物が無いよりはマシじゃろ。」

【武士】のソリュウが意見したら、パーティーメンバーが納得したのである。

かくして、銀貨5枚~8枚の品を購入していくシューラたちであった―。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ