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Arousal of NPC‘s  作者: ネコのうた
Chapter 2/二番目の国
115/129

№115 玉響③

ゲーム内はAM07:00で、現実はAM10:55あたり。

モンスターらの討伐を終えた[Team(チーム) S(エス)]は、外に出ている。

内容としては[フラルン帝国の宝石洞窟]とあまり変わらない。

出現する魔物たちが異なるぐらいだ。

ただ、まぁ、例の如く“魔人の少年少女”が存在していた。

“ウルフカットの男子”は[ハルバード(槍斧)]で、“ロングヘアの女子”が[クレイモア()]である。

“親方”を護りつつ、そうした敵どもを殲滅し、[エジット王国のカラーストーン洞窟]を攻略したのだった。

この結果、全員のレベルが1つずつアップしている。

貰った報酬を分配した“リーダーのシリウス”が、

「一旦、王都に戻って、宿屋で休憩するか?」

「他の店とかはまだ開いてないだろうし。」

皆を窺う。

反対する者がいなかったので、【テレポート】するシリウスであった…。



ゲーム内でのAM09:00頃。

宿に泊まっていた[Team S]は、ギルドを巡る事にした。

しかし、二つとも新たな依頼はなかったようだ。

(これからどうしたものか??)と誰もが考えだしたところ、

「“闘技場のイベント”に参加しようぜ!」

“武闘家のサイザー”が嬉々として提案する。

「あー。」

「じゃ、まずは“換金所”と“道具屋”に赴こう。」

そのように方針を定めたシリウスは、改めて【瞬間移動】するのだった……。



いろいろと済ませた流れで、コロッセウム内に入る。

すると、その廊下にて、15歳くらいの少年が、

「おかしいだろ?!!」

「こっちは“Team B(ビー)”だぞ!」

「負けるなんて、ありえねぇッ!!」

こう(わめ)いていた。

身長は168㎝あたりで、“オールバックの髪”や“眉”に“瞳”はブラウン(茶色)だ。

装備からして【騎士】であろう。

そんな彼の背後には、仲間らしき人々が立っている。

こうしたなか、正面に対する少女が、

「実際に勝てなかったんだから仕方ないじゃない。」

「素直に認めなさいよ。」

「みっともないから。」

そのように返す。

こうした“黒魔術士の女子”の後ろにも佇んでいる人らがいた。

シューラ達は、それらの顔ぶれを見たことがある。

以前この王都で遭遇した[Team C(シー)]だ。

なにはともあれ。

「んだとッ??!」

怒りが爆発しかけた男子を、

「もうそこら辺にしておけ。」

「罰せられるぞ、“女神様”に。」

同じパーティーである30代前半といった“戦士の男性”が止めた。

更には、

「そうよ。」

「いい加減に落ち着きなさい。」

20代後半らしき“白魔術士の女性”が(たしな)める。

そこから、「すまなかったな」や「ごめんなさいね」と謝ったメンバーが、

「ほら、行くぞ。」

“オールバックの少年”を連れて、この場を離れだす。

ちなみに、男子は、不服そうだ。

こうした状況にて、

「あら?」

「いつだったか、会ったわよね??」

先程あの少年と言い争っていた“黒髪でポニーテールの少女”が、シューラに気づいた。

“剣士のシューラ”が〝ん〟と頷いたところで、

「大丈夫か?」

「口論になってたみたいだけど。」

そうシリウスが尋ねる。

これに、40代半ばぐらいだろう“武士の男性”が、

「あぁ、問題ない。」

「ありがとな。」

穏やかに返した。

「何があったの??」

素朴な疑問を投げ掛けたシューラに、

「試合を申し込まれたから、受けて立ったのよ。」

「で。」

「私たちに敗北したところ、アイツが噛み付いてきた、というわけ。」

「ほんと、いい迷惑よね。」

“ポニーテールの女子”が苦笑いする。

そうして、

「じゃ、私達はこれで。」

「いつかまた、ね。」

優しく述べた“黒魔術士の女子”が、仲間と共に去ってゆく。

これを眺めつつ、

「イベント参加の手続きを済ませようか、俺たちは。」

“騎士のサーガ”に勧められた事で、一同は[Eクラス]に挑むのであった―。




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