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Arousal of NPC‘s  作者: ネコのうた
Chapter 3/三番目の国
127/129

№127 授受①

着地した赤竜(せきりゅう)は、まだ【ストップアクション】のため攻撃できずにいる。

そんなレッドドラゴンに、“少女剣士のシューラ”など[接近戦メンバー]が【スキル】を用いた。

これらをモロに当てられた竜は、直後に【ストップアクション】の効果が切れたようで、息を〝すぅ――ッ〟と吸いだす。

【火炎】を吐くために。

だが、

「サンダーボール!!」

“少年黒魔術士のソソ”が放った直径30㎝という【雷の玉】が先にヒットし、ドラゴンにダメージを負わせる。

すると、痺れて動けなくなるはずの赤竜が、

「うむ!!」

「よくぞ武を示した!」

「これを受け取るがよい!!」

そのように喋った。

次の瞬間、“男性シールダーのシリウス”の眼前に[縦型用紙]が現れる。

これを片手でつまみ、記されている文字を〝チラッ〟と見たシリウスは、

「おおッ!」

「“契約の書”だ!!」

少なからず興奮して、

「サキ!」

「ほら!!」

“女性召喚士”に差し出した。

両手で紙を掴んで、

「……、ダンジョン内や、屋内だと、全長5Mになるみたいだね。」

「〝ただし、それを下回る狭さの所では喚びだせない〟と。」

そう皆に伝えたサキが、

「名前、どうする?」

シューラを窺う。

これによって〝ん~〟と考え込み、

「レッドラ。」

そのように告げた彼女に、「いいと思う」や「じゃぁ、それで」と賛成するパーティーであった。

ここから、伏せたレッドドラゴンが目を閉じたところで、

「外に赴くか。」

そう述べて、開いた[画面]を確認したシリウスが、

「んあ??」

「“帰還の羅針盤”は不可になったままだ。」

このように知らせる。

「え?!」

「なんで??」

疑問を呈した“女性アーチャー(弓術士)のサザミン”に、「さぁ?」と首を傾げるシリウスだった。

「ふぅーむ…。」

「〝歩いて戻るしかない〟という事やもしれんな。」

そのように“男性武士のソリュウ”が推理したら、

「めんどくさっ。」

“男性武闘家のサイザー”が嫌そうにする。

しかし、

「ま、他に方法がないんだから、行くとしよう。」

穏やかに説いた“男性騎士のサーガ”によって、

「あー、ん。」

「だな。」

サイザーが納得したのもあり、[Team(チーム) S(エス)]は来た道を引き返すために進みだした…。


全員、無言である。

さっきまでは明るく(つと)めていたものの、やはり“女性アサシンのシエル”を失ったのがショックなのだろう。

重苦しい雰囲気だ。

こうして[一本道]を過ぎ、いくらか開けている場所に着いたところ、正面の[洞穴(ほらあな)]より、

「遅れてすまない!!」

女性隊長を先頭にした“ドワーフ兵たち”が駆けてきた。

その流れで、足を止め、

「状況は??」

尋ねた隊長の頭上に[金色のダイヤマーク]が出現する。

シリウスが代表して経緯を語ると、

「つまり、竜に認められたっていう訳か?!」

「それは、実に素晴らしい!!」

嬉しそうに褒めてくれる“ドワーフの女性隊長”であった。

ここから、

「私達は、道すがら仲間の遺体を回収する。」

「なので、先に町へ戻ってもらって構わない。」

「金の羅針盤を持っているなら、時間を短縮できるだろう。」

「あとは……。」

「これをギルドで渡せば報酬が貰える。」

「いろいろと、ありがとう。」

隊長が[用紙]を出す。

それを手にしたシリウスが、

「羅針盤、使えねぇんだけど。」

こう呟くも、女性隊長の[ダイヤマーク]は消えてしまったので、会話ができなくなっている。

“女性ガンナー(銃士)のスイ”が、

「もしかして、これで大丈夫になったのかも??」

「念の為、もう一度、見てみたら?」

そのように勧める。

「成程。」

理解したシリウスは改めて[アイテムボックス]をオープンし、

「確かに!」

「問題なくなっている。」

笑顔になった。

こうして、[Team S]が火山から外に【瞬間移動】する。

ちなみに、シューラたちは2つずつレベルアップしていた―。


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