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Arousal of NPC‘s  作者: ネコのうた
Chapter 2/二番目の国
104/129

№104 行ったり来たり①

「その人物は、リーハという通り名で呼ばれている。」

「今は二代目だ。」

「ま、それはいいとして…。」

「いつも、だいたい、礼拝堂、飲食店、闘技場、ここら辺りを巡っているらしい。」

「それ以上の事は俺にも分からん。」

「すまないが、な。」

「情報としては、こんなもんだ。」

「それじゃあ、銅貨5枚を貰うぞ。」

こう語り終えた中年男性に支払いを済ませた“リーダーのシリウス”が、

「何処から行ってみる??」

仲間を窺う。

「順番でいいんじゃないかな?」

“騎士のサーガ”による意見に、誰もが頷く。

「つーことは、礼拝堂からか。」

「じゃ、ひとまず外に出ようぜ。」

シリウスによって、玄関へと向かう[Team(チーム) S(エス)]だった……。


北西区に在る[礼拝堂]の東側に【テレポート】する。

そうしたところで、

「あれ、金色のダイヤ。」

“アサシンのシエル”が気づく。

頭にスカーフを巻いている40歳くらいの女性に近づいて、

「リーハっていう人を知らないか??」

シリウスが訊ねたら、

「さぁ? 分からないわ。」

「ごめんなさいね。」

このように述べた。

「それじゃ、次に向かいましょう。」

アーチャー(弓術士)のサザミン”に促された事で、シリウスが再び[画面]を開く。

[地図]をチェックし、

「飲食店の(そば)には瞬間移動できないみたいだから、一旦、中央広場に渡るぞ。」

そう伝えるシリウスであった…。


シューラたちは、広場から[南の大通り]を歩いている。

ちなみに、道幅は15Mあたりだ。


およそ1分後、道路に面した場所に[飲食店]があった。

位置としては南西区だ。

この店内へと足を運ぶ……。


ゲーム内ではあるがお昼時になろうとしている頃なので、お客さんがそこそこ居る。

こうしたなか、奥の[テーブル席]に座っている男性にダイヤマークが見受けられた。

肌は褐色で、眉や瞳に髭は黒く、ターバンとガラベーヤは白い。

そんな小太りで40代後半ぐらいの男性に、

「リーハを探しているんだが…。」

シリウスが声をかける。

軽く「ふむ」と反応を示した男性が、

「合言葉を確かめさせてもらうぞ。」

「ここは飲食店だから、それにちなんで、まずは……、弱火で?」

このように質問してきた。

メンバー全員が〝え??〟と困惑すること数秒、

「時間切れだ。」

無情に告げた男性から[金色のダイヤ]が消える。

“武士のサイザー”が、

「おいおい、どうすんだ? これ。」

そう呟いたところ、

「もう一度、ギルドの情報屋を訪ねてみるか??」

“武士のソリュウ”が提案した。

この考えに誰もが賛成する…。


屋外に出てみたら、痩せ型の“男性老人”の頭上に[ダイヤマーク]が浮かんでいた。

「はぁ。」と溜息を()いている老体に、

「何か悩みでも?」

シリウスが相談に乗ってあげようとする。

「おー、聞いてもらえるのか??」

「実はな、ついさっきスリに遭ってしもうたようなんじゃ。」

「今月分の財産、全て失ってしもうて、途方に暮れておったんじゃよ。」

老人が事情説明を終えると、シリウスの眼前に[縦長画面]が自動で現れた。

そこには……、

    金貨1枚を恵んであげますか?

    ・YES

    ・NO

と書かれている。

この内容をシリウスが教えたら、

「ちょっと高いわね。」

ガンナー(銃士)のスイ”が目を細めた。

「でもぉ、人助けだしぃ、構わないんじゃない??」

そう勧めた“白魔術士のセイラン”に、

「もしかしたら、何かに繋がるのかも?」

“少女剣士のシューラ”が続く。

これを、

「一理あるかもしれないね。」

そのように“召喚士のサキ”が後押しする。

「あり得るかもな。」

納得したシリウスが、[YES]を選択したところ、

    金貨1枚を与えました。

こう表示された。

その流れで、

「なんと??!」

「こんなに?!!」

驚いて、

「ありがとう!」

「ほんっとうに、ありがとう!!」

感謝した老体が、

「儂に返せる恩があれば、なんでもやってあげよう。」

「困っておることはないか??」

嬉しそうに喋る。

「あー。」

「試しに、だけど…。」

「合言葉って、知ってたりはしないよな?」

シリウスが念の為に尋ねてみたら、

「……。」

「ん??」

「もしかして、リーフのか?」

「それだったら分かるぞい。」

「何せ、儂が初代じゃからな。」

〝ニカッ〟とする老人だった―。




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