№114 オンゴーイング①
ゲーム内でのAM09:00頃、現実はAM10:07ぐらい。
砂漠でログインした[Team S]が、テントを片付けた。
そうして、[火トカゲ]に乗り、改めて南下してゆく…。
途中で“モンスターの群れ”と戦ったシューラ達は、[町]に辿り着いている。
こちらの世界は夜になっており、幾つもの[篝火]が灯されていた。
そうしたなか、[換金所]や[道具屋]に立ち寄って、町を出る。
ゲーム内はPM19:05で、現実はAM10:22だった。
▽
王都に[イッチューズ]の姿がある。
マスクとして使っていた[スカーフ]を〝ぐいっ〟と首元まで下げた全員が、いささか疲れているみたいだ。
砂地を歩いてきたからだろう。
「ひとまず不用品を売却して、ポーションとかを買い揃えるか?」
リーダーである“武士のヤト”が誰ともなく窺ったところ、だいぶ平静さを取り戻していた“戦士のニケ”が、
「そうだな。」
「で。」
「その後、“乗り物屋”を訪ねてみよう。」
「まぁ、前作と同じなら“火トカゲ”だろうけど……、今の所持金で購入できるのか、値段を知っておきたい。」
こう述べた。
「おし。」
「じゃ、そうすっか。」
それを採用して[画面]を開いたヤトが、
「ま、ず、は…。」
[地図]を検索していく……。
▽
暫くしてまたもやログアウトからのログインを済ませた[Team S]は、再び南へと進んだ。
なお、二度に亘って遭遇した“魔物集団”を殲滅している。
こうして、翌日の朝に[小さめのオアシス]が見えてきた。
その周囲には、何本かの樹木や、数件の建物が、存在している。
メンバーは[火トカゲ]の速度を落としつつ接近してゆく。
位置としては、オアシスの北側だ。
すると、 [金色のダイヤマーク]が浮いている“初老の男性”を確認できた。
[ターバン]を巻いており、肌は浅黒く、ガタイがいい。
パーティーメンバーが[火トカゲ]から降りた流れで、“シールダーのシリウス”が男に話しかける。
ちなみに、ゲーム内はAM06:55で、現実はAM10:29であった……。
男性は“鉱夫の親方”である。
この“NPC”によれば、更に南へ行くと[結構な長さの山脈]があるらしい。
〝そこの一部が洞窟になっており、カラーストーンを採掘できる〟とのことだ。
これを、占領しているモンスターどもから奪い返すのが、此度のクエストである…。
「では、むこうの出入口あたりで待つ。」
「そっちは準備を整えてから赴くのがいいだろう。」
そう喋り終えた親方の頭上から[金のダイヤ]が消えた。
「そんじゃぁ、店を回ってみるか。」
このように声をかけたシリウスに、仲間が頷く……。
シューラたちは、いくつかの店舗を【テレポート】で巡り、何かと売買している。
補足として、当然ながら[乗り物]は町への侵入を禁止されていた。
そうしたオアシスの西側には何も建築されていない。
さておき。
南からフィールドに出たところ、こちらに[火トカゲ]が移動していたのである…。
ゲーム内はAM11:55で、現実はAM10:34となった。
[Team S]は、約束の場所に来ている。
山脈は国の最西端から東へと連なっており、その中間部に[洞窟]があった。
近くには親方が佇んでいる。
いずれにせよ。
依頼主との合流を果たすシューラ達だった―。