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Arousal of NPC‘s  作者: ネコのうた
Chapter 2/二番目の国
107/129

№107 行ったり来たり④

[宝石店]の左側に面した道を“シーフ(盗賊)らしき青年”が走って逃げる。

それを、[Team(チーム) S(エス)]が追いかけていた。

先頭は最もスピードがある“アサシンのシエル”だ。

この後ろに“ガンナー(銃士)のスイ”と“武闘家のサイザー”が続いている。

他のメンバーは少し離されていた。

なかでも[重装備]の者らは、遅い。

そうした状況で、いくらかのNPCが往来している[路地]を“青年”が左へ右へと曲がってゆく。

「ん??」

「これって、“犯罪集団のアジト”に行く道じゃない?」

ふと述べたシエルに、

「確かにね。」

スイが返す。

駆けながら後ろを向いたサイザーが、

「アジトだー!!」

「犯罪集団のー!」

「そこを目指せー!!」

大声で伝える。

パーティーの殆どには聞こえたようで、頷いたり、片手を軽く挙げるなりして、応えた。

しかし、最後尾では、“武士のソリュウ”が、

「なんだって??」

眉間にシワを寄せ、

「分かんねぇ。」

“リーダーのシリウス”が首を横に振る。

「アジトに向かっているらしい。」

「犯罪集団の。」

こう“騎士のサーガ”が教えたところ、〝ほぉう〟や〝あー〟と理解を示す2人だった……。


例の家屋の玄関で、“戦士らしき男性”が相変わらず仁王立ちになっている。

そこに辿り着いた“シーフ”の頭上に[金色のダイヤマーク]が現れていた。

こうした“戦士”と“盗賊”は何やら喋っているみたいだ。

その近くで“シエル・スイ・サイザー”が足を止めた。

3名とも少なからず呼吸を乱している。

「話しかけてみっか?」

なんとなく提案したサイザーに、

「皆を待ったほうがいいんじゃない??」

スイが意見すると、

「私もそう思うわ。」

「もし、あの建物に連中の仲間が潜んでいたら、バトルになった場合、私達の不利になるわよ、数的(すうてき)に。」

このようにシエルが賛成した。

そうした考えに、サイザーも納得する…。


合流して肩で息する“少女剣士のシューラ/少年黒魔術士のソソ/白魔術士のセイラン/アーチャー(弓術士)のサザミン/召喚士のサキ”に、シエルが説明していく。

これが終わったところで、遠くから〝ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ!〟といった[甲冑]の音が幾つにも重なって響いてきた。

誰もが予想したとおり、[Team S]の“武士・シールダー・騎士”だ。

(そば)でストップした3人の息は〝ぜぇはッ!! ぜぇはッ!!〟と荒い……。


「成程。」

「それじゃ、全員、いつ戦闘になっても構わないよう、準備してくれ。」

こう述べたシリウスが[大楯]を、サザミンは[弓]を、スイが[ライフル銃]を、それぞれに背中から取り外す。

更に、シューラは[ショートソード]を、シエルが[サイフォス]を、サーガは[両手剣]を、ソリュウが[小竜景光(こりゅうかげみつ)]を、腰の鞘から抜いた。

[杖]を所持している“ソソ/セイラン/サキ”に、[ハリケーンナックル]のサイザーも、OKみたいだ。

それによって、

「なぁ、お前。」

シリウスが“シーフの青年”に声をかける。

すると、

「げッ?!」

驚いた盗賊が、

「ここまで付いて来たのか??」

困惑と共に悔しがった。

こうしたところで、

「仕方ねぇ。」

「隠し通すのは難しいみてぇだから、オレらの基地に招待してやる。」

「ただし…、後悔すんなよ?」

“戦士の男”が意味ありげに〝ニヤリ〟とする。

その流れで、[木製扉]を開けてゆくのであった―。




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