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Arousal of NPC‘s  作者: ネコのうた
Chapter 2/二番目の国
106/131

№106 行ったり来たり③

“戦士の男性”が、

「犯罪組織ぃ~ッ?!」

「オレ達が??」

「証拠はあんのかッ!!?」

声を荒げる。

「いや、ねぇけど。」

そう“リーダーのシリウス”が伝えると、

「ふんッ!」

「勝手に決めつけんなッ!!」

このように返した男の頭上から[金色のダイヤマーク]が消えた。

「……、どうする??」

“武闘家のサイザー”が誰ともなく訊いたところ、

「改めてリーハの所に行く、とか?」

そう“ガンナー(銃士)のスイ”が提案する。

「ん。」

「それがいいかもね。」

「他の手立てはなさそうだし。」

賛成した“騎士のサーガ”を、

「私もぉ、同じように思うわぁ。」

“白魔術士のセイラン”が後押しする。

これらによって、

「おし。」

「そんじゃぁ、飲食店に戻ってみっか。」

[画面]を開き、【テレポート】を選択するシリウスであった…。


[中央広場]から南下して、その場所に再び訪れている。

しかし、“裏情報屋のリーハ”はいなくなっていた。

既に何処(どこ)かへと去ったのだろう。

“召喚士のサキ”が、

「あとは、礼拝堂か闘技場という事になるね。」

そのように述べると、

「礼拝堂から回ってみる??」

こう“アーチャー(弓術士)のサザミン”が窺った。

[Team(チーム) S(エス)]の大半が了解するなか、

「いや、待て。」

「闘技場あたりにはNPCがおらんかった故、そっちじゃなかろうか?」

“武士のソリュウ”が意見する。

「一理あるな。」

〝ふむ〟と頷いた“シールダーのシリウス”が、

「じゃ、まずは、闘技場に赴こう。」

そう決めたことで、全員が納得した……。


[コロッセウム]の南側に【テレポーテーション】している。

これで二度目だ。

時間帯は夕方になっていた。

各自が周りを見渡していき、

「あ!」

「あれ。」

“少年黒魔術士のソソ”が南東を指差す。

そちらに皆が視線を送ってみたら、[宝石店]の前で騒ぎが起きている。

“貴婦人らしき中年女性”と“シーフ(盗賊)みたいな恰好の青年”が[レディースバック]を引っ張り合っていた。

なお、女性には[ダイヤマーク]が現れており、

「これはわたくしのよ!!」

「手を離しなさい!」

こう喋っている

その近くでは“年配の男性”が仰向けで倒れていた。

服装からして“執事”のようだ。

“シーフの男性”に殴られるなりしたのかもしれない。

何人かの野次馬がいるが、全てNPCらしく、戸惑っている。

「行こう。」

このように告げて、走りだしたのは、“少女剣士のシューラ”だ。

それにパーティーが続く。

ある程度シューラたちが寄ったところで、力負けした貴婦人が尻餅を着いた。

[バック]を奪った男が警戒しつつ後退(あとずさ)りするなかで、

「大丈夫か??」

シリウスが心配したら、

「購入したばかりの宝石が入っているの!!」

「わたくしのバックを取り返してちょうだい!」

こう女性が頼んでくる。

次の瞬間、[Team S]の足が自動で止まった。

「なんだこれ?!!」

サイザーを始め、皆が驚くなか、“ひったくりの青年”もストップする。

その流れで、シューラ達の正面に、直径50㎝で極薄の[サークル]が展開された。

こうした[円]の中で、〝5〟〝4〟〝3〟と、カウントダウンが進んでゆく。

そして、〝0〟になるなり、犯人がダッシュで逃げ出す。

と同時に、誰もが自由になる。

すぐさまソリュウが、

「追うぞ!」

このように発したことで、パーティーは改めて駆けだした。

しかしながら、シリウスやサーガにソリュウといった[重装備]の者は遅い。

「取り敢えず!!」

「軽装のメンバー!」

「よろしく!!」

そうシリウスが言ったところ、

「任せて!」

ぐんぐんとスピードを上げていく“アサシンのシエル”だった―。


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