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Arousal of NPC‘s  作者: ネコのうた
Chapter 3/三番目の国
126/129

№126 ドラゴンに挑む②

“女性アサシン”の全身が、いくつもの[白く輝く泡]となる。

後方にいる“女性ガンナー(銃士)のスイ”が、

「シエル!!」

慌てたように声を発したことで、倒れている[接近型]が気づく。

「そんな…。」

“女性白魔術師のセイラン”が絶句するなか、“レッドドラゴン”が息を吸いだす。

【火炎】を吐くつもりに違いない。

今これを浴びたら、新たな犠牲者が出るだろう。

誰もが焦るなか、“女性アーチャー(弓術士)のサザミン”が[矢]を()った。

“赤い竜”は炎を扱うより先に【混乱】に陥る。

動きを止めたドラゴンが、[Team(チーム) S(エス)]を〝じぃ――っ〟と観察しだした。

「今のうちに回復を!」

“男性騎士のサーガ”によって〝ハッ〟とした“女性白魔術士のセイラン”が、

「オールヒール!!」

急ぎパーティーに【治癒】を施す。

そうしたなか、揺蕩(たゆた)いながら上昇していた[泡]が一つ残らず消える。

この状況にフリーズした仲間を、

赤竜(せきりゅう)に集中せぇいッ!」

「全滅しかねんぞ!!」

“男性武士のソリュウ”が説く。

「!」

「確かにその通りだ!!」

「皆! 専念してくれ!!」

そう“男性シールダーのシリウス”がリーダーとして呼び掛けたところで、タイムリミットを迎えて正気に戻ったレッドドラゴンが、身体を回転させるために反動をつけだした。

〝尻尾で薙ぎ払う〟のを察したスイが[ライフル]を撃ち、【ストップアクション】で竜の攻撃を止める。

更にトリガーを引いたスイによって、ドラゴンは【ストップムーブ】にもなった。

この隙に、“少女剣士のシューラ”など前線メンバーが、赤竜に【スキル】を使う。

それらに続き、“少年黒魔術士のソソ”が【アイスボール】を、サザミンが【スプリットアロー】を、放つ。

こうしたなか、

「セイラン。」

「念の為、もう一度くらい治癒魔法を頼む。」

「現在のHP数じゃ心許(こころもと)ないからな。」

シリウスが理解を求める。

それによって、頷いた白魔術士が、再び【オールヒール】を用いた。

この最中(さなか)、自由になったレッドドラゴンが〝ぐるんッ!〟と回る。

尾が当たった“ソリュウ/シューラ/武闘家のサイザー/サーガ”が、またしても弾かれた。

ギリギリでセイランの【治癒】が間に合ったおかげで、4名のヒットポイントは持ち堪えている。

もし遅れていたなら、シューラとサイザーあたりが犠牲になっていたかもしれない。

シリウスのナイス判断であった。

しかし、[接近型]が横に弾かれた事で、[遠隔戦型]の正面が空いてしまっている。

ここへ、竜が咆哮を発した。

(すくん)でしまった“スイ・ソソ・サザミン・シリウス・セイラン・召喚士のサキ”に、ドラゴンが低空飛行でタックルする。

6名を転倒させながら通過した赤竜が、宙で向きを変えた。

致命傷を負いながらもサザミンが[矢]を射る。

それが刺さったレッドドラゴンは、〝ん~?〟といった感じで首をかしげた。

【混乱】である。

こうした(かん)に、各自がアイテムボックスから出現させた[HP回復ハイ(・・)ポーション]を摂取してゆく。

ヒットポイントを全快させるために。

だが、我に返った竜に【火炎】を吐かれてしまう。

[Team S]は、間一髪で助かった。

とは言え、危機が去ったわけではない。

ドラゴンが改めてタックルを開始したのだ。

スイがすぐさま撃った[弾丸]が命中した赤竜は【ストップアクション】となり、いささか上昇して、誰にも体当たりせず、元の位置に帰り、着地していく。

そんなレッドドラゴンに構え直し、呼吸を整えだすシューラ達だった―。


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