№120 ワイバーン討伐戦④
“少年黒魔術士のソソ”が飛ばした【水の杭】が、“ワイバーンF”の眉間あたりに刺さって、消える。
負傷したFは、“女性アーチャーのサザミン”による【混乱】が解け、正気に戻った。
だが、“女性ガンナーのスイ”の【ストップアクション】にて、まだ攻撃できずにいる。
そんなFの右太ももに、スイが改めて発砲した。
どうやら【ストップムーブ】を付与していたらしく、Fは移動も封じられる。
ここへ、サザミンが【スプリットアロー】を用いた。
それによって、10本に分裂した[矢]の悉くが、Fの顔面にヒットし、新たにHPを削る。
なお、“女性召喚士のサキ”は、未だリキャストタイム中であった。
こうしたなか、攻撃が可能となったFが、クチから直径1.5Mの【ファイヤーボール】を放つ。
それまで様子を窺っていた“リーダーのシリウス”が、
「ふんッ!!」
急ぎ[大楯]を横にして防いだ。
誰もが少なからず安堵したところで、
「サンダーボール!」
【魔法】を使うソソだった…。
“魔人少年”は、“女性アサシンのシエル”による【麻痺】で、砂地で立ったまま硬直している。
この機を逃すまいと、“少女剣士のシューラ”が【二連突き】を見舞う。
一方、“男性騎士のサーガ/男性武闘家のサイザー/男性武士のソリュウ”は、空中に浮いている“魔人少女”との間合いを詰めようとするも、砂に足を取られていた。
しかしながら、三人のなかでは最も速度のあるサイザーが、女子に近づいてゆく。
そこへ、少女が直径30㎝の【エクスプロージョンボール】を飛ばす。
これが胸元に当たって爆発し、サイザーのHPを減少させる。
更には、その衝撃で、尻餅を着く武闘家であった。
ほぼ同時に自由となった男子が、最大幅5㎝×長さ15㎝といった【三日月状の風】を扱う。
それを避けきれず腹部にヒットして怪我したシューラが、よろける。
宙へと上昇しだす少年を、シエルが切り付けようとするも、[サーベル]で弾かれてしまった。
この流れで、顔へと【サンダーボール】を放たれてしまう。
とは言え、シエルは[Team S]で【素早さ】が一番高いので躱せている。
そうして彼女を通過した【雷の玉】は、1人の兵士に当たってしまった。
残念ながら。
……、さておき。
シューラなどの“接近型メンバー”が、“魔人コンビ”に翻弄されていく。
断末魔の叫びをあげながら倒れ、右側面を叩き付けたのは、“ワイバーンF”である。
大量の砂が飛び散るなか、Fが[薄紫色の粒子]となってゆく。
これは、“ソソ・スイ・サザミン”や、何名かの兵による手柄だ。
何はともあれ。
ふと背後を振り返ったシリウスが、
「シューラ達に加勢しよう。」
味方に告げた。
そうしたなか、Fと戦っていた兵隊は、EやAへと各自で向かいだす…。
“シューラ/シエル/サーガ/サイザー/ソリュウ”は肩で息をしている。
HPも割と消耗させられていた。
対する“魔人コンビ”は余裕そうだ。
「ちと、まずいな、こりゃ。」
苦々しい表情になったのは、サイザーである。
こうした彼ら彼女らの頭上を、後ろから前に[矢]と[弾丸]が越していく。
そのタイミングで、
「ダクドニア!!」
「リン!!」
「メラービ!!」
「ディズオン!!」
「ラウス!!」
サーヴァントを喚ぶサキだった―。