№118 ワイバーン討伐戦②
ワイバーン達は、[Team S] と兵隊から向かって左から“A・B・C・D”だ。
兵たちの多くが戦っているのはAにBであった。
Cは“女性アサシンのシエル”によって、Dは“メスのキラービー”こと“メラービ―”によって、【麻痺】となっている。
それら以外の“E&F”は[山の一合目あたり]で様子を窺っていた。
こういった状況で、“ダークドッグ.Jr”の“ダクドニア”と、[火トカゲグループ]が、CやDに【ファイヤーボール】を吐く。
その悉くがヒットするも、どうやら【火炎耐性】のあるワイバーン集団らしく、ダメージは少ないみたいだ。
こうしたなか、大外から回りこんだ“ディザートポイズンスコーピオン”の“ディズオン”が、尻尾の[針]で、Dの左後ろ足を刺した。
それによって、Dは【毒状態】となる。
一方、“ゴブリン”である“リン”は、Cの右後ろ足を[木槍]で突いた。
このタイミングで、CとDの痺れが解ける。
そうしたところへ、
「アイスボール!!」
“少年黒魔術士のソソ”が、直径30㎝といった【氷の玉】を、Cへと放つ。
鼻に当たったこれは、〝ピキピキピキッ〟と凍り付き、〝パリン!〟と割れて、Cに怪我を負わせた。
そんなCの左顎を、[ショートソード]で刺突したのは“少女剣士のシューラ”だ。
更に、Cの左後ろ足へと、“騎士のサーガ”が[両手剣]を振り下ろす。
【毒】の効果が終わったDは、咆哮を発する。
この範囲内だった“サーヴァントや火トカゲ&10名の兵士”が、怯えて、フリーズした。
[Team S]は少なからず驚いたものの一人として固まっていない。
「いきなり、うっせぇな!!」
不愉快そうに[右のローキック]を見舞ったのは“男性武闘家のサイザー”だ。
それが、Dの左後ろ足に直撃する。
「まったくもって、だ。」
Dの右顔へと[刀]を払うは、勿論、“男性武士のソリュウ”だった。
こうした流れにて、Cの右後ろ足をシエルが[サイフォス]で切り付け、再び【麻痺】させる。
“女性ガンナーのスイ”が発砲した[弾丸]で、左翼を貫かれたDは、【ストップムーブ】となった。
それによって、Dの移動が10秒だけ封じ込められる。
この最中、召喚のタイムリミットを迎えたサーヴァント達が〝シュンッ!〟と消えた。
フリーズしていた面子は、正気に戻り、自由に動きだす。
そうしたなか、“女性アーチャーのサザミン”が、
「スプリットアロー。」
[矢]を射る。
14本に分裂した[アロー]は、全て、Cの首元に刺さった。
ほぼ同時に、
「サンダーボール!!」
ソソによる【雷の玉】が、眉間あたりにヒットしたDは、HPを削られるのと共に感電する。
ここから、猛攻を仕掛けるシューラたちであった…。
暫くしたところで、CとDを倒している。
兵隊がバトルを繰り広げていたBも[薄紫色の粒子]となっていく。
Aはまだ健在だ。
逆に兵側は、四割が横たわっていた。
ピクリともしていないので、息を引き取っているに違いない。
そうした光景のなか、事態を静観していたEとFが、低空飛行で距離を詰めだす。
これらの背後に、二体の人影が確認できた。
直立姿勢で浮いたまま、悠々と近づいて来る。
その連中は“魔人の少年少女コンビ”だった―。